オフィスレイアウトの変更は、会社にとって一大イベントです。単なる模様替えやオフィス家具の移動だけでなく、デザインや配線・内装工事など考慮する必要事項が多いため、計画的に行う必要があります。この記事では、オフィスレイアウト変更の手順や業者選び、変更するメリットなどを詳しく解説します。オフィスレイアウトを検討している方は参考にしてください。

レイアウト変更の始め方と目的の明確化

オフィスレイアウト検討

レイアウトを変更する目的を明確にした上で、業務内容に合った効果的なレイアウトを考えるのが大切です。トップダウンで実施するより、プロジェクトチームを組んで対応するのがおすすめです。

レイアウト変更を考える理由

通路が狭い、休憩スペースがない、増員して席がない、物があふれて雑然としている、オフィスが古すぎて新入社員を確保できないなど、現状のオフィスの問題点を洗い出します。レイアウト変更を決断するに至った理由が必ずあるはずです。現状の問題点や変更を考えた理由を書き出しておくと、社員全員が納得できるレイアウト変更が実現できることでしょう。

レイアウト変更の目的設定

現状の問題点を書き出した後、問題を解決するための目的を設定します。レイアウト変更の目的はプロジェクトの軸になります。

例えば、物があふれて雑然としている場合だと、収納スペースを確保するというのが目的になります。他にも、開放感があってコミュニケーションが活発になる空間にしたい、一人ひとりが業務に集中できる空間にしたいなど、理想の働き方に合うような目的を設定します。目的が複数ある場合は、優先順位を付けて対応するのがポイントです。

目的に合わせたレイアウトの考え方

レイアウト変更の目的を設定した後、それを実現するためにどのようなレイアウトが必要かを考えます。ワークスペースのデスクの配置はレイアウト変更で一番悩むところかもしれません。目的に合わせて具体例をご紹介します。

コミュニケーションが活発になる空間にしたい場合、考えられるレイアウトとして『対向型』と『クロス型』があります。

対向型は、部門・チームごとにデスクを向かい合わせに配置するレイアウトです。メンバーがお互い顔を合わせて業務するため、コミュニケーションが取りやすいのがメリットで、多くの企業が採用しています。

クロス型は、正面の従業員と視線が合わないようにする一方で、横を向くと隣の人に話しかけられるように、デスクを縦横クロスして配置。デスクをジグザグに配置することで動線が固定化されないため、多くの従業員と接する機会が持ちやすくなります。

他にも自分の席を設けず、自由に座る場所を選べる『フリーアドレス型』、クリエイティブな職場で導入されている半個室の『ブース型』、デスクを全て同じ方向に配置する『同向型』などがあります。目的に合わせて、おおまかなレイアウトデザインを考えておくとスムーズです。

レイアウト変更手順と業者選び

オフィスレイアウト

レイアウト変更は決めるべき項目が多いため、ToDoリストを作成した上で、段階を踏んで実施するのが一般的です。業者選びは、社内で目的をある程度設定できてから進めます。オフィスレイアウトの具体的なコンセプト作り込め、オフィス家具の手配、通信設備も含めた工事全般をワンストップで対応できる業者を選ぶのがおすすめです。

ステップバイステップのレイアウト変更手順

レイアウト変更の手順として、ワークスペース、会議室、休憩室、役員室などをどこにするかを決めてから、各部屋のおおまかな面積とレイアウトを決めていきます。

レイアウト図面を作成しておくと、新しいオフィスのイメージがわきやすくなります。レイアウト図面は社内でのイメージ共有に役立つだけでなく、業者に見せることでレイアウト変更がよりスムーズです。

オフィスレイアウト変更業者の選び方

複数の業者に依頼して、相見積もりを取ることから始めます。自社の目的を理解し、実現できる業者かどうかを検討しながら、最適な業者を選定してください。選ぶポイントは、実績とデザイン力です。業者の公式ホームページには過去に対応した事例が必ず掲載されています。施工件数、自社と同じようなオフィス規模の施工実績があるかなども確認しておきましょう。

業者によって対応できる範囲が異なるため、単純に比較できないケースが多いのですが、金額だけで選ぶと、クオリティやデザインが低下する可能性もあるため、金額だけで選ばないようにしてください。

