家具や建材に用いられる素材には、ウォールナットという木材があります。ウォールナット材は手触りや見た目の上品さから、さまざまな用途で重用される高級素材。上質なウォールナットは色みがとても魅力的で、塗料色の名称にも使われるほど人気の高い高級品です。この記事では、ウォールナット木材の基本知識から、価格帯や入手方法などを解説します。
ウォールナットの基本的な知識
ウォールナットは、高級品として人気の高い木材です。ここでは、ウォールナットがどのようなものかを基本的な知識とともに解説します。
ウォールナットとは?
ウォールナットとは、クルミ科の落葉広葉樹に分類されるクルミの木の総称です。チークやマホガニーと並び、世界三大銘木に数えられる高級木材になります。木材にはクルミ材と呼ばれる素材があり、ウォールナットとの違いは産出国です。
ウォールナットは正式にはブラックウォールナットと呼ばれており、アメリカやカナダで採取される北米原産のものを通称で「ウォールナット」と呼んでいます。対してクルミ材は、日本や中国などのそれ以外の地域で採取されたものです。
ウォールナットの特性とは?
ウォールナット材は耐久性に優れ、密度が高くて傷や衝撃に強いとされています。天然由来のツヤ素材の重厚感から、見た目にも美しく工芸品や美術品としても価値が高いです。黒味が深くツヤのある木材は、心材と辺材で色味が異なるという性質があります。
木の断面は空気に触れると鮮やかで深みのある紫に変色し、独特で魅力的な色合いを生み出すのが特徴です。ウォールナットは丈夫な素材であるため乾燥や湿気に強く、家具や調度品への加工性の高さを持ち合わせています。また、経年によって味わい深さのある雰囲気へと変化するので、エイジングを楽しめる魅力にあふれた木材です。
ウォールナットの木材とその用途
ウォールナットは丈夫で見た目の美しさや加工性の高さから、家具やし好品、建材まで幅広く用いられています。特にアンティーク家具としての需要は中世の時代からとされ、王侯貴族の間で重宝されるほどです。
また、バイオリンやウィンチェスターライフルのグリップ部分に使われるなど、楽器や銃から喫煙パイプにまでウォールナットは用いられています。このようにウォールナットは見た目の美しさと優れた性質から、現代でも多彩な用途で世界中から愛される高級木材なのです。
ウォールナットの色彩とその違い
深みがあり、魅惑的な色彩が人気のウォールナット。さまざまな色で表現されるウォールナットの色彩と違いについて解説します。
ウォールナットのブラウンとダークブラウンの違い
ウォールナットはその独特の色彩から、色の名称として用いられるケースがあります。木材としてのウォールナットは、ブラックウォールナットの正式名をあらわす黒みがかった茶褐色の色合いです。色彩の名称でのウォールナットは、黒茶褐色や赤紫色などを指すケースが少なくありません。
茶褐色や赤紫色などのさまざまな色で表現されるウォールナットの色彩は、自然のグラデーションから生み出される複雑なものです。また、絵の具やペンキなどのウォールナットはメーカーによって定義や色味が異なります。解釈によって表現の捉え方が違うだけで、色で分ける場合の明確な基準は特にありません。
ウォールナット色の特徴と相性の良い色
ウォールナットは深みのある濃い黒調の色味なので、暖色・寒色を問わずどの系統の色とも合うのが特徴のひとつです。落ち着きのあるウォールナットの色は、コンセプトに合わせて多様な組み合わせができます。
ウォールナットは濃い茶色や灰色とも相性が良く、落ち着いた雰囲気の統一感を出すのに効果的です。黒系一色は雰囲気が重たくなり、暗いと感じる方もいるかもしれません。その場合、白を中心としたカラーリングのなかにウォールナットを差し込むことで、メリハリが生まれて高級感をより引きだせます。
色のバリエーションによるウォールナットの選び方
ウォールナットは、濃く深みのある色調がシックな大人の雰囲気を引き出すのに最適な木材です。白色系と組み合わせて差し色にすることで、空間イメージのバランサーにもなります。まず、コンセプトを決めてから選ぶのがおすすめです。
ベージュなどの白色系なら、ウォールナットの重厚な色調がヴィンテージ感を引き立たせます。赤などの原色系と組み合わせれば、暖かみのあるカジュアルな雰囲気を演出することが可能です。ウォールナットはどの色とも合う高い万能性があるので、コンセプトに合わせた自由な選び方ができます。
ウォールナット木材の価格と購入先
