昨今は、リモートワークの普及により、「仕事用の椅子にはお金をかけたほうが良い」という認識が一般的になりつつあります。オフィス環境を整備するうえでも、オフィスチェア選びは非常に重要なポイントです。実際に、従業員の満足度や生産性を向上させるため、高級オフィスチェアを導入する企業が増えているといわれています。
しかし、一口に高級オフィスチェアといっても、ブランドやデザイン、機能性もさまざまなので、選び方に悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。この記事では、高級オフィスチェアの選び方やおすすめのブランドを解説します。
高級オフィスチェアの魅力と選び方
まずは、高級オフィスチェアの魅力や、選び方のポイントを解説します。
快適な座り心地で生産性向上
デスクワークの生産性は、オフィスチェアの性能に大きく左右されます。
固くて座り心地の悪い椅子は、肩こりや腰痛、背中の痛みや目の疲れの原因になりかねません。座り心地の悪い椅子は正しい姿勢をキープしにくいため、体のさまざまな部位に負担がかかってしまうからです。
体の不調は業務効率にも影響を及ぼし、仕事の生産性が低下してしまうリスクがあります。特に、デスクワークが多い会社では、オフィスチェアに座っている時間も長くなるため、オフィスチェアの座り心地は重要なポイントです。
オフィスチェアの性能にこだわるなら、ハイエンドモデルの高級オフィスチェアがおすすめです。高級オフィスチェアはデザイン性や素材だけでなく、座り心地を重視したモデルが少なくありません。快適で疲れにくい高級オフィスチェアを導入すれば、従業員一人ひとり、ひいては会社全体の生産性向上にもつながります。
設計と機能性の高さ
高級オフィスチェアは、一般的な商品と比べて機能性にも優れています。仕事中の体の負担を軽減する、休憩時間にさっと姿勢を楽にできるなど、デスクワークをサポートする機能が搭載されたオフィスチェアを選べば、従業員の満足度をアップさせられるでしょう。
また、人間工学に基づいたモデルなど、長時間の座り仕事を前提に設計されたモデルが多く、デスクワーカーの頼れる相棒となってくれます。
高級オフィスチェアの選び方のポイント
高級オフィスチェアを選ぶポイントは、「素材」「背もたれの高さ」「機能性」の3点です。
オフィスチェアに使用される素材は、メッシュ素材・ファブリック素材・レザー素材の3種類に分けられます。
メッシュ素材 | ・通気性に優れ、夏場も快適 ・軽量で移動させやすい ・体の負担が分散されやすい |
ファブリック素材 | ・カラーバリエーションが豊富で、インテリアのアクセントになる ・おしゃれなデザインが多い ・最も一般的な素材で、ラインナップが幅広い |
レザー素材 | ・重厚感や高級感がある ・耐久性が高く、長く使用できる ・お手入れがしやすい |
また、オフィスチェアの使い心地は、背もたれの高さによっても異なります。背もたれの高さはローバック・ミドルバック・ハイバックの3種類に分けられ、それぞれの特徴は以下の通りです。
背もたれの位置 | 特徴 | |
ローバック | 腰の位置 | ・コンパクトで場所を取らない ・大量導入しても圧迫感がない ・長時間の作業には不向き |
ミドルバック | 背中の位置 | ・バランスが良いタイプ ・ローバックよりも疲れにくく、ハイバックよりも圧迫感がない |
ハイバック | 首や肩の位置 | ・背面を広く支えるため、長時間座っていても疲れにくい ・サイズ感が大きいため、圧迫感がある |
加えて、高級オフィスチェアには機能性に優れた商品が多くあります。例えば、背もたれの角度を調節できるリクライニング機能や、座っている人の動きに合わせて背もたれが倒れるロッキング機能などを備えたモデルも多く、長時間のデスクワークに適しています。
また、長時間の利用を想定するなら、アームレストやヘッドレスト、背骨のカーブを保つランバーサポートが付いたオフィスチェアもおすすめです。
高級オフィスチェアの購入を検討する際の注意点
高級オフィスチェアはそう頻繁に買い換えられるものではないため、失敗はできる限り避けたいところです。購入の際は、以下の点に注意してください。
予算と価格のバランス
高級オフィスチェアの価格は青天井で、なかには1台30万円以上する商品もあります。オフィスチェアを複数台導入する場合は、全体の予算をオーバーしないよう注意しなければなりません。
