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オフィスで働いている際に、椅子が勝手に下がるといったトラブルに見舞われたらどうすればよいのでしょうか。座り直しても座面が徐々に下がってしまうと姿勢が崩れてしまうため、仕事の効率が落ちてしまいかねません。この記事では、椅子が勝手に下がる原因とその対策について詳しく解説します。オフィスで快適な座り心地を実現するために、ぜひ参考にしてください。
椅子が勝手に下がる原因
椅子が勝手に下がる原因はさまざまですが、その中で最も一般的な原因はガスシリンダーの故障です。
ガスシリンダーは椅子の高さ調節を可能にするために使用されていますが、経年劣化や使用方法の問題によって故障することがあります。ガスシリンダーが故障すると内部のガスが漏れてしまい、椅子が自然に下がってしまうことがあるのです。
ガスシリンダーとは?
ガスシリンダーとは、シリンダー内のガス圧を調整することで椅子の高さを調節することができる仕組みのことです。一般的にオフィスチェアやコンピュータチェア、ゲーミングチェアに使用されることが多いのではないでしょうか。
ガスシリンダーで高さ調整ができる椅子は、自分の体格やデスクの高さに合わせられるため快適な作業環境を実現することができます。また、座面の高さを調節することで、正しい姿勢で座ることができ、腰痛や肩こりなどの身体の負担を軽減することが可能です。
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Hガスシリンダーの寿命と故障のサイン
ガスシリンダーの寿命はメーカーや製品によって異なりますが、1日8時間の使用で3~10年が目安です。ただし、シリンダーの材質や保管状態、使用状況などにも左右されます。寿命を超えて使用すると、シリンダーの劣化や破損のリスクが高まるため、定期的な点検と交換が必要です。
ガスシリンダーの故障のサインには以下のようなものが挙げられます。
● 外観にさび、へこみ、ひび割れなどの変化がある
● ガス漏れしている、異臭がする
● 椅子が正常に動作しない
このようなサインが出た場合は速やかに販売元やメーカーに問い合わせましょう。
ガスシリンダーの故障は体重や使用頻度が影響する?
ガスシリンダーは圧力を保持し続けるために設計されていますが、耐荷重を超えたり高頻度で使用したりすることでシリンダー内部の圧力が増加し、結果として破損リスクは高まります。
しかし、耐荷重はだいたい80〜120kgの椅子が多く、使用頻度もデスクワークなどの範囲であれば故障にすぐ直結することは考えにくいでしょう。
ガスシリンダーの修理・交換方法
ガスシリンダーを修理するには、椅子を買い替えるのと同程度の費用がかかります。そのため、自分で修理・交換をするという方も少なくありません。
ここでは、簡単にできる応急処置と交換手順を紹介します。
応急処置としてのホースバンドや割り箸の活用
ホースバンドを使った応急処置
ホースバンド(ホースクランプ)で高さを固定する方法です。
※この処置後は高さ調整ができなくなります。
<必要なもの>
● ホースバンド…外径2cm程度でシリンダーに取り付けられる長さのあるもの
● 紙やすり/またはゴム片・ダクトテープ
●(必要に応じて)洗浄剤、クリーナー、脱脂シート
●(必要に応じて)ドライバー
<手順>
1. シリンダーを覆っているプラスチック部品を最上部または最下部にスライドさせてシリンダーを露出させる
2. 固定したい高さに椅子を調整する
3. シリンダーにホースバンドを取り付ける※この段階ではまだ締め付けないでください
4. シリンダーの摩擦力をアップさせるために紙やすりでシリンダーの表面を削る(またはシリンダーにゴム片やダクトテープで巻く)※シリンダーに汚れがある場合は事前に洗浄剤、クリーナーで拭き取る
5. ホースバンドをシリンダーの最上部に合わせ、限界まで締め付ける
割り箸を使った応急処置
シリンダーを割り箸で囲って高さを固定する方法です。
※この処置後は高さ調整ができなくなります。
<必要なもの>
● 割り箸…5膳程度
● マスキングテープ
● カッターナイフ
● 両面テープ
● 結束バンド…5本程度
● (必要に応じて)洗浄剤、クリーナー
<手順>
1. シリンダーを覆っているプラスチック部品を最上部または最下部にスライドさせてシリンダーを露出させる
2. 固定したい高さに椅子を調整する
3. シリンダーにマスキングテープを一巻きして、円周の長さでカットする
4. シリンダーの長さと同じ長さになるように割り箸をカットする(3のマスキングテープの上に並べて足りるだけの本数をカットする)
5. シリンダーに両面テープを貼る※シリンダーに汚れがある場合は事前に洗浄剤、クリーナーで拭き取る
6. 割り箸を隙間なく並べて貼り付け、マスキングテープで固定する
7. 6を結束バンドできつく締め付けて余った部分をカットする
