長時間座るのに適していて、デスクワークをサポートしてくれるのが、オフィスチェアです。一度購入したら長く使い続けたいところですが、残念ながらオフィスチェアにも寿命はあります。
この記事では、オフィスチェアの寿命について解説します。どのような要素によってオフィスチェアの寿命が決まるか、長持ちさせるためにはどうすればいいのかご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
オフィスチェアの寿命を決定する要素
オフィスチェアの保証期間は製品によって異なりますが、大体10年前後で買い替えられるケースが少なくありません。しかし、場合によってはもっと長く使い続けることも可能です。まずは、オフィスチェアの寿命を決定する要素について見ていきましょう。
材質と製造プロセス
どのような素材が使われているかで、オフィスチェアの寿命は変化します。例えば、本革が使われているオフィスチェアは、他の素材に比べて耐久性が高く長持ちしやすいのが特徴です。一方、リーズナブルな合成皮革は本革よりも耐久性が劣ります。長く愛用したいのであれば、本革製のものを選ぶのが良いでしょう。
また、製造プロセスによってもオフィスチェアの寿命は変わります。安価なオフィスチェアのなかには購入者がパーツを組み立てて完成させるものもありますが、その場合パーツが適切に取り付けられていないなどの理由で早く劣化することもあるため注意が必要です。メーカーが組み立てた状態で出荷するオフィスチェアは、パーツのつなぎ目が丈夫になっているため、より壊れにくいでしょう。
使用状況とメンテナンス
過度な負担をかけないように使用し、適切にメンテナンスをすればオフィスチェアの寿命は延びます。
乱暴に使用してしまうと、オフィスチェアが壊れるまでの期間が短くなってしまいます。勢いをつけて座ったり、背もたれに思いきり体重をかけたりするのは控えましょう。乱暴な使い方はオフィスチェアだけでなく、使用者の体にも負担をかけてしまいます。
オフィスチェアを長く使い続けるためには、適切なメンテナンスが必要です。こまめに掃除をして汚れを落とすことに加え、定期的にメンテナンスをしましょう。ネジが緩んでいないか、部品が壊れていないかなどを定期的に確認することで、適切な対策を取ることができます。
特定の部品の寿命
部品ごとの寿命も、オフィスチェアそのものの寿命を左右します。例えば座面や背もたれなどに使われているクッションは、長期間使い続けることで圧力がかかり、潰れてしまいます。椅子の高さを変える調節レバーも、たくさん使っているとその分早く劣化してしまうでしょう。特定の部品が使えなくなると、オフィスチェアも使いにくくなったり使用できなくなったりすることがあります。
寿命が長いオフィスチェアの選び方
長く使えるオフィスチェアを購入したいなら、耐久性の高いものを選ぶ必要があります。耐久性の高いオフィスチェアを探す際に知っておきたいことを確認しておきましょう。
耐久性の高いオフィスチェアの特徴
耐久性の高いオフィスチェアを選びたいのであれば、JISマークがついているものを選ぶのがおすすめです。
JISマークとはJIS規格(日本工業規格)をクリアした商品につけられるマークのことで、耐久性試験などをクリアすることで得られるものです。椅子にも試験基準が設けられているため、耐久性が高く安全に使える商品にはJISマークがついている傾向があります。
椅子の場合は座面背もたれの耐久性試験や座面の耐衝撃性試験などがあり、転倒したり異常が起きたりしないかが確認されます。耐久性の高いオフィスチェアの選び方に迷ったら、JISマークがついた商品を検討してみてください。
ガスシリンダーとは何か、その寿命とは
現在主流のオフィスチェアはガス圧式なので、ガスシリンダーが取り付けられています。ガスシリンダーの寿命がオフィスチェア自体の寿命を左右することがあるため、ガスシリンダーについても知っておきたいところです。
ガスシリンダーはガスを充填した支柱のことで、ガス圧を変えることで椅子の高さを調節します。レバーを押したり引いたりするだけで簡単に椅子の高さを変えられるため、快適にオフィスチェアを使用することが可能です。ただし、年数の経過によってレバーを押してもガス圧を変えられなくなることもあります。
ガスシリンダーの交換ができるオフィスチェアもありますが、場合によっては椅子自体を交換したほうが良いかもしれません。使用した年数やガスシリンダーの価格、交換する手間などを考えて決める必要があります。
最強のオフィスチェアとは
高級な価格帯のオフィスチェアは、寿命が長い傾向があります。高級なオフィスチェアの多くは、耐久性に優れているのが特徴。長く使い続けられるため、結果的にコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
