テレワークやハイブリッド勤務の普及に伴い、業務環境に快適性を求める方も増えてきました。身体にフィットしていない椅子に座っていると疲れを感じやすいばかりではなく、集中力が途切れがちといった弊害も考えられます。そこで重要なのがオフィスチェア選びです。サイズや素材、機能などを考慮したチェアを導入することで姿勢が楽になり、作業効率の改善にも繋げられるでしょう。

この記事では、長く座っても疲れないオフィスチェア選びのポイントを解説します。快適なデスクワークを送るためにも、ぜひ参考にしてください。

疲れないオフィスチェアの選び方

長時間デスクワークをするのに、どんな椅子を選んでも良いわけではありません。疲れにくく、効率的に仕事を進めるためには、一人ひとりの体格に合わせて調整できるオフィスチェアを選ぶことが大切です。通気性に優れているか、背もたれがあるかなどのポイントも踏まえながら、座り心地の良いオフィスチェアを選びましょう。

適切なサイズの選び方

オフィスチェアを選ぶ際にまず注目したいのがサイズです。大きければ良いわけではなく、体格に合ったものを選びましょう。座面の高さの目安は、身長×0.25cmです。たとえば、身長160cmの方であれば40cm、身長170cmなら42.5cmの高さが適切とされています。

実際には靴底の厚みがプラスされることに留意してください。座った時に足裏全体が床につくのが理想です。体格は一人ひとり異なるため、座面の高さを調整できるオフィスチェアを選ぶと良いでしょう。

快適な素材の選択

次に注目したいのが快適な素材です。もっともポピュラーなのはファブリックと呼ばれる布素材で、適度な硬さと優しい手触りが特徴。どんな雰囲気にも合うデザイン性の高さと豊富な色展開も魅力です。近年人気を博しているメッシュは通気性とフィット感に優れています。年間を通して爽やかな座り心地を求める方におすすめです。高級感を演出する合成皮革も人気。通気性は良くないものの、汚れや摩擦に強く、なめらかな手触りが大きな特徴です。

座面に使われることが多い素材はウレタンで、クッション性に優れています。衝撃に強く弾力もあるので、長時間座っても疲れにくいでしょう。モールドウレタンはウレタンよりもさらにフィット感に優れているほか、姿勢を保ちやすいといったメリットがあります。

必要な機能をチェック

どんなに正しい姿勢でデスクワークをしていても、それをずっと維持しながら仕事に集中するのはなかなかに難しいものです。身体への負担を減らすために、オフィスチェアには様々な機能が付いています。

座面や背もたれの高さなどを調整できるアジャスト機能、アームレストやヘッドレストなどのサポート機能、リラックスしたい時に便利なロッキング機能などが付いているかチェックしてください。

オフィスチェアの快適な座り心地を保つためのポイント

オフィス デスクワーク 会社員

デスクワーク時の身体への負担を少なくするためには姿勢などの要素も非常に大切です。ここではオフィスチェアの快適な座り心地を保つためのポイントを3つご紹介します。

適切な姿勢を保つ

オフィスチェアに座る際は適切な姿勢を保つことを心がけましょう。背もたれに近付いて深く腰掛け、座骨を座面に当ててしっかり背筋を伸ばします。足裏は指先だけではなく、全体を床につけてください。この時に膝裏の角度が90度になっていれば正しい姿勢です。もしなっていない場合は座面の高さを調整する必要があります。

パソコンと向き合う際は顎を引いてください。モニターの角度は20~30度に調整します。ひじが90度になる位置がもっとも理想的なので、必要に応じて机とチェアの距離を調整しましょう。

正しい姿勢でのデスクワークは疲れにくく、集中力も持続しやすくなります。腰掛ける位置、膝やひじの角度など、普段から意識することが大切です。

クッションや座布団を利用

クッションや座布団を利用するのも一つの方法です。特に機能性クッションがおすすめ。長時間にわたる姿勢維持をサポートしてくれる心強いアイテムです。座面に直接腰掛けた時の座骨の痛みなども軽減できます。他にも、骨盤にかかる力を分散させるもの、通気性に富んでいるものなど様々な種類があるので、目的に応じて使い分けましょう。

クッションや座布団を使う場合は、その分だけ厚みが増すことになります。足裏全体が床につくように座面の高さの調整を忘れないでください。

定期的なストレッチ

ずっと座ったままでいると筋肉が緊張し、肩こりや腰痛の原因になります。デスクワークはどうしても運動不足になりがちなため、仕事が一段落したタイミングなどで定期的にストレッチを取り入れましょう。椅子に座ったままでできる簡単なものもたくさんあります。肩の上げ下げや首を回すだけでも筋肉の緊張がほぐれていくのを感じられるのでおすすめです。

