カフェ・レストラン・居酒屋など、飲食店を開業する際に必要不可欠なのが、テーブルや椅子をはじめとする家具選びです。
家具は利用客の目に入りやすく、最も触れるものなので、店舗の印象に大きな影響を与えます。何度も買い替えるのは現実的ではないため、テーブルなどの家具選びは絶対に失敗したくないところです。
そこで今回は、飲食店開業時の家具選びのポイントをお伝えしてまいります!お店の中でずっと活躍し続けるテーブルなどの家具選びのために、ぜひお役立てください。

飲食店開業の家具選び成功5大ポイント

1.耐久性に優れた業務用家具を選ぶ

まず大前提として、家庭用の家具ではなく業務用につくられた家具の中から選びましょう。
業務用家具は不特定多数の人々によって1日中使われることを想定して設計されています。たくさんの利用客が長年にわたって使い続けても耐えられるように、靴を履いた状態でもキズがつきにくいように、耐久性が重視され、丈夫でメンテナンスしやすい素材や構造でできています。JIS規格に基づいた強度試験が実施されていることも、優れた耐久性の証です。
そのため、飲食店でずっと愛用できるテーブルなどの家具を選ぶには、業務用家具であることが最初のポイントと言えるでしょう。

2.業種に合わせた内装をイメージして選ぶ

床材のサンプルと平面図

飲食店の内装は、和食・フランス料理・中華料理・イタリアン・エスニック料理・創作料理など、その業種に合わせてデザインされることが多いので、テーブルや椅子をはじめとする家具も、そのデザインを活かせるように寄り添うように選ぶことが大切です。
例えば、アットホームな雰囲気の和食のお店を目指しても、設置されている家具がモダンでスタイリッシュな印象のデザインや素材であれば、理想のお店づくりからは離れていくでしょう。来店客からもチグハグな印象をもたれ、落ち着かないかもしれません。
なかなかイメージが難しい場合は、同じ業種の飲食店を訪れてみることもおすすめします。

3.業態に適したサイズ感で選ぶ

お客様にどのように過ごしていただきたいか、どんなお店にしていきたいか。その方向性によって、適したテーブルのサイズ・形状が変わります。
例えばカフェやファストフード店などテーブルにのる料理の品数が少ない業態の場合は、テーブルのサイズを必要最小限にして席数を増やす方法が考えられます。2名席で奥行55cm×幅45cm程度が目安です。

また、ダイニングやファミリーレストランなどテーブルにのる料理の品数が多く、長時間の滞在も想定される業態の場合は、テーブルのサイズが小さいと料理を置くスペースが少なくなり、店舗スタッフが食器を下げる回数が増えてしまうため、ゆっくり食事を楽しめるテーブルサイズの確保が求められます。2名席で幅60cm×奥行75〜80cm程度が目安です。

4.動線や通路幅などを意識して選ぶ

特にテーブルや椅子に関しては、実際に設置した場合の店内の動線や通路幅なども意識して選ぶことが必要です。
動線を考えずに家具を購入してしまうと、テーブルが大きすぎて店内の通路が通りにくい、椅子と椅子の間が狭くなって通れないといった問題が起きやすいため、家具選びの前に利用客や店舗スタッフの動線を考え、使いやすい寸法を設定しておきます。
耐久性とデザイン性が素晴らしくても、店内のオペレーションの妨げや利用客の居心地の低下につながってはいけないので、レイアウトと使いやすい寸法をしっかりと確認しましょう。

5.テーブルと椅子の高さのバランスが合うように選ぶ

飲食店の家具としては、テーブルやカウンターが必要不可欠です。
お店によっては椅子を設置しないケースもありますが、椅子も一緒に使用する場合は、実際に使うときの高さのバランスが合っているかどうかの確認を必ず行いましょう。たとえデザインが店舗イメージにピッタリ合っていたとしても、高さのバランスが合っていなければ飲食しづらく、居心地は悪くなります。
セットで購入する場合はチェック不要ですが、別々で購入する場合や既に使用している家具と合わせる場合は必ず確認しておきましょう。

飲食店のインテリア成功事例&落とし穴!

