オークからつくられる「オーク材」は耐久性が高く、色合いの種類が豊富なことから、和洋問わずどのような空間にも違和感なく溶けこむとして、業務用の家具にしばしば利用される木材です。この記事では、オーク材の性質や種類、家具に使用する際のメリットやデメリットをご紹介します。業務用の家具で、オーク材が使われているものを選びたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

オーク材の紹介

オーク材とは

オークは、カナダやアメリカなどの北米地域や、日本、ロシア、中国に自生する広葉樹です。高い耐久性を誇ることから「森の王」とも呼ばれます。また、樹齢が非常に長いため、特にヨーロッパにおいては古くから生命力や長寿の象徴として好まれているのです。和名は「ナラ」であり、日本ではどんぐりの木として親しまれています。
クラシカル、ナチュラル、モダンといったあらゆるインテリアのテイストになじむため、木材としてはもっともポピュラーなものといえるでしょう。
例えば、グスタフ・スティックレーやフランク・ロイド・ライトといったモダンなインテリアブランドにもしばしば利用されていますし、独特の木目や色味を活かし、高級感や温かみを感じさせたい家具にも好んで用いられます
なお、国産のオーク材は、北海道でとれるミズナラが原料として、おもに用いられることで知られています。北米産のオークと区別されることもありますが、どちらもブナ科コナラ属の落葉広葉樹で、模様などには共通点が少なくありません。

オーク材の特徴

オーク材の樽イメージ

オークは世界中に幅広く分布しており、世界中で300〜350もの種類が確認されています。このため、明るいベージュからブラウン、レッドまで、インテリアのテイストに合わせてさまざまな色をそろえられるのが特徴です。
また、時間を経るごとに色合いが変化する木材でもあり、色合いの変化を大きな魅力としてとらえる方もいます。
どの種類のオーク材も、重さがあり硬く、耐久性が高いことが特徴です。また、タンニンを多く含むため、虫やカビに強いことでも知られています。
オーク材はその耐久性の高さから、ワインやウイスキーの樽として用いられることでも有名です。もともと樽だったオーク材を再利用した家具などもあり、ヴィンテージ風の重厚さが楽しめます。

オーク材の種類

オーク材にはさまざまな品種があり、種類によって、色や値段、耐久性、使用用途が異なります。ここでは、代表的な3種類のオーク材をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

レッドオーク
ほのかな赤みが特徴のオーク材です。クラシック、アンティーク風の家具によく使用されるほか、耐衝撃性に優れているため、床材などにも使われます。ホワイトオークに比べ、乾燥が容易なため、反りやねじれが発生しづらいのが魅力的です。ほかのオーク材よりも安価に手に入りやすいため、多くの家具に用いられています。
ホワイトオーク
北米原産のオークです。レッドオークよりも重さや硬さがあり、高級木材として知られています。白っぽい色味が特徴ですが、年数を経るごとにベージュに近い色合いに変化するのが特徴です。
ナラ(ミズナラ)
日本やロシアでとれるミズナラからつくるオーク材です。ホワイトオークと見た目や色合いはほぼ一緒ですが、ナラは目が細かいなどの点が違い。近年では供給量が少なく、値段が高騰しています。

オーク材を家具に使用するメリット

オーク家具

オーク材の魅力が伝わる

オーク材は、見た目だけでオーク材かどうか判別できるほど特徴的な木目や色合いを持っています。切り方や個体によって異なる模様が楽しめるほか、色味も美しいため、大きな塗装や加工をせず、ステインやクリアなどのナチュラルな仕上げを好む方も少なくありません。
オーク材の模様には「柾目」「板目」「虎斑」の3種類があります。

柾目(まさめ)
木材の中心付近を使った際に現れる模様です。直線的な模様が特徴的で、ナチュラルテイストの家具に用いられます。一本の木からとれる量が限られているため、板目よりも高い値段が付く傾向にあります。
板目(いため)
木材の、中心以外の部分を使った際に現れる模様です。山形の曲線が特徴で、特にオーク材では板目の模様がはっきり出ることで知られています。重厚なテイストの家具によく使われます。一本の木から切り出せる量が多いため、手頃な値段で手に入れられるのが特徴です。
虎斑(とらふ)
オークの柾目にときどき現れる、虎の毛のような模様のこと。栄養を蓄えたオークのみに現れるため、質が良い木材の証拠として高価な値段が付きます。ただし、「傷のように見える」として避ける方もいますので、好みの分かれる模様といえるでしょう。

オーク材の家具の耐久性

オーク材の家具は、耐久性が高いことで知られています。
カビや虫食いなどのトラブルが発生しづらく、長期間劣化せずに利用できます。傷や汚れにも強いので、メンテナンスが簡単です。机や椅子など使用頻度の高い家具を利用したい場合は、オーク材でつくられたものを検討することをおすすめします。
ヴィンテージやアンティークの家具が見つけやすいのも、耐久性が高いオーク材ならではの特徴です。10年以上大切に使われてきたオーク材の家具は飴色のような美しい色合いを持ち、愛好者が少なくありません。

オーク材を家具に使用するデメリット

オーク材の重量的問題

オーク材は、他の一般的な木材と比べて密度が非常に高いのが特徴です。耐久性が高くなる反面、場合によっては他の木材よりも40パーセント程度重くなってしまうこともあります
木造の建物や、築年数の古い建物などに家具を設置する場合は、床の耐荷重をよく確認してください。家具のサイズによっては、移動や設置が大変になったり、搬入や据え付けの際に追加のコストがかかってしまう場合もあります。
オーク材の家具を購入する際は、重みをチェックし、搬入や維持管理を事前にシミュレーションすることが重要です。

湿気に対する脆弱性

一般的な木材に比べれば耐水性に優れているオーク材ですが、利用方法によっては木材内部に湿気を帯びさせてしまい、カビやシミ、たわみをつくってしまう原因にもなりかねません。
室温の調整や、塗装による加工、直射日光や紫外線を避けるなどの対策を取り、木材が乾いた状態を維持できるように努めましょう。普段のメンテナンスでも、ぬれた雑巾は使わないか、ぬらしたあとには乾いたタオルで拭くなどの対策を取る必要があります。ただし、こういったメンテナンスは、オークだけでなくあらゆる木製の家具に共通する注意事項ですので、ぜひ覚えておいてください。

加工の難しさとコスト

オーク材を使った家具は、加工が難しいことで知られています。オーク材は硬く重いことから耐久性が高い反面、切ったり削ったりするのに専用の工具や技術が必要であり、塗装や仕上げにも技術が必要です。
また、導入コストの高さもデメリットです。日本ではロシア原産のオーク(ナラ材)が人気ですが、近年はロシアで伐採規制がかかり、入手が難しくなっています。
オーク材は、ほかの材木と比べて成長に時間のかかる木です。耐久性や強度のあるオークを育てるためには150年程度の期間が必要ともいわれており、大量に伐採することはできません。近年はウッドショックなどの影響もあり、さらに値段が高騰しています。

まとめ

耐久性に優れているオーク材。木目が美しく、色合いも豊富なので、あらゆるインテリアのテイストに合わせやすい特徴を持っています。ヴィンテージの家具も多くあり、内装デザインに高級感や温かみを感じさせたい場合は、ぴったりの木材といえるでしょう。ただし、重さがあることや、導入時にコストがかかることなどのデメリットは無視できません。購入の前にはメリットやデメリットをよく把握し、好みや店舗の雰囲気に合ったオーク製の家具を見つけてください。

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