建築資材として使われる木材は、大きく「広葉樹」と「針葉樹」の2つに分けられます。この記事では、広葉樹のなかでも特に人気のあるナラ(オーク材)とウォールナット材の違いや、それぞれのメリットについて詳しくご紹介します。また、オーク材とウォールナット材の家具の選び方も解説しますので、これから家具選びを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
オーク材とウォールナット材の家具の紹介
まずは、オーク材とウォールナット材の家具についてご紹介します。
オーク材の家具とは
オーク材とは明るく黄色味のあるカラーが特徴の木材で、汎用性が高いことからさまざまな家具に使用されています。北欧風テイストをはじめ、ビンテージ調のインテリアなど多様なスタイルにも相性が良いため、非常に人気がある木材です。
ウォールナット材の家具とは
ウォールナット材は、世界三大銘木として長年重宝されてきた木材です。国内で多く加工されるウォールナット材として、ブラックウォールナットやアメリカン・ウォールナットなどがあります。
ブラックという名前のとおり、褐色がかった深みのあるカラーが特徴的で、加工性や装飾性に優れています。そのため、ウォールナット材はアンティーク家具や高級家具をはじめ伝統工芸品などさまざまな用途で使用されているのです。
オーク材の家具のメリット
オーク材の家具の特徴や耐久性などから、オーク材の家具を使用するメリットについて詳しくご紹介します。
オーク材の紹介
オークは、ブナ科の広葉樹としておもに北米で採取される木材です。オーク材には200種類以上の異なる種類が存在しており、性質や特徴もそれぞれ微妙に異なります。
オーク材のなかでも特に有名なのが、「アメリカンホワイトオーク」、「アメリカンレッドオーク」、そして「ナラ(ミズナラ)」の3種類です。
ホワイトオークは、レッドオークに比べて耐久性や強度があり、ワインやウイスキーの樽材としても使用されています。やや赤みがかった色合いのレッドオークは、木目が粗めで加工しやすい適度な硬さが特徴です。
ナラ材は、国内では北海道や東北地方などの寒冷地で採取される木材です。特に、北海道で採取されたミズナラは高級木材として国内外から人気があります。
オーク材の家具の美学
オーク材を使用するメリットは、なんといっても木目の美しさです。オーク材には、「板目」、「柾目」、そして「虎斑」の3つの木目表情があるといわれています。
木を切断する際、外側に近い部分を切ると板目の木材となります。木の年輪がわかる山のような、タケノコのような模様をしているのが特徴です。木目の木材は、おもにテーブルなどでよく使用されています。
木の中央部分を切断すると「柾目」の木材となります。並行な木目が特徴的で、とてもシンプルでスタイリッシュな印象を与えるため、モダンなデザインを好む方におすすめの木目です。
最後に「虎斑」はホワイトオークなどで見られる木目で、横切るような帯状の木目で縞模様をしています。オーク材にしかない唯一無二の木目であるため、オーク材の美しさを堪能したい方におすすめの木目です。
オーク材の耐久性
オーク材は非常に硬くて重く、密度の高い木材であることから、耐久性の高さも魅力です。優れた耐水性を誇るのも特徴。樽材として使用されるほか、飲み物や食べ物、さらに物を落としてしまう床のフローリング材としてもよく使用されています。
ウォールナット家具のメリット
ウォールナット家具を使用するメリットや耐久性・強度についてご紹介します。
ウォールナット家具が人気の理由
ウォールナット家具が人気を集める理由は、高級感あふれる風合いです。美しい木目はもちろんのこと、深みのある濃い褐色の色合いによって独特の雰囲気を演出します。
ウォールナット材は適度な油分を含んでいることから、艶感があるのも大きな特徴です。人が触れて使い込んでいくうちに味わいのある風合いへと変化していき、経年変化も楽しめます。
ウォールナット材家具のメリット
ウォールナット材は、伸び縮みや反りがほとんどない木材として知られています。長い期間使用されることが想定されるフローリングや家具にとって、この狂いの少なさは非常に重要なポイントです。
さらに、触り心地の良さもウォールナット材の魅力の一つです。非常に硬い木材であることから、ツルツルとした触り心地をしています。湿度の高い梅雨や夏場の時期も、ベタつくことなく快適に使い続けられるでしょう。
ウォールナット材の家具の耐久性と強度について
ウォールナット材は、非常に耐久性の強い木材です。ウォールナット材を含む広葉樹は、英語でハードウッドと訳されるほど密度が高く、硬さが十分にある木材として知られています。
フローリング材として使用した場合でも、重たい物を落としたりお子さんやペットが引っ掻いたりしても傷がつきにくく、へこみにくいのが特徴です。
このように、ウォールナットは耐久性だけでなく衝撃性もある木材として重宝されています。
ウォールナット家具の仕上げについて
ウォールナット家具は、おもに「ウレタン塗装」と「オイル塗装」の2つの塗装方法で仕上げられています。
ウレタン塗装とは、家具の表面に塗膜を貼って傷や汚れを防ぐ塗装方法です。食事中に水をこぼしても木に染み込むことがないため、特別な手入れが必要ありません。
一方、オイル塗装は、植物性の樹脂を家具本体に染み込ませる仕上げ方法です。木材の内部を保湿し、木材の状態を維持することを目的としています。木の本来の質感を損なうことなく、自然な手触りを楽しめるのが最大のメリットです。
木材によってはオイル塗装をすることで経年変化による色合いの変化が楽しめなくなる場合がありますが、ウォールナット材であれば、オイルで仕上げた場合もしっかりと経年変化を味わえるでしょう。
オーク材とウォールナット材の家具の選び方
ここからは、オーク材とウォールナット材を使用した家具の選び方をご紹介します。
オーク材とウォールナット材の家具のデザイン性の違い
オーク材とウィールナット材の最大の違いは、色合いです。オーク材はよりナチュラルなカラー、ウォールナット材は黒に近い茶色をしています。ウォールナット材のほうが重厚感や高級感のある仕上がりです。
オーク材は使用頻度が多い場所に最適な家具
オーク材は、使用するたびに色が濃くなって褐色に変化していきます。そのため、テーブルや椅子など使用頻度の高い家具に最適な木材です。
ウォールナット家具は使用頻度の低い場所に
オーク材に比べて割高な傾向にあること、そして、経年変化によって濃い色から明るい色味に変化していくことから、ウォールナット材を使用した家具は使用頻度の低い場所に設置するのがおすすめです。
オーク材とウォールナット材の家具を選ぶ際の注意点
オーク材もウォールナット材も高額になりがちなので、注意が必要です。ただし、価格が高いぶん耐久性や強度は非常に高く、値段に見合うだけの価値を持つことは確か。ぜひ、予算と相談しながら家具選びをしていくことをおすすめします。
まとめ
オーク材とウォールナット材は色味や風合いが異なりますが、どちらも耐久性や強度に優れている木材です。使う家具や好みのテイスト、予算によって最適な木材は異なります。10年後、20年後の状態をイメージしながらお好みの木材を選んでみてはいかがでしょうか。