レイアウト変更業者との成功するコミュニケーション

レイアウト変更業者をある程度絞り込み、最終的に1社を選びます。必ず予算とレイアウト変更の目的、希望するスケジュールを伝え、対応できるかどうか話し合ってください。予算内での実現が難しい場合、可能な限り代替案を提案してくれる業者は信頼できるでしょう。

レイアウト変更を成功させるためには、業者とのコミュニケーションが重要です。丁寧にヒアリングして対応する業者は、目的を把握した上で働きやすいオフィスを一緒に考えてくれるでしょう。

レイアウト変更の実際:部屋や工場のケーススタディ

オフィスや工場のレイアウトを変更する場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。オフィスと工場では重きを置く目的が異なるため、レイアウトを変更する場合は違いがあります。

レイアウト変更の具体的な図面例

オフィスにおけるレイアウト図面の基本的な書き方は、一人に付き必要なワークスペースの確保から始めます。オフィスデスクの一般的なサイズは、120cm×70cmで、椅子の可動域75~90cmを加えて、十分なスペースを取ります。オフィスの通路幅は90cm以上が理想です。90cmあれば、ストレスなくすれ違うことができます。デスクの後ろに、ロッカーやキャビネットを置く場合は、扉を開けるスペースや、書類を取り出して作業できる空間をしっかり確保してください。

工場でのレイアウト図面は、動線を意識します。通路の幅を十分にとり、動線の重なりがないように設計します。

オフィスと工場でのレイアウト変更の違い

オフィスのレイアウト変更は、目的を設定する段階で、何を優先するか意見を聞きながら決定するのですが、工場の場合は、動きやすく運搬しやすい動線の確保と、デッドスペースの解消が目的で、どの工場でも優先すべき目的は同じです。

レイアウト変更作業のバイト内容

レイアウト変更作業が行われる当日は、バイト作業員がオフィスに入り、オフィス設備や家具の配置替えを行います。レイアウト図面を見ながらの作業になりますが、実際の細かい寸法などは、オフィスの状況を見ながら調整し、配置を決めていくのが一般的です。

オフィス家具や設備の配置が決まった後に、床下の配線調整をします。 配線をデスクまで立ち上げ、機器をつないで最終的に動作確認まで行います。最後に梱包したダンボール類の中身を戻したら完了です。

レイアウト変更のメリットと評価方法

レイアウト変更をすると、気分が一新されるため、やる気が出て業務が効率化するといわれています。オフィスの移転や分室と比べると低コストで、しかも短期間で改善できるのもメリットです。モチベーションが上がったこと、働きやすくなったことに対する評価方法をご紹介します。

レイアウト変更による職場の改善点

レイアウト変更による職場の改善点は、実際に試してみないと使い心地は分かりません。レイアウト図面を見ながら配置位置などを確認することもできますが、職場の改善点を判断するのは、そこで働く人間であり、どうしても感覚的になってしまいます。

ToDoリストやレイアウト図面があれば、客観的に判断できることも多いでしょう。

レイアウト変更の効果的な評価方法

目的は実現できたか、働きやすくなったのか、社員の満足度はどうかなどの観点でレイアウト変更を評価します。ToDoリストの項目ごとに、丸を付ける簡単な社員アンケートを行ってみるのも一つの方法です。

レイアウト変更後のアフターフォローと改善

レイアウト変更が完了した後、新しいレイアウトを1週間〜1ヶ月ほど試してみて、働きやすさ、使い勝手の良さ、実際かかった費用と予算の差、業者の選定などを振り返ります。

課題が見つかった場合は、再度レイアウト変更し、微調整を行ってください。アフターフォローがある業者であれば、対応してくれる可能性があります。

レイアウト変更の手順やメリットについてまとめ

オフィスレイアウトの変更は、現状の問題点を把握し、変更する目的を明確にすることが大切です。理想の働き方に合うような目的を設定した後、信頼できる業者を選びましょう。レイアウト変更後、目的実現の有無などを評価し、振り返りを行うことが大切です。ご紹介したレイアウト変更のポイントを押えながら、従業員が快適に働ける環境を整えてみてはいかがでしょうか。

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