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リビングや待合室に配置されているラウンジチェアは、ゆったりとくつろぐのに最適な一人用の椅子です。十分な座面スペースで座り心地が良く、大切なお客様が快適に過ごすのに効果的な家具と言えるでしょう。今回は、応接室に配置するラウンジチェアの基本と選び方のポイント、配置事例とレイアウトの注意点について解説します。
ラウンジチェアとは？その特徴と魅力
ホテルなどにある1人用の椅子であるラウンジチェアは、心地の良い座り心地が魅力のひとつです。そんなラウンジチェアの特徴や種類などをご紹介します。
ラウンジチェアの定義
ラウンジチェアは、背もたれに傾斜がついた1人掛け用の椅子を指すことが多いです。座った際にゆったりとした態勢でリラックスでき、心地の良い休憩用の椅子としてオフィスやホテルなどのラウンジに置かれています。
快適性を追求した一人用の椅子であるため、「背もたれに傾斜のあるゆったりした1人用の椅子」であれば、形状やデザインを問わずラウンジチェアに分類されることが多いです。
ラウンジチェアの種類
ラウンジチェアには、様々な形状のデザインや素材を使った豊富な種類があります。「ゆったりできる一人用の椅子」をコンセプトに、背もたれが高いものから低いもの、座面を広く取りゆとりのあるものからコンパクトに人一人が収まるサイズなど様々です。
ラウンジチェアの基本は、身体がすっぽりと座面に収まり、手足を伸ばしてくつろげる安楽椅子として作られています。そのため、快適でくつろげるデザインのものが多く、1人用の家具としては大きいサイズに設計されているものが多い傾向です。
名作椅子とは何か？
名作椅子とは「デザイナーズチェア」とも呼ばれ、世界の有名デザイナーや建築家が開発デザインを手がけた椅子のことを指します。芸術的なデザインでアート作品としても扱われながらも、機能性や快適性に優れているのが特徴的です。
デザイナーズチェアの発祥は、1859年に家具デザイナーであるミヒャエル・トーネットがオーストリアのウィーンで発表した曲目椅子とされています。「タイプNo.14」は背もたれに傾斜のある椅子に設計されており、現在までに2憶脚が販売されたと言われる名作中の名作です。
以降、世界中の著名なデザイナーたちによって名作椅子が生み出されました。1956年には、アメリカのチャールズ・レイ&イームズ夫妻によって制作された「イームズラウンジチェア&オットマン 」が、現在のラウンジチェアの基本形とされています。
ラウンジチェアの選び方とポイント
ラウンジチェアの種類が多すぎて、どれを選べば良いかわからないという方も多いかもしれません。初めてラウンジチェアを購入される方のために、選び方とポイントについて解説します。
座り心地の良さを重視する
ラウンジチェアのコンセプトである座り心地は、何よりも優先すべきポイントです。談笑や休息のひと時を快適に過ごせるデザインを選ぶことをおすすめします。
座り心地のポイントは、座ったときのゆったり感や座ったときに違和感を覚えさせないフィット感が重要です。ラウンジチェアに使用しているクッション素材の柔らかさや感触、高さやサイズなどが自分の身体に合っているかチェックしてください。
適切な素材とデザインの選び方
快適性や機能性が優れたラウンジチェアであっても、自分が気に入らない、あるいは違和感がある場合にはおすすめできません。ラウンジチェアは快適に過ごすための癒し空間であるべきなので、愛着を持って普段使いできるデザインを選ぶことが大切です。
使用する素材によって見た目の印象や触り心地、クッション性なども変わってくるので、デザイン性と快適性のバランスを意識しましょう。
リプロダクトとオリジナルの違い
リプロダクトとは、既に生産終了・終売した商品を再生産や複製する復刻商品のことです。コピー品との違いは、正規品を販売しているメーカーが同じ設計で再生産するのでオリジナルと言っても差し支えありません。これは一般的なリプロダクトの考えであり、家具におけるリプロダクト品は版権の切れた作品をデザイナーによってオリジナル品と同じデザインに再現することを指します。
例えば、ラウンジチェアの名作であるイームズラウンジチェア&オットマンはすでに版権の切れている製品です。オリジナルを基に複製・再設計されたものがリプロダクトであり、当時のデザインを再現したり改良を加えて利便性を向上した製品が販売されています。
ラウンジチェアの版権は産業財産権法に基づく意匠登録がされており、25年間は権利が保護される決まりです。版権が切れていない製品を複製した場合、違法コピーとして法律上の罰則を受けます。
デザイナーズチェア・名作のおすすめ一覧