高級なオフィスチェアは丈夫なだけでなく、機能性が高いのもポイントです。長時間座っても疲れにくい、体の負担を減らして腰痛を予防できるなど、嬉しい機能が備わっています。長く快適に使い続けられるオフィスチェアを探しているのであれば、高級なものをチェックしてみるのもおすすめです。
オフィスチェアの寿命を延ばすための方法
丈夫なオフィスチェアを購入しても、使い方によっては寿命を縮めてしまうことがあります。オフィスチェアの寿命を延ばしたいのであれば、以下のポイントをチェックしてください。
定期的なメンテナンス
オフィスチェアの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが必要です。部品が壊れていないか、ネジが緩んでいないかなどを確認しましょう。また、綺麗な状態を保てるよう掃除することも大切なポイント。定期的に汚れを拭き取る、水拭きや乾拭きをするなど素材に合った方法で掃除をしてみてください。
オフィスチェアが劣化する原因の多くは、不適切な座り方です。斜めに座る足を組んで座るなど良くない姿勢で椅子に座ると、椅子の片方に過度な負担がかかって劣化を促進することもあります。できるだけオフィスチェアにダメージを与えず寿命を延ばせるよう、腰を深くかけて背筋を伸ばして座るようにしましょう。
座面のへたりに対する応急処置
オフィスチェアを使い続けて座面がへたってしまい、寿命が近づいていると感じることもあるかもしれません。気になるのが座面のへたりのみの場合は、クッションを使うことで快適に座れる可能性があります。
オフィスチェア用のクッションは、座面に敷くタイプも多数販売されています。滑り止めや紐がついているものであれば、仕事中にずれてくる心配もありません。丸洗いができたりカバーがついていたりするものを選ぶと、衛生的に使えます。
ガスシリンダーの交換方法
オフィスチェアについているガスシリンダーは、自分で交換することが可能です。椅子全体ではなくガスシリンダーのみが劣化している場合は、自分で交換しても構いません。
ガスシリンダーを交換する際は、まず椅子をひっくり返します。座面下の金具やねじ止めを外して分解したら、ガスシリンダーを持った状態で足の部分をラバーハンマーで叩いてください。画面下の金具も同様に外したら、ガスシリンダーを新品に交換します。外した金具を元に戻したら、椅子の高さ調節が正常にできるか確認しましょう。
オフィスチェアの取り扱いと選択肢
オフィスチェアを購入する場合、壊れた際の処分方法やメーカーごとの特徴などを知っておくと安心です。
壊れたオフィスチェアの引き取り方法
壊れたオフィスチェアは、基本的に3つの方法のいずれかで処分することになります。
劣化や汚れがひどい場合は、産業廃棄物として処理するか不用品回収業者に依頼しましょう。これ以上使い続けるのは不可能だと判断される場合は、譲ったり買い取ってもらったりするのは困難です。コストはかかりますが、いずれかの方法で手放してください。
まだ使えそうな場合は、中古オフィス家具店に買い取ってもらうことも可能です。どのようなオフィスチェアをいくらで買い取ってくれるかは店舗によって異なるので、一度問い合わせてみてください。
オフィスチェアのメーカー比較
オフィスチェアは国内外のメーカーが販売しており、特徴もさまざまです。1万円程度から購入できる手頃なものから、10万円近くするものまで価格も幅広いので、商品ごとの特徴を確認したうえで選ぶ必要があります。
日本ではオカムラ、コイズミ、コクヨなどのメーカーが有名です。アメリカ製のハーマンミラーやヒューマンスケールなどのオフィスチェアも人気があるため、気になるものがあればチェックしてみてください。
中古のオフィスチェアについて
購入コストを抑えたい場合は、中古のオフィスチェアを買うのも良いでしょう。場合によっては、高級なオフィスチェアが安価な価格で買えることもあります。
ただし、中古品の状態はさまざまなので慎重にチェックしなければなりません。本体に傷や汚れがあるか、座面がへたっていないかなどを確認しましょう、中古品であればある程度の傷や汚れがあるのは仕方がありませんが、動作に問題があったり異音が発生していたりする場合は適切に使えないこともあるため購入を控えてください。
オフィスチェアの寿命についてまとめ
オフィスチェアは丈夫なものであれば10年以上使うこともできますが、使い方によっては寿命を縮めてしまうリスクもあります。寿命を決める要素を把握し長持ちさせる方法を実践することで、オフィスチェアは長く快適に使うことが可能です。正しい姿勢で座る、定期的にメンテナンスをするなどの対策を取り入れながら、オフィスチェアを大切に使ってみてください。