カフェの開業やリフォームを行うにあたり、カウンターやテーブルの寸法をどのように決めたらいいのか悩むオーナーの方は少なくありません。カウンターやテーブルの寸法は、カフェの印象や居心地の良さにも関係するため、慎重に選ぶ必要があります。この記事では、カフェのカウンターとテーブルの基本寸法からテラス席やソファ席などさまざまな寸法について解説しますので、ぜひ役立ててください。

カウンターとテーブルの基本寸法

カフェのカウンターとテーブルは、お店のコンセプトや雰囲気に合った寸法で設置するのが望ましいです。ここでは、カウンターとテーブルの基本寸法をご紹介します。

カウンター席の高さと奥行き

カフェに設置されるカウンター席の主な種類は、以下の3つです。それぞれの寸法と特徴について解説します。

⚫️ ローカウンター
ローカウンターの高さは70m前後が基本寸法で、カウンターの高さに合った椅子に座ったときに足が床につく高さ。そのため、お客さんが長時間座っても疲れにくいのが特徴です。

⚫️ ミドルカウンター
ミドルカウンターの高さは85cm前後が基本寸法で、カウンターの高さに合った椅子に座ったときにつま先が床につく高さお客様と目線が合わせやすい高さになるため、カジュアルな雰囲気になりやすいのが特徴です。

⚫️ ハイカウンター
ハイカウンターの高さは105cm前後が基本寸法で、カウンターの高さに合った椅子に座ったときに足が床につかない高さ。カウンターの中で働いている従業員と目線の高さが同じになるため、接客がしやすいといった特徴があります。

カウンター席の奥行きは種類に関係なく60cm前後が基本寸法ですが、料理や飲み物の数などによって寸法を決めるのが望ましいでしょう。例えば、料理の提供がなく飲み物のみのカフェなら奥行きは50cmもあれば足りるなど、実際に提供するものが置ける程度の奥行きを計算して決めるのがおすすめです。

テーブルの高さと大きさ

メジャー

カフェで使われるテーブルの高さは、70~72cmが一般的です。大きさは、1人分に必要なスペースの寸法×人数で計算するのが基本の大きさです。詳しい寸法については、後ほど解説します。

丸テーブルのサイズと形状

カフェで使われる丸テーブルのサイズは、天板が65cm・80cm・100cmの3種類が一般的です。座る人数によってサイズが異なり1人席なら65㎝のサイズ、4人席なら100cmのサイズが適しているでしょう。

丸テーブルの形状は「円型」をしており、「円卓」や「ラウンド」とも呼ばれています。

人数別のテーブルサイズ

ランチを食べるカップル

人数別のテーブルサイズは、1人分に必要なスペース×人数で計算して決めるのが一般的です。1人分に必要なスペースは、幅60cm奥行き40cmが基本。このサイズを念頭に、人数別のテーブルサイズをご紹介します。

3人掛けテーブルのサイズ

3人掛けテーブルのサイズは、幅100cm×奥行き80cmが基本です。

4人用テーブルの寸法

4人用テーブルの寸法は、幅120cm×奥行き80cmが基本です。

6人用丸テーブルのサイズ

6人用丸テーブルのサイズは、天板の直径120cmを基本にすると1人分に必要なスペースが確保できるサイズです。

カフェのさまざまな席タイプと寸法

カフェにはソファ席やボックス席、テラス席などがあり、それぞれで基本の寸法は異なります。ファミレス席や居酒屋のテーブルサイズについても解説するので、参考にしてください。

ソファ席の寸法と配置

ソファ席のテーブル寸法は、4人席で幅120cm×奥行き80cm×高さ60cmが基本です。配置は、通路幅を40cm以上確保して設置します。

テラス席やボックス席の寸法

カフェでのテラス席やボックス席の寸法は、一般的に人数別でご紹介したテーブルサイズと同じものを基本寸法とするのが望ましいでしょう。

ファミレス席や居酒屋のテーブルサイズ

ファミレス席のテーブル寸法は2人用なら幅60cm×奥行き75cm、4人用なら幅120cm×奥行き75cmが基本です。
食べ物の注文が多くなりがちな居酒屋のテーブルサイズは、奥行きが60~90cmと広いものを使うのが一般的です。

