オフィスの休憩室は、単なる休息スペース以上の役割を果たします。緻密に設計された休憩室は、社員の満足度を高め、生産性を向上させ、コミュニケーションを活性化させる可能性を秘めています。このコラムでは、心地よい休憩室を作り上げ、業務効率を最大化するための重要なポイントを解説します。
オフィスに休憩室を設けるべき3つの理由
オフィスに休憩室が必要なのはなぜでしょうか？以下の3つの理由があるからです。
● 社員の生産性が上がる
● 企業ブランディングに活用できる
● コミュニケーションの活性化・アイデアの創出につながる
それぞれについて、説明します。
社員の生産性が上がる
オフィスに休憩室を設けることで、社員の生産性が上がるという事実は、多くの研究によって裏付けられています。休憩室は、社員が一時的に仕事から離れ、リラックスし、エネルギーを回復するための場所です。適度な休息は、社員の集中力を高め、結果的に生産性を向上させます。
また、快適な休憩室は、社員の満足度を高め、仕事へのモチベーションを向上させる効果もあります。
企業ブランディングに活用できる
きちんと設計された休憩室は、社員だけでなく訪問者に対しても、企業が労働環境に配慮しているというポジティブなメッセージを発信します。また社員が快適に過ごせる休憩室は、社員の満足度を高め、結果的には社員のロイヤリティや生産性を向上させることにもつながります。
これは、企業の外部イメージの向上に直結し、結果的に優秀な人材を獲得でき、離職率の低下にも貢献します。休憩室の設計や運用は、企業ブランディング戦略の一部として考えるべきです。
コミュニケーションの活性化・アイデアの創出につながる
オフィスの休憩室は、社員間のコミュニケーションを活性化し、新たなアイデアの創出につながる場所にもなりえます。異なる部署や役職の社員が自然に交流することで、新たな視点やアイデアを生み出し、組織全体の創造性や革新性を高めることにもつながります。
また、社員間のコミュニケーションを促進することで、チームワークを強化し、組織の一体感を高める効果もあります。このように休憩室はコミュニケーションの活性化とアイデア創出に重要な役割を果たすのです。
オフィス休憩室を心地よい空間にするには？
ではそんなオフィスの休憩室を、快適かつ心地よい空間にするには、どうしたらよいのでしょうか？以下にまとめました。
● 開放的な間取りにこだわる
● オフィススペースとは雰囲気を変える
● 日光を取り入れる
● 緑を取り入れる
● 一人になれる場所とミーティングにも使える場所を併設する
詳しくみていきましょう。
開放的な間取りにこだわる
開放感あふれる空間は、社員がリラックスしやすく、自然とコミュニケーションが活発になる傾向にあります。例えば、無駄な仕切りを減らして広々としたエリアを確保することで、圧迫感を感じさせずに開放感を演出できます。また、柔らかな色合いの内装や植物を配置することで、更にリラックスできる空間を作り出すことが可能です。
オフィススペースとは雰囲気を変える
休憩室は、ただ休むだけの場所ではなく、コミュニケーションが活性化する空間としても機能します。そのため、オフィスとは異なる雰囲気を作り出すことで、リラックス効果を高め、新たなアイデアが生まれやすい環境を作ることができるのです。具体的には、家具の選択や配置、色彩の使用などにより、心地よい空間を作り出すことが可能です。オフィスの休憩室は、ただの休憩場所ではなく、社員のエネルギーを再充電するための重要な空間となるのです。
日光を取り入れる
オフィス休憩室を心地よい空間にするためには、自然光の活用が効果的です。日光を取り入れることで、空間に明るさと温かみをもたらし、スタッフの気分をリフレッシュさせることができます。窓の位置や大きさを工夫し、日中は自然光で部屋を照らすようにすることで、電気の使用を減らし、エネルギー効率の良い環境を作り出すことも可能です。また、日光にはビタミンDを生成する効果もあるため、社員の健康維持にも寄与します。
緑を取り入れる
緑を取り入れることは、心地よさとリラクゼーションを促進する効果的な方法です。植物は空気を浄化し、ストレスを減少させることが科学的に証明されています。また緑のある環境は、心の安らぎをもたらし、創造性や集中力の向上にもつながります。小さな鉢植えから大きな観葉植物まで、空間に合わせて様々な緑を配置することで、自然と調和した癒しの空間を創出できます。
一人になれる場所とミーティングにも使える場所を併設する
オフィス休憩室を心地よい空間にするためには、一人になれる場所とミーティングにも使える場所を併設することが重要です。個人の時間を大切にするための静かなスペースは、集中力を高めリフレッシュするのに役立ちます。一方で、開放的なミーティングスペースは、カジュアルな打ち合わせやアイデアの交換に最適で、コミュニケーションも活性化します。このように多機能な休憩室を設計することで、従業員の様々なニーズに応えることができ、働きやすい環境を実現できるのです。
おしゃれな休憩室に取り入れる家具の選び方
