椅子に座る際、腰の痛みが気になるという人は一度自分の姿勢を見直すことをおすすめします。座り方には正しい姿勢があり、姿勢が悪いと腰痛や肩こりなどの様々な不調を引き起こす原因となるリスクがあるの注意が必要です。この記事では、椅子の正しい姿勢と座り方や座り方のサポートアイテムと習慣化の方法を紹介します。

なぜ正しい姿勢が必要なのか?

椅子に正しい姿勢で座ることは、見た目だけではなく身体の健康維持に重要な要素です。なぜ、正しい姿勢が必要なのか、詳しく解説します。

デスクワークと身体の負担

長時間椅子に座って作業を行うデスクワークでは、自分の体重を背骨と骨盤が支えている状態になります。つまり、姿勢が悪いと身体や骨の一部に負荷が偏ってしまい歪みが発生する原因になりやすいのです。

姿勢が悪いと体重を分散させることができず一部に負荷を集めてしまい、骨や骨周りの筋肉や血管などを圧迫させ、身体の不調を引き起こしてしまう恐れがあります。人体の構造上、人は長時間座れるような造りをしていません。座るときは正しい姿勢を維持し身体に負担がかからないように体重をバランス良く支える必要があります。

腰痛や肩こりの原因

背骨は正常時にS字のカーブを描くような形をしており、この曲線が頭や身体の重みを支えるクッションの役割をしています。姿勢が悪いとS字が崩れてクッションの役割を果たせず、背骨や骨周りの筋肉に大きな負担をかける原因となりかねません。

姿勢が悪い座り方は分散されるはずの圧力が一部に集中し、骨や筋肉、神経を圧迫して痛みを引き起こしたり血流を悪くしてしまったりするケースがあります。血流が悪くなると血管内には老廃物が溜まり、溜まった老廃物が血管を圧迫することで肩こりなどの症状を引き起こすのです。

正しい姿勢で座ることは、健康維持のための大切な予防行為だと言えるでしょう。

健康と生産性の向上

正しい姿勢を保つことで身体が疲れにくくなり、仕事の生産性を高められます。姿勢の悪い状態でのデスクワークは集中力や作業効率の低下を招き、時間が長くなるほど身体の不調を訴えるオフィスワーカーが少なくありません。正しい姿勢で身体への負荷を少なくし、仕事効率を上げることで心身共に健康維持が可能です。

椅子での正しい姿勢とは?

正しい姿勢

椅子の正しい姿勢とは、突き詰めると身体に優しい姿勢です。正しい姿勢の方法とコツを解説します。

骨盤を正しく立てる方法

正しい姿勢の基本形が、骨盤を立てて座ることです。骨盤を立てるというのは、骨盤の位置が正常である状態を指します。つまり、正面から見て骨盤が左右水平の状態を保つことです。

骨盤を水平に保つには、肩や膝も同様に揃える必要があります。この状態で座ると骨盤は立った状態となり、正しい姿勢での座り方と言えるでしょう。骨盤を正しく立てる座り方とは、背筋をピンと伸ばして肩や膝を水平に保った状態を指します。

猫背を防ぐ座り方のコツ

猫背は前傾姿勢で背中が丸まっている姿勢を指し、背骨の湾曲が後方に反り返っている状態です。背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識することで猫背は防げます。

椅子に座る際はお尻を深く腰かけ、顎を引いて背筋を伸ばしましょう。肩の力を抜き、リラックスした状態を保つことが猫背を防ぐ座り方のコツです。骨盤を立てる正しい座り方を意識すれば、自然に背筋を真っすぐに伸ばした状態を保てます。

デスクワークの際に肩が内側に入り込み、前かがみの状態で猫背になってしまっている方は少なくありません。猫背が習慣化すると背骨や骨盤が歪み背筋を伸ばした姿勢を保つのが困難になるので、座る際には常に背筋を伸ばすイメージをしてください。

腰のサポートと背もたれの利用

椅子に座る際、クッションを置いて腰周りをサポートしたり背もたれを利用したりするのも効果的です。クッションは腰やお尻への圧力を吸収し、負担を和らげて座るのをサポートしてくれますし、背もたれは正しい姿勢で座るために身体を支えてくれます。

背もたれは寄りかかるためのものではなく、本来は上半身を支えて姿勢を正して安定化させるのが役割です。腰のサポートするアイテムや背もたれを活用することで、姿勢を正しながら腰痛予防を実現できます。

座り方をサポートするアイテムとその効果

腰痛を予防するためには、座り方をサポートするアイテムを活用するのがおすすめです。座り方をサポートするアイテムとその効果について、詳しく解説します。

姿勢矯正クッションのメリット

クッションは背中や腰の負担を和らげるだけではなく、姿勢を矯正するための補助を行うものがあります例えば、姿勢矯正クッションは姿勢の歪みを矯正し、背骨と腰を優しく保護してくれるアイテムです。座る時間が長くなると姿勢は崩れやすくなりますが、姿勢矯正クッションを使用中は身体に負担をかけずに正しい姿勢を保てます。

柔らかい素材を使用しているので、本来の背骨や腰を保護するクッションとしての役割を持っています。正しい姿勢を保ちながら柔らかいクッションが身体への負担を軽減してくれるので、長時間のデスクワークに有効です。