パソコンを使うケースが多いデスクワークでは目も疲れがち。そんな時はツボを押すことで眼精疲労を軽減できます。こめかみのくぼみ部分、目頭の鼻の付け根の間のくぼみ部分など、頭痛やめまい、目の充血などに効果的とされるツボを知っておくと便利です。

おすすめの疲れないオフィスチェア

どういったオフィスチェアが評判なのでしょうか。ここでは、おすすめの疲れないオフィスチェアの種類を3つご紹介します。

エルゴノミクス設計のチェア

もっともおすすめは、人間工学に基づいて作られたエルゴノミクス設計のオフィスチェアです。人間工学とは、人がなるべく自然な状態で使用できるような設計をデザインに採り入れた学問のこと。背筋のカーブに合わせて背もたれがフィットするように作られたチェアなどが該当します。

エルゴノミクス設計のオフィスチェアには様々な機能が備わっており、長時間同じ姿勢が続いても疲れにくいのが大きなメリットといえるでしょう。肩や腰への負担も軽減できます。その分、料金が高めに設定されていることには注意が必要です。

ハイバックタイプのチェア

背もたれが肩の上ほどまであるハイバックタイプのオフィスチェアもおすすめです。背中全体を背もたれに預けられるため、特に首や肩にかかる負担を大きく減らせるでしょう。高機能のものも多く、長時間作業をする場合に向いています

ヘッドレストが付いたエクストラハイバックタイプも人気。上半身全体をゆったりと預けられるのが特徴で、リラックスしたい時にもぴったりです。

キャスターなしのチェア

安定した座り心地を求めるなら、キャスターなしのオフィスチェアがおすすめ。キャスター付きは椅子を動かす際に便利な反面、滑りが良すぎると足で支えなければなりません。これがかえってストレスになり、心身ともに疲れやすい状況を生み出してしまいます。

その点、キャスターなしであれば腰掛けている間に椅子が動くことがないので作業に集中しやすいでしょう。床が傷付きにくいことも大きなメリットです。

テレワーク時のチェア選び

テレワーク デスク

オフィスに出社した場合、同僚や上司と話すために立って移動する場面は意外と多いです。しかし、テレワークの場合はパソコンを通してコミュニケーションを取るため、基本的にはずっと座って作業を続けることになります。オフィスで仕事をするより疲れてしまったという方も多いのではないでしょうか。

そこで重要なのがチェア選びです。自宅で仕事をするからこそ健康を第一に考え、座り心地や疲れにくさにこだわったチェアを選びましょう。部屋の雰囲気とマッチするかも大切です。ここでは、テレワーク時におすすめのチェアをご紹介します。

テレワークでの疲れを防ぐチェアの特徴

テレワークで疲れにくいチェアを選ぶ際は、使用するデスクとの相性を考慮しましょう。デスクに対して椅子の座面の位置が高いと常に前かがみの状態で作業をすることになり、背中や腰を痛めてしまいかねません。逆に、座面の位置がデスクより低すぎるとパソコンを見上げて両腕も高く上げながら作業するため、腕や首に大きな負担がかかります。

もっとも作業しやすいのは、デスクの天板からチェアの座面までが25~30cm前後の高さです。座面の高さを調節できるチェアであれば、無理のない姿勢で作業を行えるでしょう。仕事へのモチベーションを上げるためにも、選んだチェアに愛着を持てるかどうかも非常に大切なポイントです。

小さなスペースでも使いやすいコンパクトなチェア

在宅勤務の場合、必ずしもオフィスのように広い空間を利用できるわけではありません。様々な事情で使用できる範囲が限られている場合も想定されます。小さなスペースで作業をするならコンパクトなチェアがおすすめです。

アームレストやヘッドレストのないシンプルなデザイン、圧迫感を軽減できるローバックタイプの椅子などが使いやすいでしょう。機能性に優れた折りたたみチェアを用意するのも一つの方法です。

腰痛対策におすすめのチェア

腰痛対策にはランバーサポート付きのチェアがおすすめです。人は通常、立っている時は背骨がS字型に緩やかにカーブしています。椅子に座った時も背骨のS字カーブを保つことで腰への負担が大幅に軽減できるほか、疲れにくくなるのも大きな特徴です。

ランバーサポートは、椅子に腰掛けた際の背中と背もたれの隙間にフィットするクッションの役割を果たします。正しい姿勢を維持するのにも役立つでしょう。

まとめ

サイズや素材、機能などはオフィスチェアの座り心地を大きく左右するといっても過言ではありません。エルゴノミクス設計のチェア、ハイバックタイプの椅子、キャスターなしなどを選ぶことで快適な作業環境を整えられるでしょう。長時間作業しても疲れないためには、クッションや座布団を使ったり、定期的にストレッチを採り入れたりすることも大切です。業務効率化に向けて疲れにくいオフィスチェアを選んでみてはいかがでしょうか。

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