テーブルサイズの選び方

カフェで使われるテーブルは一般的なサイズがありますが、店舗のスペースや用途などによって最適な選び方があるので、ここで解説します。

スペースと用途に応じた選び方

提供する食事やドリンクをトレーでテーブルに置く場合は、一般的なテーブルサイズよりも一回り大きいサイズを選ぶのがおすすめです。テーブルにトレーで置くとお皿やグラスのみの場合よりも広いスペースが必要となるため、一般的なテーブルサイズでは窮屈に感じることがあり、お客様はくつろげません。

また、調味料やメニュー表などをテーブルに置く場合も同様です。一般的なテーブルサイズはあくまでも1人分に必要なスペースを考慮したサイズになっているため、調味料などのスペースは含まれていません。提供するメニュー以外のものをテーブルに置く場合は、その分のスペースも考慮したテーブルサイズを選んでください。

カフェテーブルの高さの選び方

カフェテーブルの高さは70~72cmが一般的ですが、椅子の高さも考慮して選ぶ必要があります。テーブルと椅子の高さが合わないと飲食がしにくいほか、テーブルに膝があたり座りにくいなど、お客様がゆっくり楽しむことができません。

テーブルの天板から椅子の座面までのスペースが25~30㎝空いていると、座りやすくて飲食しやすくなります。カフェテーブルの高さを選ぶときは、椅子の座面と天板までのスペースも考慮して選んでください。

テーブルサイズと椅子の組み合わせ

テーブルサイズに合わせた椅子の組み合わせは、差尺の長さに合った椅子を選ぶのがポイントです。差尺とは、テーブルの天板から椅子の座面までの長さのこと。差尺の合ったテーブルサイズと椅子を組み合わせると、食べ物や飲み物が取りやすいなど使い勝手のいい組み合わせができます。

差尺は身長の高さによって若干長さが異なりますが、計算式を使えば簡単に導き出せます。

⚫️ 差尺の計算式:座高÷3-2=差尺
⚫️ 座高の計算式:身長×0.55=座高
※差尺の求め方は、身長÷6など他にも計算式方法があります

例えば、身長170cmの座高は93.5cmで、差尺は29cmです。カフェに設置テーブルサイズに合った椅子の組み合わせを選ぶときは差尺にも注目して選んでください。

まとめと注意点

カフェのカウンターとテーブルの寸法についてご紹介しました。最後に、注意点について解説しますので、ぜひチェックしてください。

カウンター・テーブル選びのポイント

カウンター・テーブル選びのポイントは、以下の通りです。
⚫️ お客様にゆっくりくつろいでいただきたい場合は、床に足がつく高さのローカウンターを選ぶ
⚫️ カジュアルな雰囲気のカフェがコンセプトなら、ミドルカウンターを選ぶ
⚫️ 接客のしやすさで選ぶならお客さんを目線が同じ高さになるハイカウンターがおすすめ
⚫️ カフェで使うテーブルを選ぶポイントは、1人分に必要なスペースを考慮してサイズを選ぶ

カウンターやテーブルを選ぶときの注意点は、テーブルの高さに合った椅子を設置することです。テーブルと椅子の高さが合わないと、座りにくいなどお客様が快適に過ごせないので、注意してください。

空間効率と快適さを両立させる工夫

空間効率と快適さを両立させる工夫は、限られた空間の中で窮屈に感じることなく多くの集客ができるテーブル配置にすることが重要です。例えば、細長いスペースの店舗の場合はテーブルやソファ席を設置するよりも、壁に沿ってカウンターを設置した方が客席を増やせて空間効率が良くなるほか、通路幅も広くなるので快適さも両立できます。

店舗の広さや形状に合わせてテーブルやカウンター、椅子を上手に設置してみてください。

テーブルと椅子のメンテナンス

カフェなどの飲食店は清潔感が非常に重要です。キズのあるテーブルや椅子を使っていると「手入れが行き届いていないお店」など、お客様に悪い印象を与えるので注意しなければなりません。テーブルと椅子は営業が終ったら必ず拭き掃除を行ってください。

テーブルの塗装の剥げや椅子の生地の破れなどは、張替えや再塗装などを業者に依頼して、定期的にメンテナンスをしてもらうことをおすすめします。

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