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サステナブル建築は、美しさと環境への配慮が融合した、新時代の建築スタイルです。持続可能な開発目標(SDGs)に貢献し、未来の地球環境と人々の生活の質を考慮した建築方法が注目されています。本記事では、サステナブル建築の概要から、そのメリットやデメリット、日本と海外の成功例を解説します。
サステナブル建築とは
サステナブル建築とは、環境への影響を最小限に抑えつつ、持続可能な建築物の設計、建設、運用を指します。この建築方法を採用することにより、エネルギー効率の高い材料の使用、自然光の最大化、廃棄物の削減、地域社会へのポジティブな貢献を目指しています。
サステナブル建築の特徴
サステナブル建築の最大の特徴は、環境に配慮した設計と運用にあります。以下で、主な特徴を説明します。
地球温暖化の抑止
サステナブル建築では、二酸化炭素排出量の削減が重要な目標です。これは、エネルギー効率の高い断熱材の使用、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの活用により実現されます。また、建築物の設計段階から、自然の風や日差しを効率的に取り入れることで、暖房や冷房に依存するエネルギー消費を削減し、温室効果ガスの排出量を大幅に減らすことができます。
住みやすい地域づくり
地域固有の気候条件や文化、歴史を尊重し、それらをデザインに取り入れることで、その地域に根ざした建築を目指します。たとえば、伝統的な建築様式を現代の技術で再解釈することや、地元産の建材を使用することにより、地域の経済に貢献し、文化的な連続性を保ちます。このアプローチは、住民が自然と調和し、持続可能なコミュニティを構築するのに役立ちます。
住人の生活のしやすさ
居住者の健康と快適性も重視されます。これは、自然光と新鮮な空気の最大限の利用、有害物質を含まない建材の使用、居住者の生活の質を高めるデザインを通じて実現されます。例えば、大きな窓や天窓を設置し、自然光を多く取り入れることで、居住者の健康や生活の質を向上させることができます。
なぜ増えている?サステナブル建築のメリット
現在、サステナブル建築が増えている理由は、メリットが多くあるからです。以下で説明します。
地球に優しい
サステナブル建築は、環境への影響を最小限に抑えることに重点を置いています。これは、エネルギー効率の高い設計、持続可能な建材の使用、水資源の保全、生物多様性への配慮などを通じて実現されます。たとえば、雨水の再利用システムや、生態系に配慮した造園設計などが挙げられます。
顧客満足度が上がる
サステナブル建築物を利用するユーザーは、環境への配慮やエネルギー効率の高さに価値を見出し、満足度が高まります。そうすることで、ビルのテナントや住宅の住民、オフィスビルの使用者など、多様な顧客にとっての魅力となります。また、環境への意識が高い消費者にとって、サステナブルな建築はブランドイメージを高める要因となり得ます。
SDGsに貢献できる
サステナブル建築は、持続可能な開発目標(SDGs)に直接貢献することができます。これは、エネルギーと資源の効率的な使用、貧困の削減、健康と福祉の向上、産業と技術革新の促進など、多岐にわたるSDGsの目標に対応しているためです。
光熱費が抑えられる
サステナブル建築のエネルギー効率の高さは、光熱費の削減に直結します。断熱性の高い建材の使用や、自然エネルギーの活用により、暖房や冷房にかかる費用を大幅に削減できます。また、長期的にはメンテナンスコストの削減にも寄与するため、経済的な利益も大きいです。
サステナブル建築のデメリット
一方で、サステナブル建築には以下のようなデメリットも存在します。
コストがかかる
サステナブル建築の初期投資コストは、従来の建築手法に比べ高くなることがあります。これは、持続可能な建材や再生可能エネルギー設備、先進的な技術の導入に追加費用がかかるためです。
手間がかかる
サステナブル建築は、計画段階から実施に至るまでの過程が従来の建築プロセスより複雑かつ時間がかかることがあります。なぜなら、環境への影響を最小限に抑えるために必要な詳細な計画や、特定の認証基準を満たすための追加作業が必要となるためです。また、持続可能な建築物の維持管理にも、通常の建築物に比べて高度な技術や専門知識が求められることがあります。