ウォールナット木材の価格相場と購入先をご紹介します。DIYなどでウォールナットを用いたハンドメイドを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ウォールナット木材の価格帯
ウォールナット木材の価格帯は、約47,000~48,000円 が相場だとされています。これは無垢材の標準的な寸法である6尺(約182cm)に対しての価格帯で、長さや厚みによって変動するものです。ウォールナットといっても、合板をウォールナット色に染めたものがあります。
純粋にウォールナットだけを使ったものは端材でも数千円ほどかかり、天然木だと10万円を超えるなど高級木材として価格帯は高くなるでしょう。ウォールナットは一枚板が流通しやすいことから、ほかの無垢材より価格の変動が少ないとされています。一枚板のテーブルは人気が高く、流通価格は約20万円 ほどが一般的です。
ウォールナット木材のホームセンターでの購入
ウォールナット木材は、ホームセンターで流通することはあまりありません。取り扱っている店舗はサイズが小さく、DIY用に購入しようとしても目的に合ったものが手に入るとは限らないでしょう。
基本的にホームセンターでウォールナットの一枚板を手に入れるのは困難で、10数cm程度の木材がメインとなります。価格帯は約6~7,000円が相場となり、サイズの価格で見たら割高です。
ウォールナット木材のオンライン販売店
ウォールナット木材はインターネット通販が入手しやすく、オンライン販売店だとほぼ相場通りの価格で購入することが可能です。楽天などのECサイトでも取り扱われており、木材専門店の直販なら好みのサイズにオーダーメイドができます。
手厚いサポートを受けられるなどのメリット多く、店舗に直接行く必要もないので購入はオンライン販売店がおすすめです。
ウォールナットを用いたオフィス環境の整備
ウォールナットは高級木材として人気が高く、シックな色合いはオフィスの雰囲気にぴったりです。ここでは、ウォールナットを用いたオフィス環境の整備について解説します。
ウォールナット家具とその魅力
ウォールナットは深みのある黒茶系の色合いが、周囲に落ち着いた雰囲気を引き出します。格調の高いウォールナット家具をオフィスに取り入れることで、エグゼクティブな印象を演出するのに最適です。
中世より丈夫でデザイン性の高いウォールナットは王族や貴族に人気が高く、アンティーク家具として重宝されていました。格調高く上質なウォールナットは、オフィスの雰囲気を引き締め高級感を演出してくれるでしょう。
ウォールナットを活用したオフィスデザインの例
オフィスのコンセプトによってウォールナットはさまざまなデザインに活用されています。ウォールナットの重厚感がある深い色合いは、オフィスに厳格なイメージを演出するのに最適です。エントランスのドアやオフィスの家具など、ウォールナットで統一したシンプルなデザインを採用している企業も多く見受けられます。
たとえばフローリングにウォールナットを取り入れ、オフィス家具をウォールナットで統一することで、引き締まった落ち着きある空間に。白色系を取り入れることで華やかさを際立たせるなど多種多様。また、ウォールナットを格子状に並べ、スタイリッシュな仕切りとして活用するのも人気のデザインです。
リモートワーク時代のオフィス環境整備のポイント
仕事の場所を自由に選べるリモートワークは、業務への集中とモチベーションの維持が肝要です。業務や働き方に合わせたワークスペースを構築することは、生産性と効率性向上には不可欠な要素となります。
リモートワークは働き方の自由度が高い一方、管理の難しさやコミュニケーション不足などが問題点として企業が抱える課題です。オフィス環境の改善によって心身への負担を緩和させ、仕事に向ける意欲を維持させる働きやすい環境作りがポイントになります。
ウォールナット木材についてまとめ
ウォールナット木材は上品な見た目と丈夫で耐久性に優れた素材から、中世から現代にいたるまで重宝されている優秀な木材です。格調高い木材として幅広く活用され、周囲にラグジュアリーな印象を与えてくれます。
ウォールナット木材はデザイン性が高く、どの色とも組み合わせられる万能の色彩が特徴のひとつです。自室やオフィスへのウォールナット家具の導入は、空間づくりの環境整備におすすめします。積極的にウォールナット木材を生活に取り入れ、魅力的な色彩を楽しんでください。