ラウンジチェアの名作・デザイナーズチェアのおすすめをご紹介します。いずれも名作中の名作として名高い一品なので、ラウンジチェアを選ぶ際の参考にしてください。
イームズラウンジチェアとその特徴
イームズラウンジチェアは、快適性を追求した椅子としてラウンジチェアの祖として知られる名作。チェアのデザインは、プライウッドと呼ばれる合板をベースにレザーをあしらったシンプルなシルエットが特徴です。
広々とした肘掛けと幅にゆとりを持たせたシートは、身体を柔らかく包み込むような心地良さを体感できるでしょう。付属のオットマンに脚を乗せることで、身体の負担を和らげつつ伸び伸びとした開放的な気分を味わえます。
カリモクやカッシーナの名作チェア
カリモクとは、1940年に愛知県刈谷市で創業された家具メーカーの名称です。品質にこだわった製品づくりをモットーに、天然木を使用した高品質・安全性・環境配慮を掲げています。1962年に製作された「Kチェア」は、組み立て式のコンパクトなデザインが特徴的。軽量で場所を取らず、手ごろな価格と愛嬌のあるフォルムが長年愛され続けているラウンジチェアの名作と言えるでしょう。
カッシーナとは、1927年にチェーザレとウンベルトのカッシーナ兄弟によってイタリアで創業された高級家具ブランドメーカーです。先鋭的・革新的なアイデアを取り入れ、高級イタリアンモダンスタイルと呼ばれるデザインは世界中のファンから多くの支持を集めています。カッシーナのラウンジチェアは、
世界の有名デザイナーが設計した様々なレパートリーが特徴的です。代表作の「レッド&ブルーチェア」は背もたれを赤、座面を青で彩られたシンプルなデザイン。水平・垂直の構造と赤と青の原色で構成されたシルエットは、近代的なデザインとして後の家具や建築物に大きな影響を与えました。
リプロダクトチェアのおすすめ
リプロダクトチェアは正規品より安値で購入でき、デザインもオリジナルと遜色なく機能性が向上しているものが多いのでラウンジチェアの名作を求めている方にもおすすめです。名作はデザイナーによってリプロダクトされやすく、オリジナルにはないデザインカラーのバリエーションが豊富に取りそろえられています。
イームズラウンジチェアのリプロダクトは特に需要があり、オリジナルに忠実かつ豊富なカラーバリエーションが人気です。また、ミース・ファンデル・ローエがデザインした「バルセロナチェア」は、ステンレスのハサミのような交差した脚と繊細な曲線はリプロダクトチェアの名作として高い人気があります。
ブランド別・価格帯別のラウンジチェア選び
ラウンジチェアを選ぶ際の、ブランド別・価格帯別の目安について解説します。好みや予算に合わせ、ラウンジチェア選びの参考にしてください。
イケアやニトリなどの手頃な価格帯のチェア
イケアとニトリは、カジュアルなデザインと手ごろな価格帯が人気の家具メーカーです。ラウンジチェアは20,000～40,000円程度の価格帯に人気商品が集中しており、さらに低価格商品も多数取り揃えられています。
分類：パーソナルチェアは機能性が高く、どんなインテリアともマッチするシンプルなデザインが特徴です。お手ごろでおしゃれなラウンジチェアが豊富に揃っているので、初めてのラウンジチェアにおすすめします。
ハーマンミラーやカールハンセンのハイエンドブランド
ハーマンミラーとカールハンセンは、世界的高級家具ブランドと知られているメーカーです。ハーマンミラーはイームズチェアの正規品を手掛け、カールハンセンは北欧家具を代表するブランド。ラウンジチェアはどのデザインも30万～100万円以上するような桁違いの価格帯であり、手軽に手が出せるような価格ではありません。オフィスの応接室に設置するなど、購入目的がハッキリとしています。
しかし、その価格に見合った最高品質の素材と機能美、上品な雰囲気はまさにハイエンドに相応しい高級チェアと言えるでしょう。どちらのブランドも決して安くありませんが、その品質の高さや優雅なデザインが世界中のファンを魅了しています。
ラウンジチェアの中古市場とその魅力
ラウンジチェアの名作は、中古市場でも非常に人気が高く取引が活発に行われています。一流ブランドメーカーやデザイナーズチェアが安くで購入でき、正規品だけでなくリプロダクト品も豊富に扱われている注目の市場です。
中古品に抵抗のある方も多いと思われますが、新品未使用のアウトレット品も中古市場には広く出回っています。市場に出る中古品は比較的美品とされるものが多く、微小の傷アリやレプリカ品などは大幅割引されるケースも少なくありません。高品質なラウンジチェアの名作を割安で手に入れるには、中古市場の活用がおすすめです。
また、目立たない傷や修復可能な箇所はリペアが可能なので、補修して使い続けることで長く愛着が持てるでしょう。