飲食店やカフェなど店舗に設置する家具は、どのようなところが家庭用家具と違うのでしょうか。店舗の印象を大きく左右し、居心地の良さやファンづくりにつながる家具選びは非常に重要です。
今回は、そんな店舗用家具の特徴から家具選びのコツ・注意ポイントまでご紹介しますので、ぜひお役立てください。

そもそも店舗用家具とは?

店舗の印象を決定づけ、集客や居心地にも直結

店舗用家具とは、飲食店・カフェ・商業施設・サロン・アパレルショップなど、不特定多数の人々が訪れる空間での使用を前提につくられている家具です。店舗の印象を大きく左右する存在で、集客や居心地の良さに直結します。
主に施主(オーナー)、そして内装会社・設計士・デザイナー・建設会社などのプロフェッショナルから選ばれて購入されます。
具体例を挙げるなら、飲食店の場合はダイニングテーブル・椅子・大型カウンター・ソファ・子供用の椅子、商業施設であれば休憩スペースのソファ・フードコートのテーブル・椅子、美容室やサロンの場合は施術用カウンター・椅子・ソファ、アパレルショップならば商品を展示する店舗什器などが代表的です。

店舗用家具と家庭用家具の違いは大きく2つ

1.デザイン・仕様の自由度

主に量販店などで販売されている家庭用家具は、画一生産・在庫販売の方式が基本です。同じ商品を大量につくった上で倉庫に在庫を確保しながら販売していくため、単価を安く抑えることができます。しかし商品は画一的なので、張地・材質・サイズなどの選択肢には限りがあり、デザイン・仕様に関しては妥協せざるをえない可能性が高いです。
それに対して店舗用家具の場合は、受注生産・契約販売の方式が一般的です。店舗に必要な家具の種類や数をふまえ、業務用家具メーカーにあるモデルの中から材質・張地・色などを選択して組み合わせることができるため、空間デザインに合わせたイメージ通りの家具が手に入りやすいメリットがあります。椅子であれば脚の長さ・材質や張地の指定、スタッキングできるかどうか、テーブルであれば横幅の指定・天板の材質など、ニーズに合わせた仕様変更が可能です。

2.耐久性

耐久性も大きく違うポイントです。家庭用の家具は、リビング・ダイニング・キッチン・書斎など、それぞれの空間で使われる時間が限られていて、使われていない時間も多くあります。例えば、食事のときに使用するダイニングテーブル、TVを観ながらくつろぐときに使用するソファというように、1日の中で使われるシーンが限定的です。そのため、使われているときの快適性、座り心地の柔らかさ、疲れにくさが重視されやすい傾向にあります。
一方で店舗用家具は、不特定多数の人々によって1日中使われることを前提に設計されています。たくさんの利用者が長年にわたって使い続けても耐えられるように、靴を履いた状態でもキズがつきにくいように、耐久性が重視され、丈夫でメンテナンスしやすい素材や構造でできています。JIS規格に基づいた強度試験が実施されていることも、優れた耐久性の証です。

店舗用の家具選び3ステップ

家具の一覧

1.ターゲットを明確にする

家具は店舗の印象を大きく左右するため、訪れてもらいたいメインターゲット層を明確にし、そのターゲットに合わせたテイストの家具を選んでいきましょう。
例えばファミリー層であればナチュラルで親しみやすいデザインテイスト、若い世代のカップルであればポップでカジュアルなデザインテイストなど、メインターゲット層が入店しやすく滞在しやすい空間づくりにつながる家具選びが大切です。

2.空間デザインのコンセプトを定める

店舗用の家具を選ぶ前に、まずは店舗全体の空間デザインコンセプトを定めます。
メインターゲット層を明確にすることはもちろん、サービス内容や取り扱い商品などからも、どのような空間にしたいのか、どんな雰囲気の中で過ごしていただきたいか、具体的に決めておくことが大切です。このコンセプトが今後の重要な指針になるので、十分な時間を費やして検討を重ねていきましょう。
そして、そのコンセプトをもとに店舗用の家具選びに入り、統一感のある心地よい空間を目指します。

3.インテリアスタイル・方向性を導き出す

ターゲット層を明確にして空間デザインのコンセプトを定めた後は、そこから家具のテイスト・方向性を導き出します。なかなかイメージが思い浮かばない場合は、実際に様々な店舗を巡って理想のコーディネートを見つけていく方法もあります。

店舗用家具選びの注意ポイント

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動線を考えて寸法を設定する

動線を考えずに家具を購入してしまうと、テーブルが大きすぎて店内の通路が通りにくい、椅子と椅子の間が狭くなって通れないといった問題が起きやすいので注意が必要です。家具選びの前に利用客や店舗スタッフの動線を考え、使いやすい寸法を設定しておきましょう。利用客も店舗スタッフも動きやすい店内を目指します。

テーブルと椅子の高さのバランスを合わせる

テーブルや椅子選びにおいては、実際に使うときの高さのバランスが合っているかどうか確認が必要です。たとえデザインが店舗イメージにピッタリ合っていたとしても、高さのバランスが合っていなければ居心地は悪くなります。
セットで購入する場合はチェック不要ですが、個別で購入する場合や既に使用しているテーブル・椅子と合わせる場合は必ず確認しておきましょう。

すべて自分だけで決めない

店舗用の家具はデザイン・仕様の自由度が高く、張地・色・材質・形状などを選んでオーダーできるため、すべて一人の考えだけで進めてしまうと「想像していたものと違った」「店舗のデザインと合うと思っていたけれど実際は合っていなかった」というような事態を招く可能性があります。
動線の確保や家具の高さ・長さの調整なども専門家の視点を入れて決めた方が失敗を防げるので、すべて自分だけで判断せず、迷った場合は誰かに相談することも大切です。
相談する際は、こうしたいという具体的なイメージ、さらにはデザイン優先・納期優先・予算優先などの優先順位があればそのことも含めて伝えると、より明確な答えが出やすくなります。

店舗用家具についてまとめ

訪れる人々が最も目にしやすく触れる機会も多い店舗用の家具。その空間の印象を決定づけ、集客やファンづくりにもつながるので、徹底的にこだわって選びたいところです。家庭用家具との違いをふまえ、注意点にも気をつけながら、イメージ通りの家具選び、理想の店舗づくりを目指しましょう。

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