オフィスチェアは価格が高いほど機能的とは限らず、コストパフォーマンスに優れた商品も多くあります。高級オフィスチェアを導入する目的や、必要な機能を整理し、予算に合わせた商品を選んでください。
座り心地を実際に試す
オフィスチェアは座り心地が重要なので、実際の商品を試してから購入するのがおすすめです。有名ブランドの商品なら、大型のインテリアショップに足を運べば高確率で試座できるでしょう。
また、メーカーによってはショールームが設けられていることもあります。街中のショップと比べて商品ラインナップが豊富で、さまざまなモデルを体験することが可能です。
設置した際のデザインを想定する
オフィスチェアはオフィスインテリアの一部にもなるので、設置した際のデザインを想定することも大切です。
デスクやキャビネットとの配置、従業員の動線などを考慮しつつ、「全体との調和」や「圧迫感のなさ」を意識するとよいでしょう。オフィスチェアを置いたときの圧迫感が気になる場合は、背もたれの低いローバックタイプのチェアがおすすめです。
アフターサービスと保証期間
一般的に、オフィスチェアの寿命は10年とされています。高級オフィスチェアの場合は15年、20年と使用できるケースもあり、長い目で見ても費用対効果の高い買い物といえるでしょう。
しかし、オフィスチェアを長く使い続けるためにはメンテナンスが必要です。不具合が生じた場合の修理やクリーニングなど、メーカーごとのサービス内容や料金、保証期間を事前にチェックしてください。
人気の高級オフィスチェアブランド
「高級オフィスチェアを導入したいが、どのブランドを選べば良いかわからない」という方に向けて、とくに人気の高い5つのブランドをご紹介します。
アダル
飲食店やホテル用家具のイメージが強い「アダル」ですが、“包む”をコンセプトとした「エンフォールド」シリーズや、小型テーブル付きの「ピュアループモノ」など、ユニークでスタイリッシュなデザインのオフィスチェアを数多くラインナップしています。
おしゃれ感のあるカラー展開も強みで、オフィスインテリアのアクセントにぴったりです。
ハーマンミラー
アメリカ・ミシガン州に本拠地を置く「ハーマンミラー」は、40年代から60年代にかけてアメリカで流行したミッドセンチュリー・モダンの代名詞的な存在として知られています。
機能性を重視したシンプルかつ実用的なデザインが得意で、オフィスに遊び心をプラスできるスタイリッシュなモデルも人気です。また、ハーマンミラーのオフィスチェアはメッシュ素材が使われたものが多く、汗ばむ季節も快適に使用できます。
オカムラ
1945年に岡村製作所として創業した「オカムラ」は、車の部品の一つであるトルクコンバータや戦後初の国産飛行機など、さまざまな製品の開発を手掛けてきた企業です。
オフィス家具の分野では、オフィスの改装・移転の総合マネジメントを行なっており、デザイン性に優れたオフィスチェアを数多く生み出してきました。人間工学に基づいて設計されたモデルも多く、機能性とデザイン性を追求したい方におすすめです。
エルゴヒューマン
「エルゴヒューマン」は、福岡県大川市に本社を置く「関家具」が手掛けるチェアブランドです。比較的安価な商品に多いメッシュ素材を使用しながら、流れるような曲線により、高級感あふれるデザインを実現しています。
また、背面から独立した「独立式ランバーサポート」も特徴です。背中のカーブを支えるランバーサポートを背面から独立させることにより、エルゴヒューマン特有の優美なカーブを描くことに成功しています。
コクヨ
キャンパスノートをはじめとする文房具で有名な「コクヨ」は、オフィス製品や家具を幅広く取り扱うメーカーでもあります。価格帯も幅広く2万円台から購入できるものもありますが、豊富なカラー展開が魅力の「イング(ing)」シリーズや、機能性に優れた「ベゼル(Bezel)」シリーズなどの高級ラインも魅力です。
また、木目とファブリックを組み合わせたオフィスチェアなど、おしゃれなデザインを数多くラインナップしています。
高級オフィスチェアで快適なオフィス環境を整えようまとめ
仕事中の体を預けるオフィスチェアは、オフィス家具のなかでもとくに重要度の高いアイテムです。特に、デスクワークの多い職場では、オフィスチェアの性能が従業員のパフォーマンスに直結するとされています。機能性・デザイン性ともに優れた高級オフィスチェアを導入し、快適なオフィス環境を整備してみてはいかがでしょうか。