実は日本も最先端!サステナブル建築の例(日本編)
日本にもサステナブル建築の優れた事例が数多く存在します。
阪神甲子園球場
阪神甲子園球場では、エネルギー効率を高めるための様々な工夫がなされています。例えば、球場の照明には高効率のLEDを使用し、エネルギー消費を削減しています。また、太陽光パネルを設置することで再生可能エネルギーの利用を促進し、球場全体の環境負荷を低減しています。これらの取り組みは、大規模なスポーツ施設におけるサステナビリティの実現という点で注目されています。
みなとみらいセンタービル
みなとみらいセンタービルは、環境負荷の少ない建材の使用に重点を置いています。建築物の断熱性を高めることでエネルギー効率を向上させ、省エネルギーを実現しています。また、建物内の水の使用効率を高めるための施策も導入されており、環境に対する影響を大幅に減少させています。
モラージュ菖蒲
モラージュ菖蒲では、地域の自然環境を尊重し、それを生かした設計がなされています。地域特有の自然素材を活用し、地域文化との調和を図るとともに、地域住民のニーズに応える施設設計に努めています。また、屋上緑化や雨水利用システムの導入により、環境への配慮を実践しています。
学校から集合住宅まで:サステナブル建築の例(海外編)
世界各地にも注目すべきサステナブル建築の事例があります。以下は、その中でも特に注目に値する事例です。
ソノマアカデミー
ソノマアカデミーは、カリフォルニア州に位置する教育施設で、環境への配慮が随所に見られる設計となっています。この施設は、再生可能エネルギーの利用、天然素材や地元産の建材の使用により、環境負荷を大幅に削減しています。また、教育施設としての特性を活かし、生徒たちが環境問題について学べるような設計になっており、持続可能な未来を担う若者たちの意識形成に貢献しています。
ブリットセンター
ブリットセンターは、持続可能な建材の使用に重点を置いて設計されています。この建築物は、地域で持続可能に生産された木材や再生可能エネルギー源を利用しており、建築中および建築後の環境への影響を最小限に抑えることを目指しています。また、屋内の空気質と自然光の利用にも注目し、利用者の健康と快適性を重視した設計となっています。
ボスコ・ヴェルティカーレ
ボスコ・ヴェルティカーレは、イタリアのミラノに位置する集合住宅で、建物全体に植物が植えられているという革新的な設計が特徴です。これにより、都市の中での生物多様性の維持、大気汚染の削減、温度調節など、環境に対する多大な利益をもたらしています。また、この緑のファサードは、美的な価値だけでなく、都市環境における生態系の重要な役割も担っています。
サステナブル建築には補助金が出る!?「サステナブル建築物等先導事業」とは
サステナブル建築の推進と普及を目的として、補助金制度が設けられています。この制度は、サステナブルな建築物の開発を経済的にサポートし、環境に配慮した建築の普及を促進しています。
概要と対象
「サステナブル建築物等先導事業」という補助金制度は、エネルギー効率の高い建築物や、環境への配慮を重視したリノベーションプロジェクトなどを対象としています。補助の対象となるのは、エネルギー消費を最小限に抑えるデザイン、再生可能エネルギーの利用、サステナブルな建材の使用など、環境への配慮を考慮した建築プロジェクトです。
補助額
補助金額は、プロジェクトの規模や内容に応じて異なります。小規模なリノベーションから大規模な新築プロジェクトまで、幅広い規模の建築に対して支援が提供されることがあります。補助金は、建築物の設計や構築にかかるコストの一部をカバーし、経済的な負担を軽減します。これにより、建築主やデベロッパーは、環境への影響が少ない持続可能な建築物を実現するための追加的な資金援助を受けることができます。
まとめ
サステナブル建築は、美しさと機能性を兼ね備えた新時代の建築スタイルです。地球環境への配慮、居住者の快適性、経済的なメリットなど多くの利点があり、今後もその重要性は増すでしょう。サステナブル建築はただのトレンドではなく、持続可能な未来への必須の選択肢です。