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近年、オフィスにファミリーレストランのようなボックス席を導入する企業が増えています。ソファとテーブルを配置したセミオープンな空間は、打ち合わせから休憩まで多目的に活用できる点が魅力です。省スペースで設置でき、コミュニケーションの活性化にも貢献するファミレス席について、特徴や導入のポイントを解説します。
ファミレス席とは?その定義と特徴を押さえる
ファミレス席は、ファミリーレストランに見られるボックス席をオフィス向けにアレンジしたミーティングスペースです。テーブルを挟んで向かい合う形でソファを配置し、4名から8名程度が座れる構造が一般的になります。完全な個室ではないものの、背もたれやパネルで適度に区切られたセミクローズドな空間により、会議室ほど堅苦しくない雰囲気で利用できる点が特徴です。近年では多様な働き方に対応する柔軟なオフィス空間として、導入する企業が増えています。
ファミレス席・ボックス席/対面ソファ型とは何か
テーブルを中央に配置し、両側にソファを向かい合わせで設置したボックス型の座席空間です。背もたれが視線を遮り、周囲との適度な距離感を保ちながら会話できます。上部が開放されたセミオープンな形式で、圧迫感を感じにくい構造です。
飲食店とオフィスでの使われ方の違い
飲食店では食事や団らんの場として利用されますが、オフィスでは打ち合わせ、Web会議、休憩など多目的に活用されます。オフィス向けは適度な緊張感を保ちながらリラックスできる設計で、座面の奥行きや背もたれの角度が調整されています。
一般的な構成要素(ソファ、テーブル、仕切り・パネル)
基本要素はソファ2脚とテーブル1台です。ソファは座面奥行き45cm程度、座面高42cm程度が標準的で、テーブルは奥行き70cm程度です。背もたれの高さは90cmから150cm程度まであり、必要に応じてパネルを追加して視線や音の遮断レベルを調整できます。
席構成のバリエーション(対面式、L字式など)
最も一般的なのは対面式です。壁際配置やL字型、背もたれ同士を隣り合わせにしたアイランド型配置もあります。壁をくり抜いたように見せる洞窟型や、パーテーションで囲んだ間仕切り併用型など、空間の特性や用途に応じて選べます。
ファミレス席を設けるメリットと用途シーン

ファミレス席は省スペースで複数名が利用できるミーティング空間を確保でき、導入コストも比較的抑えられます。ソファとテーブルだけで設置が完了するため、パーテーションや大規模な工事が不要です。会議室のように事前予約や移動の手間がかからず、空き状況が一目で分かるため気軽に利用できます。向かい合う距離が近く、リラックスした雰囲気の中で会話が弾みやすい環境は、コミュニケーションの活性化に寄与します。打ち合わせ、休憩、軽食、来客対応など、多様な用途で活用できる柔軟性が大きな魅力です。
省スペースで複数席確保できる点
4人掛けの場合、幅150cm×奥行200cm程度のスペースがあれば設置可能です。会議室を新設するより省スペースで、デッドスペースになりがちな窓際や柱と柱の間も有効活用できます。限られたオフィス面積でも複数の打ち合わせ場所を確保できます。
コストや導入ハードルの低さ
ソファとテーブルを購入して配置するだけで完了します。パーテーション工事や電気配線の移設工事が基本的に不要なため、初期費用を抑えられます。レイアウト変更時も家具を移動するだけで対応でき、会議室を新設するよりもコストパフォーマンスに優れています。
コミュニケーション活性化につながる作用
テーブル奥行きが浅く、向かい合う人との物理的距離が近くなる設計です。物理的距離が近いほど心理的距離も縮まり、親近感が生まれやすくなります。ソファのくつろいだ座り心地で自由な意見交換やアイデアの創出を促進し、部署を超えた交流の場としても機能します。
オフィス/飲食店での主な用途(打合せ、休憩、軽食など)
オフィスでは簡易的なミーティングやWeb会議、1on1面談、休憩、昼食など多目的に利用されています。会議室を予約する手間なく迅速に集まれ、来客対応や待合室としても活用できます。飲食店では食事や会話を楽しむ快適な空間として人気があります。
導入上のデメリット・注意点
ファミレス席は完全な個室ではないため、機密性の高い情報を扱う打ち合わせには適していません。周囲に音が漏れやすく、視線も入りやすいため、内容によっては会議室を使い分ける必要があります。ソファとテーブルが固定的な配置になりやすく、人数変更や用途変更への柔軟性に欠ける面もあります。利用ルールを明確にしないと、特定の人やグループが長時間占有してしまう可能性があります。座り心地や使い勝手を確認せずに選ぶと、利用率が低くなるリスクもあるため、事前の検討が重要です。
プライバシー・音漏れ・視線問題
セミオープンな空間のため、会話内容が周囲に聞こえやすく、機密性の高い議題には向きません。完全な遮音は難しく、音漏れは避けられません。周囲の雑音が気になったり、通行人の視線が気になったりする場合もあるため、会議室との使い分けが必要です。
席が固定化されやすく可変性に欠けるリスク
ソファとテーブルが一体的な配置になるため、人数や用途に応じた柔軟な変更が難しくなります。椅子を追加できる会議テーブルとは異なり、ソファの増減は容易ではありません。組織変更やプロジェクトメンバーの増減に対応しにくく、長期的な使い勝手を考慮した設計が必要です。
利用マナー・予約管理の必要性
気軽に使えるメリットがある一方、利用ルールを定めないと混乱が生じます。予約制にするか自由利用にするか、利用時間の上限を設けるかなど、運用方針を明確にする必要があります。一部を予約制、一部を自由席にするなど、バランスの取れた運用が理想的です。
椅子・テーブル高さ・脚配置など使い勝手の問題
ソファの座り心地やテーブルの高さが合わないと、長時間の利用が苦痛になります。座面の硬さ、テーブルの脚の位置、背もたれの角度などが快適性に影響します。実際に座って試す機会を設け、従業員の意見を取り入れながら選定するのが望ましい方法です。
レイアウト設計のポイントとスペース配分