骨盤サポート用のアイテム

正しい姿勢を保ちながら腰痛予防に有効的なのが、骨盤サポート用のアイテムです。骨盤サポート用アイテムは、骨盤を正しく立てるサポートをする役割があります。無意識に姿勢が悪くなる人や、腰に痛みを抱えている人におすすめです。

骨盤サポート用アイテムには、腰痛対策骨盤矯正の2種類があります。形状も座布団方や背もたれ付きなど様々なものがあり、使用している素材も異なるので悩みやシチュエーションに合わせて選ぶのが重要です。注意点として、クッションなどを使った骨盤矯正は矯正治療のような物理的な効果はありません。座る際の姿勢をサポートしながら、骨盤の歪みを整えて正しい姿勢に矯正するのが主な役割です。

骨盤サポート用アイテムは、慢性的な腰痛や産後で骨盤の歪みを整えることを目的としています。腰回りのトラブルでお悩みの方は、ぜひ活用してみてください。

デスクワーク専用の椅子の選び方

デスクワークは長時間椅子に座ることが多いため、できるだけ腰や背中などに負担のかかりにくい椅子を選ぶのがポイントです。重要なのは「正しい姿勢で座ること」なので、安定感の高い椅子を選びましょう。

長時間のデスクワークで腰痛や肩こりが起きる場合は、座る姿勢以外にも椅子のサイズや素材が合っていない可能性があります。椅子は座る人の体格によって使用感が異なるので、1つの椅子を複数人で使用する場合は機能性やサイズなども考慮してください。椅子の高さや座面の奥行、肘掛けの位置やリクライニングの調節機能があるとベストです。椅子に使用する素材は、身体の表面を包み込むように優しくカバーするクッション性が高いものをおすすめします。

クッションの役割を果たす素材は、柔らかすぎると身体が沈み込んで姿勢が安定しないことがあるので注意してください。デスクワークで使用する椅子のクッションは、身体が沈み込み過ぎずに姿勢を安定させ、腰や背中をサポートする高反発素材が良いでしょう。

日常での姿勢維持のための習慣

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普段から正しい姿勢ができるようになれば、座ったときの見た目だけでなく健康維持にも繋がります。日常生活で、正しい姿勢を習慣化させる方法について見ていきましょう。

デスクワーク中のストレッチ方法

長時間のデスクワークでは、腰や肩、首に疲労が溜まりやすくなります。そういった状況では、適度に身体を動かして痛みやこりをほぐすのが効果的です。

座り続けることで疲労が溜まりやすい状態になっているので、椅子から立ち上がって背筋を伸ばしましょう。長時間座り続けたことで、硬直した筋肉をほぐします。立った状態で背筋を伸ばし、上半身を安定させた状態で両腕を真上に伸ばします。伸ばす際と下ろすときに左右の指をそれぞれの肩に合わせ、肘の屈伸運動を合わせると効果的です。肩や肘の関節を左右それぞれ逆方向に回転させ、様々なストレッチを組み合わせることをおすすめします。

首がこる場合、背筋を伸ばした状態で首筋を左右に伸ばしましょう。頭を抱えて首筋だけを前後に伸ばすなど、ストレッチをくり返してデスクワークの疲労をリセットしてください。

骨盤を立てる座り方の習慣化

骨盤を立てて座る習慣化は、座る際に頭の中で骨盤を立たせるイメージをすることが重要です。しっかりと背筋を伸ばし、骨盤を立てて座ることを身体が覚える必要があります。意識して骨盤を立てて座ることが習慣化すれば、徐々に身体は骨盤の立て方を覚えていくはずです。

日常生活での習慣化は、何事も意識ながら繰り返すことが重要です。頭で骨盤を立てるイメージができるようになれば、身体は自然に負担のかからない正しい姿勢を覚えます。

姿勢チェックと修正の習慣

座り方の姿勢が崩れてしまう人は、時々自分の姿勢をチェックして正しい姿勢に修正する習慣をつけてみましょう。自分では正しい姿勢ができているつもりでも、無意識のうちに姿勢が崩れてしまう人は少なくありません。

まず、自分の座り方に癖がないかをチェックしていきましょう。肘をついたり脚を組んだり、背もたれに寄りかかりすぎたりするなど思い当たる点があれば、意識して姿勢を整えてください。座った状態を鏡で横から映し、背中の状態も合わせて確認するのがおすすめです。重心がズレている場合、偏った姿勢になっているので修正する必要があります。

ほかにも、壁に背をつけて座る姿勢チェックの方法があります。背から頭・肩・お尻を壁につけていき、腰以外の場所が壁についていなければ姿勢が悪い状態です。すべて壁についたら腰に手を入れ、開いた状態の手が隙間に収まれば正しい姿勢ができています。

姿勢チェックは自宅やオフィスでも簡単にできるので、自分の座り方を時々見直しながら正しい姿勢を意識してください。

まとめ

正しい姿勢で座ることは、毎日の健康維持という点でも非常に重要な要素です。姿勢が悪いと体の軸が歪み、骨や筋肉、神経に大きな負担をかけてしまい、腰痛や肩こりなどの不調を引き起こす原因になりかねません。

正しく座る基本の形は、骨盤を立てて座ることです。座るときは骨盤を左右均等に水平状態を保ち、しっかりと背筋を伸ばすことで身体にかかる圧力を軽減させることができます。腰痛や肩こりにお悩みの方は、椅子の正しい姿勢と座り方の見直しと習慣化がおすすめです。

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