8. 見た目が気になるようであればマスキングテープで全体をカバーするように巻く
ガスシリンダーの交換手順
ガスシリンダーは自分で交換することが可能です。作業場所と換気を確保して安全に行いましょう。
<必要なもの>
● 交換したい椅子に適合したガスシリンダー
● ネジを外す六角レンチ
● シリンダーを抜くためのハンマー
<手順>
1. 椅子をひっくり返して、ガスシリンダーの固定台と座面裏のネジを分解する
2. ハンマーで固定台側を叩きシリンダーを抜く
3. 脚側からシリンダーの底をハンマーで叩いて抜く
4. 新しいシリンダーに交換して固定する
ガスシリンダー交換時の注意点と安全対策
ガスシリンダーの誤った取り扱いや安全対策の不備は、思わぬ事故につながる可能性があります。交換時には以下のような安全対策を講じましょう。
● 十分に換気する
● ガスシリンダーの周囲では火気を使用しない(たばこを吸わない、明かりをつけないなど)
その他の椅子の故障と対策
オフィスチェアやゲーミングチェアは、ガスシリンダー以外にも故障しやすい部分がいくつかあります。
ここでは、よくある故障内容と対策について見ていきましょう。
オフィスチェアやゲーミングチェアの一般的な故障
オフィスチェアやゲーミングチェアは長時間使用するため、座面のクッションが劣化したり傷や穴ができたりすることは珍しくありません。
また、多くの場合、背もたれは使用者の体の形に合わせて調整することができるように設計されています。この傾きを調整する部分が故障すると、使用者が望む位置に固定することができません。
オフィスチェアやゲーミングチェアには車輪が付いており移動しやすくなっていますが、滑りすぎる、うまく回転しない、または取り付け位置が不安定になるという不具合も発生しやすいです。
故障を予防するメンテナンス方法
故障した椅子は使用に支障をきたし、安全上のリスクもあるため定期的にメンテナンスしましょう。使用頻度に応じて数ヶ月〜1年置きに以下のポイントをチェックし、必要に応じて対策してください。
● フレーム、座面、背もたれにひび割れや歪みがないか
● クッションのへたりや損傷がないか
● 脚部分のネジがゆるんでいないか
修理や交換を選ぶ際のポイント
椅子の修理や交換は、販売元やメーカーの保証または修理サービスがあればそこを利用するのが確実です。保証期間が過ぎてしまったものやメーカー対応ができない場合は、以下のポイントを押さえた業者を選びましょう。
● 似たような椅子の修理実績がある
● 料金見積もりが明確
● 修理後の保証やアフターサービスがある
● 修理や交換のスピードが早い
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ガスシリンダー以外の椅子の故障原因
ガスシリンダーを使っていない椅子にも様々な故障が発生するので、注意が必要です。ここでは、考えられる故障ポイントや、メンテナンスの注意点について紹介します。
油圧式とガス式の違い
油圧式の椅子はその名のとおり、油圧の変化によって座面の高さが調整されます。ガス式よりも安定性と耐久性が高いため、体重が重い人(80kg以上)や長時間座ることが多い人におすすめです。
一方、ガス式の椅子はシリンダー内に封入されたガスの圧力によって座面の高さが調節されます。比較的軽量で、シンプルなデザインが特徴です。油圧式よりも調節の精度や座面の動きの滑らかさに優れています。
椅子の構造と故障しやすい部分
一般的に椅子は座面と脚部、そして背もたれによって構成されています。構造はシンプルですが、やはり脚部の接合部分はねじがゆるんだり、割れやすかったりするので注意が必要です。
金属製であれば溶接箇所がひび割れしたり、曲がったりしますし、プラスチック製の椅子では座面や背もたれが割れてしまうなど、素材によって故障しやすい部分は様々です。
修理やメンテナンスの際の注意点
まず、自分で修理をするとメーカー保証が受けられなくなりますので、保証の有無を事前に確認しておきましょう。
自分で椅子の修理やメンテナンスを行う際は、その椅子の材質や構造を理解することが重要です。それによって修理方法が大きく異なります。例えば、木製の椅子を修理する際には木工用ボンドやネジなどが必要です。適切な道具を使用しないと、修理がうまくいかないだけでなく、椅子の状態を悪化させてしまうこともあります。
また、修理やメンテナンスを行う際には慎重に、手順を踏んで作業を進めるように心掛けましょう。力任せに行うと、椅子の破損や傷を拡大させる可能性があります。
まとめ
椅子が勝手に下がる現象が起きるのは、ガスシリンダーの寿命による故障が考えられます。ガスシリンダーは自分でも交換できますが、正しく修理を行わないと状況が悪化してしまう場合もあるため注意しなければなりません。可能であれば、販売元やメーカー、修理業者に依頼するのが安心で確実です。椅子は日常生活になくてはなりません。定期的に状態をチェックして、長く快適に使用することをおすすめします。