【美しい和デザインのカフェに、い草を活用した椅子を設置】
庭石や自然木がレイアウトされ、美しい和風庭園のように設計されたカフェ。そんな和の趣ある空間デザインに、和の伝統素材「い草」を座面や背の部分へ用いたダイニングチェアをコーディネート。ナチュラルな木の質感とグリーンでまとめられた店内に映え、上質な和の美しさを際立たせる。

【木を活かした和モダン居酒屋に、同じ色味の木質感とスタイリッシュなプロポーションが印象的な椅子を設置】
明るく柔らかな木の温かみに癒される和モダン空間に、同じ色味のマットナチュラルな木を使ったダイニングチェアをコーディネート。色味を合わせているので馴染むのはもちろん、シャープなラインを描くスタイリッシュなプロポーションが“モダンな和”の落ち着きを高める。

家具選びの5つのポイントを押さえた上ですが、色味や質感を全体的な空間デザインに馴染むように選定すると、まず失敗しないのでおすすめです。

意外な落とし穴!失敗例

【落ち着けないシチュエーション】
設計図上では完璧でも、実際にはキッチンが近くて人通りが激しい、トイレの間近で水の流れる音がする・・・といった「落ち着かない席」が発生してしまうので、注意が必要です。

【動線の見落とし】
お客様の動線は意識しているのですが、店舗スタッフの動線を考えていなかった!という失敗例、またはその逆のパターン(お客様の動線が確保できていない)もよく見られます。スムーズな動線づくりは迅速な料理提供や居心地の良さに大きく関わるため、来店客と店舗スタッフどちらにとってもストレスフリーな家具の配置を心がけましょう。

【ハンガーラックの置き場なし】
その季節にならないと分からない落とし穴もあります。その最も代表的な例が、寒くなってきたときにハンガーラックの置き場がない問題です。ハンガーラックを置くためにはある程度のスペースが必要で、さらに埃が立つことを考慮すると客席に近すぎるのは避けたいところ。暖房や扇風機も同じですが、オールシーズン対応できるレイアウトを事前に想定してプランニングしていきましょう。

飲食店家具選びに失敗しないためのプラス2アクション!

実際に見て確かめる

写真や情報だけで判断して購入した場合、納品されてから「思っていたものと違う」という事態になる可能性もあります。
特に、「意外と大きかった」「置いてみると圧迫感がある気がする」のようなサイズ感のイメージ違いが起こりやすいので、家具選びの失敗を確実に防ぐためには、ショールームなどに実際に行って直接目で確かめることを推奨します。

専門スタッフに相談する

業務用の家具は家庭用と比べてデザイン・仕様の自由度が高く、張地・色・材質・形状などを選んでオーダーできるため、専門家の視点を入れずに決めてしまうと「思っていたものと違う」になりがちです。
上手く動線を確保する必要があり、来店客の滞在時間やメニューなどによっても適した家具が変わるので、家具選びの失敗を確実に防ぐためには、専門スタッフへの相談をおすすめします。
相談する際は、こうしたいという具体的なイメージ、さらにはデザイン優先・納期優先・予算優先などの優先順位があればそのことも含めて伝えると、より明確な答えが出やすくなります。そもそも寸法がこれで大丈夫なのかといった不安をはじめ、何でも気軽にまるごと相談してみましょう。

飲食店開業で重要な家具選びまとめ

来店客が目にしやすく触れる機会も多い飲食店の家具。特にテーブルに関しては、ほぼすべての滞在時間を一緒に過ごす存在です。
そのため飲食店の家具は、お店の印象や居心地に非常に大きな影響を与えます。気軽に買い替えられるものでもないので、飲食店開業の際、絶対に失敗したくないことの一つが家具選びです。
お客様にどのように過ごしていただきたいのか、どのようなお店を目指していきたいのか。ぜひ5大ポイントとプラス2アクションを参考にしていただき、納得の家具選びにお役立てください。

▶居酒屋向け家具の一覧はこちら
▶レストラン向け家具の一覧はこちら
▶カフェ向け家具の一覧はこちら
▶「い草」を使った商品一の覧はこちら