ファミレス席の配置を決める際は、人の流れや執務スペースとの位置関係を考慮する必要があります。通路幅を十分に確保しないと、動線が妨げられて利用しにくくなります。ソファとテーブルのサイズは利用人数に応じて選び、周囲に適切なスペースを確保しましょう。背もたれやパネルの高さを調整すれば、視線のコントロールやプライバシー性を高められます。窓際や壁際、コーナーなど、デッドスペースになりがちな場所を有効活用すれば、限られたオフィス面積を最大限に生かせます。
通路・動線から見る席配置の考え方
周囲には人が通行するための通路を十分に確保する必要があります。通路幅80cm以上を確保すれば、人がすれ違える動線になります。執務スペースのメインの通路沿いに配置すると利用状況が一目で分かりますが、通行量が多すぎない適度に離れた位置が理想的です。
テーブル・ソファの適切な間隔とサイズ目安
4人用の場合、テーブルの長さは150cm、奥行きは70cm程度が標準的です。ソファの座面奥行きは45cm程度、座面高は42cm程度が一般的です。背もたれの高さは用途に応じて90cmから150cm程度で選びます。隣接する席との間隔は60cm以上確保しましょう。
パネル・背もたれ高さで視線コントロール
背もたれの高さを90cm程度に抑えれば、オープンな雰囲気を保ちながら適度な区切りを作れます。120cm程度で頭が隠れてプライバシー性が高まり、150cm以上でしっかりとした個室感を演出できます。透明や半透明のパネルを選べば、開放感を保ちながら視線を遮れます。
壁際・角・窓際スペース活用術
窓際に柱があるデッドスペースも、ファミレス席なら有効活用できます。外の景色を眺めながら打ち合わせや休憩が可能です。部屋の角やコーナーはL字型にソファを配置し、壁面を利用すれば片側の背もたれが不要になり、コストを抑えつつプライバシー性を高められます。
テーブル・ソファ・仕切りなど什器選定の基準
ファミレス席の什器を選ぶ際は、見た目だけでなく機能性や使い勝手も重視する必要があります。テーブルの脚の形状によって、座る位置や足元の快適性が変わります。ソファのサイズやクッション性、背もたれの構造は、長時間利用する際の疲れにくさを左右します。パネルやパーテーションの素材と高さは、プライバシー性と開放感のバランスを決める要素です。将来的なレイアウト変更やメンテナンスのしやすさも考慮し、可動式や拡張性のある什器を選ぶと、長期的な活用が可能になります。
テーブル脚の形状(中央脚・四脚・ロの字脚など)と足入れ性
中央脚タイプは周囲のどこからでも座りやすく、足元が広々としています。四脚タイプは安定性に優れますが、座る位置によっては脚が邪魔になります。ロの字脚は中央部分の足元がすっきりして座りやすくなります。脚の配置によって移動のしやすさが変わる点にも注意しましょう。
ソファサイズ・クッション性・背もたれ構造
座面幅は2人掛けなら120cm程度、3人掛けなら180cm程度が目安です。座面奥行きは45cm程度に抑え、硬めのウレタンフォームが適しています。背もたれはほぼ垂直に設計し、リクライニングしない構造が業務利用に向いています。肘掛けの有無も検討ポイントです。
パネル・パーティション素材と高さ選び
素材には木製、布張り、アクリル、ガラスなどがあります。木製は温かみがあり、布張りは吸音性があります。アクリルやガラスは透明感があり、圧迫感を抑えながら視線を遮れます。高さは90cmから150cm程度の範囲で選び、プライバシー性と開放感のバランスを取ります。
可動式・拡張性・メンテナンス性を見た選定基準
キャスター付きのソファやテーブルを選べば、レイアウト変更時の移動が容易になります。モジュール式のソファなら人数や用途に応じた配置が可能です。座面カバーが取り外せて洗濯できる仕様だと清潔さを保ちやすく、耐久性の高い素材を選べば長期的なコストを抑えられます。
<ファミレス席におすすめのソファはこちら>
まとめ
ファミレス席は省スペースで多目的に活用でき、コミュニケーションの活性化にも寄与する柔軟なオフィス空間です。会議室を新設するよりも導入コストが低く、レイアウト変更にも対応しやすい点が多くの企業に支持されています。導入時は用途や配置、什器の選定を慎重に検討し、利用ルールを明確にすれば、従業員にとって使いやすい環境を実現できます。プライバシーや音漏れといった注意点を理解したうえで適切に運用すれば、快適で効率的なオフィスづくりの有効な選択肢となるでしょう。


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