テーブル選びをしていると、よく目に入るのが「天板」というワードです。聞き慣れない言葉かもしれませんが、天板はテーブルにとって必要不可欠であり、テーブル選びは天板の選択から始まると言っても過言ではありません。ここでは、天板の意味と使用される素材、選び方について解説します。
天板について
そもそも天板とはテーブルのどの部分なのか、そして天板選びがどれほど重要なのか把握しておきましょう。テーブルは、場合によっては長年の付き合いになります。こだわりのテーブルで部屋を彩るためにも、基本的な部分を知っておくのがおすすめです。
天板とは
テーブルは、主に3つのパーツで構成されています。全体を支える脚、脚と脚を繋いでいる幕板、そして天板です。天板とは、テーブルの上に乗る板のこと。テーブルの中で最も目立つ部分で、まさにテーブルの顔とも言える部分でしょう。
天板の重要性
天板は、物を置いたり上で文字を書いたりと、さまざまな作業に使われます。例えば、食事に使うテーブルであれば熱いものに耐えられる必要がありますし、子どもが遊ぶテーブルなら傷に強いものが望まれます。このように、天板には、インテリアだけではなく目的に応じて活用する人を直接支える役目があるのです。
また、テーブルは大きな家具ですので、部屋全体のイメージを左右します。テーブルをどんな目的で使うのか、そしてどのようなシーンで使うのかをある程度定めたうえで、天板の素材を検討するのがおすすめです。
天板に使用されるさまざまな素材とその特徴
天板に使用される素材は、さまざまです。ここでは、天板に使用される代表的な素材と、どのようなテーブルに向いているのかご紹介します。
最も一般的な木材天板のメリット
木材を使ったテーブルは、よく見る一般的なテーブルです。一口に木材天板と言っても、使用する木の切り出し方や種類に違いがあるため注意してください。木の切り出し方としては、長い年月をかけて大きく育った木から繋ぎ目なしで切り出した一枚板の天板と、数枚の木材を繋ぎ合わせた天板があります。また、木材も、柔らかい雰囲気の杉材、表面がなめらかなパイン材、落ち着いた見た目が人気のウォールナット材など多彩です。木材の選択肢の幅は広いので、種類を入念に選べばさまざまな部屋に合わせられるテーブルとなります。
いずれの木の種類にも共通して言えるのは、天然の素材だからこそのぬくもりのある雰囲気が得られることです。また、経年劣化も木材天板の楽しみのひとつ。「劣化」と言いますが、使用しているうちに深みが出てくる「変化」の方が、表現としてふさわしいかもしれません。自分や家族、仕事仲間らとともにテーブルが成長していくという感覚で、愛着を抱けるのではないでしょうか。
モダン家具に最適なプラスチック天板
プラスチック天板は丈夫で、耐水性にも優れています。付着した水分や汚れはサッと拭き取ることができるので、キッチンを含めたさまざまなシーンで活用されています。木材と比較すると軽量なので、扱いやすいこともメリットのひとつです。
また、ホワイトやブラック、木目調といったカラーやデザインが選べるのもプラスチック天板の特徴。カラーや質感を選べば、さまざまなシーンにマッチするテーブルになります。
木製テーブルはナチュラルな趣がありますが、モダンな雰囲気に合わせるのはやや高難度。脚の素材で合わせるなどの方法で木製テーブルをモダンに近付けることはもちろん可能ですが、プラスチック天板であればより広い選択肢で、モダン家具になじむテーブルになるでしょう。
金属を使った産業用家具
テーブルの天板に使われる金属としてまず挙げられるのは、ステンレスです。ステンレスは、鉄にクロムなどを含ませた合金。ステイン(汚れ)とレス(少ない)という単語を組み合わせた名称で、その名の通り鉄と比較して錆びにくいのが特徴です。高級感のある飲食店のテーブルや作業台によく使われます。
また、軽くて丈夫なアルミも、よくテーブルに使われる金属のひとつ。持ち運びしやすいので屋外で使われるほか、大きめの作業テーブルにも活用されます。
天板選びで押さえておきたい3つのポイント
天板が果たす役割は重要で、素材もさまざまであることをお伝えしました。では、実際に天板選びをする際、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。ここでは、天板を選ぶ前に知っておきたいポイントを3つご紹介します。
テーブルトップを選ぶ前に家具のスタイルを見極める
最初に考えるのは、テーブルをどのようなシーンで活用するかという点です。テーブルを使用する目的は食事、調理、書き物、制作、接客などさまざま。素材には、それぞれ目的に対して向き不向きがあります。
例えば、調理や制作には、丈夫で水にも強いステンレスなどの金属がおすすめ。子どもが汚す可能性のあるリビングやキッチンのテーブルであればプラスチック素材、書き物机なら落ち着いた雰囲気で手触りなめらかな木製の天板を検討してみてください。オフィスなどでテーブルの個数と統一感が必要であれば、アルミなどの金属素材が向いています。
また、テーブルを置く部屋全体の雰囲気も考慮してください。壁紙や周囲のインテリアによって、なじみの良い素材やカラーが違ってきます。目的と設置場所をしっかりと定めてから天板を選ぶと、失敗なくお気に入りの天板を探し出すことができるでしょう。
様々なテーブルトップの価格を比較検討する
予算も、大事な検討材料のひとつ。天板の価格は素材やサイズによってさまざまです。
例えば、木製の天板は、木の種類によって価格が大きく異なります。杉や楢、栗などの素材は比較的安価。ウォールナットやチークは高価なものが少なくありません。ただし、同じ木の中でも産地によって価値が異なるとされているので注意してください。産地や樹齢により、特に希少価値がある木材は「銘木」と呼ばれ高価になります。また木材は、木をそのまま切り出した一枚板は、複数の木材を繋ぎ合わせたはぎ材と比較して高価です。
数が必要などの理由で木材ほど予算を割けないけれど木の質感は欲しいという場合は、木目調のプリントを施したメラミン素材の天板があります。テーブルを使う目的に対応する素材の中から、予算で絞り込んでいくのも良いでしょう。
テーブルトップのメンテナンスについて
テーブルは、どれだけなめらかさや丈夫さを売りにした素材でも、使っているうちに劣化します。お気に入りのテーブルを長く使い続けるためにも、定期的なメンテナンスを行ってください。
木製の天板なら、傷が目立ってきたらサンドペーパーで表面を削り、オイル塗装で仕上げましょう。スチール素材は、水濡れを放置しないよう日頃から注意することが大切です。濡れたままにすると錆びてしまうことがあります。メラミン素材は、アルコール等を使用せず中性洗剤で汚れを拭き取ります。
天板の素材ごとに、最適なメンテナンス方法が異なります。日常的なお手入れ方法と、傷や汚れが蓄積した際の数年毎のメンテナンス、両方の正しいやり方を把握しておきましょう。
まとめ
テーブルの天板は物を置く、食事をする、仕事や作業をするなど、さまざまな使い方をするテーブルトップです。木材やプラスチック、金属といった素材の選択肢があり、それぞれに異なる特性を持ちます。天板選びの基本は、テーブルをどのように使いたいかという目的を明確にすること。目的に応じた役割を果たせる素材を選ぶことが大切です。目的を定めたら、予算や好みに応じて最適な素材を探しましょう。それぞれの素材に応じたメンテナンス方法を把握し、長く大切に使うことをおすすめします。