店舗に置くテーブルは、その店の雰囲気を印象づける大切なアイテムの一つです。テーブルの形には長方形のものや丸いもの、オーバル型、カウンタータイプなどさまざまあり、どれも魅力やメリットがあります。今回は、丸テーブルについて、歴史や魅力、サイズ選びのポイントなど、テーブル選びに役立つコツをご紹介します。

丸テーブルの魅力とメリットとは?

丸テーブルにはさまざまな魅力やメリットがあります。丸テーブルの歴史や、丸テーブルならではの魅力・メリットを見ていきましょう。

丸テーブルの歴史と文化の秘めた魅力

ちゃぶ台のある和室

日本人になじみ深い丸テーブルに「ちゃぶ台」があります。昔ながらのアニメやドラマなどでも、家族でちゃぶ台を囲んで食事をする場面が思い浮かぶという方も多いかもしれません。

実はちゃぶ台は、明治時代以降に日本で見られるようになった形です。それまではそれぞれに膳が用意されており、家族であっても同じテーブルで一緒に食事をするということはありませんでした。明治時代になり、文明開化の影響で「自由」や「平等」といった考えが日本にも入ってきたことで、同じテーブルで食事をするという文化が生まれたのです。もともと、西洋で使われていたのは脚が長いテーブルでしたが、畳に座って食事をする日本では、脚を短くしたちゃぶ台の形になりました。

その後、畳の生活からフローリングやカーペットなどの洋間の暮らしに移行したことで、脚の長い丸テーブルが主流になってきたのです。日本の丸テーブルの歴史は、日本の家族関係の変化の歴史でもあります。

丸テーブルがもたらす体験

丸テーブルは、座っている人の顔が見やすいのが大きな魅力。その場にいる全員とおしゃべりを楽しむことができ、デッドスペースも生まれにくいです。

人は向かい合うよりも、斜めや横など視線がずれていると緊張が和らぎ、話しやすい傾向にあります。一般的に、人がもっともリラックスして話ができるのは斜め45度の角度。丸テーブルは自然な角度で目線を合わせることができるので、会話が弾みやすく、自然なコミュニケーションが取れるでしょう。

テーブル自体の丸いフォルムが店の雰囲気を柔らかな印象にしてくれる効果もあります。また、店舗の場合、使用人数を限定しにくいのもメリットです。どこからでも座りやすく、人数に合わせて位置を調整できるので、使う人数がいつも同じとは限らない店での使用は大きなメリットといえるでしょう。角が出っ張っていないので、小さなお子さまがケガをするリスクも抑えられます。

丸テーブルのサイズ選びのポイントを解説

リビング テーブルと椅子

丸テーブルにはさまざまなサイズがあり、大きさが合わないと使いにくさを感じたり、店のスペースを圧迫してしまったりしかねません。サイズ選びのポイントをご紹介します。

スペースの広さと家具の配置で決める丸テーブルの大きさ

丸テーブルを置く際は、テーブル周りの回遊性に注意してください。天板の直径のサイズだけで安易に決めるのは危険です。丸テーブルの天板の大きさに加えて、イスを引いて出られるスペースと人が通れるスペースは確保しておかないと、狭く、居心地の悪さを感じさせてしまいます

人が無理なく通れるためには60cmは必要だといわれています。すれ違うスペースも必要ということであれば、100cmはあったほうがよいでしょう。

イスのサイズが大きかったり、アームが付いていたりする場合は、さらにスペースが必要です。丸テーブルは壁にくっつけて置くことができないので、スペースや配置は慎重に検討しなければなりません。

人数や目的に応じたサイズ選びのポイントと注意点

丸テーブルは比較的フレキシブルに人数の対応ができますが、大きすぎたり小さすぎたりすると、無駄にスペースを圧迫してしまったり、席が足りなくなったりする可能性があります。店に丸テーブルを置く場合は、ボリュームゾーンの来客は何人くらいかという観点からも検討してください。

また、ドリンク中心のカフェと、食事中心の店では提供するメニューが異なります。メニューによっては皿が乗り切らなくなる可能性もあるため、人数だけでなくメニューも合わせて考えるのがポイントです。

オフィスなどで取り入れることをご検討されている場合も、パソコンや書類を置いても窮屈に感じないサイズかを考えると使いやすいテーブルになります。

スクエアテーブルやオーバルテーブルとの比較で考える丸テーブルのサイズ選び

横長のスクエアテーブルやオーバルテーブルでは、4人が座るのに向いているテーブルサイズは縦80cm×横140cmほど。ここに2人分のイスのスペース100cmが入るので、だいたい縦180cm×横140cmが必要です。

丸テーブルの場合、4人分のテーブルの直径を110cmと仮定すると、2人分のイスのスペース100cmもあわせて210cmが必要です。

210cm×210cmのスペースが必要なので、スクエアテーブルやオーバルテーブルよりも広いスペースを確保しないといけないと思うかもしれませんが、イスの置く場所を工夫すれば150cm×150cm程度でおさまります。

直径80cm?90cm?おすすめサイズ別に解説

カフェなどでよく見られるミニマムサイズの丸テーブルは、直径80cmか直径90cmです。人数別におすすめのサイズをご紹介します。

人数別におすすめの円形テーブルサイズと選び方のポイント

一般的には1人分のテーブルスペースは、幅60cm×奥行40cmが基準といわれています。

これをふまえた必要なテーブルサイズは以下の通りです。

  • 1人分:直径60~70cm
  • 2人分:直径80cm以上
  • 3人分:直径90cm以上
  • 4人分:直径100cm以上
  • 5人以上:直径120cm以上

カフェなどのように、ドリンクやサイドメニューなどが中心であれば小さめのサイズでも構いませんし、提供するメニューが多かったり、皿のサイズが大きかったりする場合は、目安のサイズよりも大きなものを選ぶとよいでしょう。

また、使用する人数に変動がある場合は、座るときに干渉しにくいよう、脚のデザインは天板の真ん中に1本あるタイプがおすすめです。

直径80cmサイズの丸テーブル

1〜2人で使うことが多いなら、直径80cmの丸テーブルがおすすめです。人数が少ないのに大きなテーブルを選ぶと、距離感があって会話が弾みにくくなるため、注意してください。

直径90cmサイズの丸テーブル

2人で使うことが多いなら、直径90cmをおすすめします。1〜2人で使うことが多い場合も、料理を並べるスペースが必要だったり、書類やパソコンを置いたりする場合は直径90cmあれば余裕です。

丸テーブルの魅力とサイズ選びのポイントまとめ

丸いフォルムが空間全体を柔らかい雰囲気に仕上げてくれる丸テーブルは、日本ではちゃぶ台として親しまれてきた形でもあり、会話が弾みやすいのが魅力です。丸いテーブルは使う人の人数に合わせてフレキシブルに使うこともでき、配置を工夫すれば回遊性を考えても意外と省スペースに設置可能だというメリットもあります。角が尖っていないので、小さなお子さまにも安心です。

一般的に目安とされる人数別のサイズはありますが、目的に合わせたサイズを選びましょう。テーブルにのせるものが多い場合は、目安とするサイズよりもやや大きめのものを選ぶと失敗が少ないのでおすすめです。

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