家具も社員がくつろぐための重要なピース。リラックスできるおしゃれで機能的な家具の選び方について説明します。
● 目に優しい色彩を選ぶ
● 曲線が入った家具を選ぶ
● 物を置きすぎない
詳しくみていきましょう。
目に優しい色彩を選ぶ
家具を選ぶ上で大切なのは、目に優しい色彩を選択することです。穏やかな色合いは、リラックス効果を促し、心地よい雰囲気を作り出します。例えば、パステルカラーや自然を思わせるグリーン、ウッド調の家具は、安らぎを与える空間を演出します。また、色彩心理学に基づいて色の選択をすることで、従業員の心理的な安定や創造性の向上にも繋がります。
曲線が入った家具を選ぶ
曲線が入ったデザインの家具は、空間に柔らかさと温かみをもたらします。直線的なデザインがもつフォーマルな印象と異なり、曲線を含む家具は親しみやすく、リラックスした雰囲気を作り出すのに適しています。また、流れるような曲線は、空間に動きと活気を与え、創造的な思考を促すことも期待できます。休憩室に心地よい空間を作りたい場合、ソファやテーブル、アクセントとなる小物類にも曲線を取り入れてみましょう。
物を置きすぎない
おしゃれな休憩室作り「物を置きすぎない」ことが重要です。適度な空間が余裕と落ち着きをもたらし、快適な休息時間を支えます。過剰な家具や装飾品は圧迫感を与え、逆にストレスの原因となりかねません。休憩室では、必要最低限の家具を配置し、開放的でスッキリとした空間を意識することが大切です。家具を選ぶ際は、機能性とデザイン性を両立させ、休憩室の目的に合わせた選択を心がけましょう。
快適なオフィス休憩室の事例4選
社員食堂が特に人気のある企業は、従業員の幸福度を高め、働きがいのある職場環境を提供することに注力しています。ここでは、デザインと機能性を兼ね備えた社員食堂を持つ企業の例をいくつか紹介します。これらの企業は、社員食堂をただの食事提供の場に留めず、社員が心から楽しめる空間として積極的に取り組んでいます。それぞれの企業がどのようなコンセプトで社員食堂を運営しているか、その詳細を見ていきましょう。
1. バンダイナムコ
バンダイナムコのオフィス休憩室は、社員のリフレッシュとコミュニケーションを促進するための空間として設計されています。自然光がたっぷり入る窓辺に配置された休憩スペースは、社員がリラックスし、新たなアイデアを生み出す場となっています。また、カフェスペースの設置により、社員間のコミュニケーションが活性化し、部署を超えた情報交換が容易になっています
バンダイナムコのオフィス休憩室は、創造性を刺激するデザインが特徴です。この休憩室は、従業員がリフレッシュできるよう、ゲーム要素を取り入れたインテリアで構成されています。休憩室内には、カラフルな家具やゲーム機が設置され、従業員が日常の業務から一時的に離れ、リラックスするための空間として設計されています。
2. 日本自動車連盟
日本自動車連盟のオフィス休憩室は、働く人の環境を第一に考えた設計が特徴です。中央に設置された天吊りモニターでコール情報の共有が可能で、デスクトップパネルは高さ50cmとなっており、オペレーターがユーザーとの通話がしやすい環境を整えています。またリフレッシュスペースでは、木目や優しい色調の家具を採用し、くつろぎやすい空間を演出。これらの工夫により、日本自動車連盟のオフィス休憩室は、働く人々の快適性と効率性を高める役割を果たしています。
3. 西部ガスリビング
西部ガスリビングのオフィス休憩室は、従業員のエンゲージメントを高めるための理想的な空間です。そのデザインは、心地よさと機能性を兼ね備えており、2019年度には「九州・沖縄ニューオフィス奨励賞」を受賞しています。
また、その設計は、従業員が互いに交流を深めることを促進するためのものであり、その結果として、企業全体の生産性と満足度が向上しています2。これらの要素が組み合わさって、西部ガスリビングのオフィス休憩室は、他のオフィスとは一線を画す、まさに理想的な休憩スペースとなっています。
4. リクルートライフスタイル
従業員が日常の業務から一時的に離れ、リフレッシュできる工夫が施されている、リクルートライフスタイルのオフィス休憩室。この休憩室は、開放感あふれるデザインでありながらも、プライバシーを考慮した小さなブースやリラックスできるソファスペースが設けられています。また、自然光を多く取り入れることで、明るく心地よい空間を実現しており、従業員が気分転換をしやすい環境を提供しています。さらにパラソルやランタン、リクライニングチェアなどアウトドア感覚でくつろげるギミックも好印象です。
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まとめ
オフィスの休憩スペースは、従業員の心身のリフレッシュとコミュニケーションの場を提供し、全体の生産性を向上させる重要な要素です。適切なレイアウトと家具の選択、自然素材の取り入れ、そして心地よい色彩設定などが、休憩スペースの効果を最大化します。これらの要素を考慮に入れ、従業員のニーズに応じた休憩スペースを設計することで、より良い職場環境を実現できます。