家具に使われるアッシュ材の突板(つきいた)と無垢材の違いをご存じでしょうか。日本では「無垢材=高級」といったイメージを持たれている方も多いのですが、実は、必ずしもそうとは限りません。
この記事では、アッシュ材の突板と無垢材の違いについて解説します。それぞれのメリットやデメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

アッシュ材突板とは?

アッシュ材突板(つきいた)とは、アッシュ材という木材を使った製材のことです。アッシュ材と突板について詳しく解説します。

アッシュ材とは?

木材 木目

アッシュ材とは、主に北アメリカ東部に分布する「アメリカトネリコ」や「アメリカトネリコモクセイ」、「アメリカンホワイトアッシュ」などの広葉樹を指します。
日本で「家具の王様」と呼ばれるタモ材と似ており、家具店などで見かけることが多い人気の木材です。力強く美しい木目が特徴で、適度な堅さと弾力性に加え、高い耐久性を誇ります。
そのため、家具や建築資材のほか、テニスのラケットや野球のバット、ボートのオールなどのスポーツ用具、ギター、ビリヤードのキューなどによく使われています。

突板とは?

突板(つきいた)とは、一般的には製材した木を0.2~2mmにスライスしてシート状にし、合成素材からできた芯材にベニヤ板を貼り付けたものに、スライスしたシートを貼り付けたもののことです。
ほかの木材を使ってつくられた家具の表面に突板を貼り付けたものを「突板家具」と呼びます。本物の木材が使われているため、木目の美しさや木の風合いを楽しむことができます。ただし、あくまでもシートを貼り付けた状態なので、はがれる可能性はゼロではありません。
日本では無垢材よりもお求めやすい価格で本格的な木の風合いを楽しめる木材として広く普及しましたが、ヨーロッパでは17世紀頃から突板の技術が発達しており、多くのアンティーク家具にも使われているのが特徴です。
ヨーロッパでは機能性やデザインによって突板と無垢材が上手に使い分けられており、突板だからといって安価だということもありません。
イギリスでは1mm以上ある突板が多く、それより分厚い突板もたくさんあります。日本では2mm以上の厚みのものを無垢材とすることもあるため、海外の家具で「突板」と書いてあっても日本では無垢材と同じ厚みというケースも少なくありません。
突板をきれいに貼るには高い技術力が要求されることから、ヨーロッパの家具のなかには突板を使った高級家具も多くありますので、海外のアンティーク家具を選ぶ際には注意してください。

無垢材との違い

無垢材とは、切り出してきた木を何も加工せず、四角や板状に切った木材のことを指します。
無垢材は、木がまだ呼吸をしているため、乾燥などによる反りやひび割れが起こりやすいのが特徴です。形が変わると困るチェストの側板や天板、機器が熱を持ちやすいテレビボードなどには、無垢材ではなく突板がよく使われます。
木そのものなので突板より厚みがあり、使われている体積が大きいぶん、一般的に価格は突板より高くなる傾向にあります。逆に突板はシート状の木材を貼り付けているので、無垢材に比べると重量が軽いのが特徴です。

メリットとデメリット

メリットデメリット 人形

アッシュ材の特徴と、アッシュ材を使った突板家具・無垢材家具のメリットとデメリットをご紹介します。

アッシュ材の特徴

アッシュ材の特徴は、程よい堅さがあることです。また、弾力性も備えているため、野球のバットなど強い衝撃が加わるものにも向いており、多くのスポーツ用品に使われている木材です。ずっしりとした重量感もあり、耐久性も高いという特徴もあります。
堅さと弾力、粘性のバランスが良いため加工しやすく、突板のほか、曲線を描くようなしなやかな形に変形させるのも得意です。
白っぽい色味のものが多く、和風、洋風問わずさまざまなテイストになじみやすい点も人気の理由の一つです。木目がはっきりとしているので迫力ある仕上がりになり、ニスなどで塗装をするとツヤが出てまた違った風合いが楽しめます。

アッシュ材の突板家具のメリット

木目が美しく、和室にもナチュラルインテリアの部屋にも向いているアッシュ材を、突板家具ならリーズナブルに手に入れやすいという点がメリットです。
突板は耐久性があるため使う場所を選びにくく、さまざまな用途の家具を見つけやすいというメリットもあります。また、重量が軽いので、取り扱いがしやすく便利です。

アッシュ材の突板家具のデメリット

突板はシート状の木材を貼り付けているので、無垢材に比べると強度がやや劣るのがデメリットです。
突板の表面は非常に薄く、傷が付くと下のベニヤ板などが見えてしまうため、傷が付きやすい場所での使用はおすすめできません。

アッシュ材の無垢材家具のメリット

アッシュ材の無垢材は重厚感があり強度も高いので、寿命が長いというメリットがあります。
表面の傷が気になる場合は薄く削って加工することもできるため、店舗用のテーブルの天板など、使用頻度が高く耐久性が求められる場所での使用に向いています。
無垢材は使えば使うほど木の風合いが変わる「経年劣化」が楽しめますが、アッシュ材は逆に長く使ってもほとんど風合いが変わらない点がメリットです。

アッシュ材の無垢材家具のデメリット

アッシュ材の無垢材は価格が高く、重量もあることがデメリットです。
また、木が生きている状態なので反ってしまったりヒビが入ったりすることもあり、使う場所を選びます。また、堅さがあるため細かな彫刻などの飾りを施すのは難しく、シンプルなデザインが多い傾向です。
無垢材のメリットとしてよく挙げられる経年劣化はほぼなく、風合いの変化はほとんど楽しめません。

アッシュ材の種類

アッシュ材にはたくさんの種類がありますが、ここでは「ホワイトアッシュ」「スワンプアッシュ」「ブラックアッシュ」についてご紹介します。

ホワイトアッシュ

白を基調としたホワイトアッシュは、どのような空間にもなじみやすく、高級感のある仕上がりになることが特徴です。
タモ材よりも安価で手に入りやすいため、家具のほか、スポーツ用品やギターなどさまざまなものに加工されています。色が映えやすいので、着色をするのにも向いています。

スワンプアッシュ

スワンプアッシュは「ライトアッシュ」と呼ばれることもあります。ホワイトアッシュよりも重量が軽く、乾燥しやすいため、より加工がしやすいという特徴があります。

ブラックアッシュ

ブラックアッシュは「ブラウンアッシュ」と呼ばれることもあります。タモ材に似たやや褐色がある色味で、素材の堅さとはっきりした木目が特徴です。

アッシュ材の突板と無垢材の違いについて解説まとめ

強度が高く、スポーツ用品などに使われることが多いアッシュ材は、家具にも使いやすい非常に人気のある木材です。白を基調とした和にも洋にも合いやすいシンプルなテイストの材質で、木目の美しさが感じられる家具が少なくありません。アッシュ材は堅さがあるため、シート状に薄く加工して貼り付ける突板家具にも多く使われています。突板家具は無垢材家具に比べると安価で、重量が軽く取り扱いがしやすいのも特徴です。表面には本物の木材が使われているので、アッシュ材の木目を楽しめるでしょう。
突板家具は無垢材家具に比べると耐久性はやや落ちるため、使用する場所に合わせて選ぶことをおすすめします。

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