リモートワークの普及に伴い、事務所を縮小する企業が増えてきました。小さい事務所はコストの削減に繋がる他、従業員同士の円滑なコミュニケーションを可能にします。業務効率を上げるためにも、レイアウトやデザインを工夫したいところです。この記事では、小規模オフィスを広くおしゃれに見せるための秘訣とコツをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

小さい事務所の特徴とその魅力

小さい事務所に明確な定義はないものの、従業員数が10名程度までのオフィスをイメージする方が多いのではないでしょうか。小規模オフィスは賃料を抑えられる他、人数が少ない分だけ家具や備品などにかけるコストも削減できるのが大きな特徴です。

また、従業員同士のコミュニケーションが取りやすくなるのも小さい事務所ならではの魅力。物理的距離が縮まり、自然と報告・相談・連絡をしやすい環境が生まれます。互いの顔を見ながら業務が進められるため、チーム力の強化にも繋げられるでしょう。

リモートワーク時代の小規模オフィスの位置付け

日本でも急速にリモートワークが普及し始めたことに伴い、オフィスを縮小する動きも出てきました。その中で小規模オフィスは従業員同士の貴重なコミュニケーションの場として、また従業員が会社との一体感を持てる場として位置付けられています。

また、様々な事情でリモートワークが難しい従業員のために、小規模オフィスは「働く場所」の選択肢の一つとしても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

小さい事務所のメリットと活用法

事務所が小さいことの主なメリットは3つあります。1つ目は、やはりコストを削減できる点です。出社する従業員が少ないため、家具やOA機器、備品なども多くを用意する必要がありません。

2つ目は、利用者が声を上げやすい点です。人数が少ない分、どんな事務所にしたいか、何が必要かなど一人ひとりの意見が通りやすくなります。より良いオフィス作りに役立てられるでしょう。

3つ目は、内装に統一感を持たせられる点です。空間が限られているからこそ、フロア全体のバランスを意識した家具や機器の選定ができます。

小規模ながらも心地よいオフィス環境の作り方

小規模ながらも心地よいオフィス環境を作るためには、まずコンセプトを明確にすることが大切です。フロアの明るさや雰囲気、色の系統など、どんなオフィスにしたいかしっかり決めてください。

その上で、コンセプトに合った家具や機器を取り揃えます。置く場所によっては圧迫感や窮屈な印象を与えてしまうため、配置に注意してください。

また、小規模オフィスは小さな音も響きやすいので、集中するための専用ブースを設けるなどの配慮も必要です。

小さい事務所のオフィスレイアウトと内装の要点

コワーキングスペース 女性

 小さい事務所でオフィスレイアウトと内装を考える際の要点を解説します。

ワークスペースの配置:必要なスペースを確保しつつ効率的な配置を

小規模オフィスのレイアウトと内装は限られた空間をいかに有効活用するかがカギです。ワークスペースはもちろんのこと、ミーティングルーム、休憩室、収納部分など、オフィスに必要なスペースをまずは確保しましょう。ストレスのもとになってしまうため、スペース配分を間違えないように注意してください。

次に、それぞれのスペースをどこに配置するかを検討します。従業員の動線や使い勝手を考慮しつつ、効率的に業務を行えるよう配置しましょう。

各スペースの理想的な配分とは?

各スペースには理想的な配分があります。小規模オフィスの場合、メインで利用するワークスペースは全体の60~70%が理想的です。

他、ミーティングルームや打ち合わせブースなどの共有スペースは15%、役員室や休憩室を設ける場合は10%、情報管理用スペースは10%、収納部分は3%、通路部分は2%の割合が理想的とされています。

小規模オフィスレイアウト事例の紹介

小規模オフィスレイアウトの事例を2つ紹介します。1つ目は天井にグリーンを配置した例です。適度にグリーンを置きたいと考えつつも、鉢植えだと転倒などの恐れがあるため、天井スペースを有効利用することでこの問題を解決しました。ワークスペースでリラックス空間も演出している成功例と言えるでしょう。

2つ目は、一つの空間に複数のスペースを配置した例です。室内中央や端にフリーアドレス席、窓際にカウンター席、隅にミーティング用のソファー席、その隣にリフレッシュスペースといったように、一つの空間に様々な席を設けました。これらの席は特に壁などで区切られていないため、明るく開放感のあるオフィスを実現しています。

小さい事務所を広くおしゃれに見せるためのデザインのコツ

窮屈な印象を与えがちな小さい事務所は、レイアウトを少し工夫するだけで雰囲気を変えることが可能です。ここでは小規模オフィスを広くおしゃれに見せるためのデザインのコツをご紹介します。

視線を遮らない家具選びの重要性

小規模オフィスを広々とした空間に見せるために重要なのは視線を遮らない家具選びです。小さい事務所で高さのある家具を置くと空間が圧迫されたように感じられ、従業員にストレスを与えてしまいかねません。目の高さ(身長×0.9)よりも低い家具を選ぶか、ガラスなど透明なパーティションを設置すると良いでしょう。

収納キャビネットについても、座った時に視線を遮らない程度の高さのものがおすすめです。パーティションと収納を兼ね備えた家具もあるので上手に使いましょう。

複数の機能を設ける空間設計

限られた面積を有効活用するカギは、複数の機能を一つのスペースにまとめる空間設計です。たとえば、ワークスペースと応接室、ミーティングルームとリフレッシュスペースといったように、複数の用途を兼ねて使えるエリアを設けておくと場所の節約ができます。

また、従業員の固定席を敢えて作らないフリーアドレス席の導入も効果的です。個人のワークスペースとしてはもちろんのこと、ミーティング席としても役立ちます。空間を仕切りたい場合は可動式のデスクトップパネルなどを使うのが便利です。

配色の意識的な選択とその効果

内装や家具の配色も意識的に選択しましょう。一般的にはホワイト、アイボリー、ベージュなど明度の高い色を使うと広々とした空間に見せられます。また、薄い寒色系カラーも開放感のある空間の演出が可能です。

床や低めの家具などにアクセントカラーとして濃い色を入れるのもおすすめ。場にメリハリが生まれ、小規模オフィスでも奥行きを感じられます。

壁紙も、明るめカラーかつ無地のものを選ぶと広く見えます。どうしても柄を入れたい場合は縦縞が強調された壁紙にすると天井が高く見え、広さを感じられる空間になるでしょう。

小さい事務所のレイアウト改善ポイント

ミーティングをする社員

リモートワーク時代の到来により事務所の縮小を検討している企業も多いのではないでしょうか。小さい事務所を広くおしゃれに見せるために、レイアウトの改善ポイントを解説します。

10人以下のチームのためのレイアウトのコツ

10人以下のチームの場合、一人ひとり好みは異なるので万人受けするデザインや色調のオフィス環境を作るのがおすすめです。たとえば、木目調やホワイトを基調とした空間はあたたかみに溢れており、落ち着いた雰囲気でよく好まれます。グリーンやアートなども適度に飾ると、よりおしゃれな空間に仕上がるでしょう。

また、個人のプライバシー確保や収納スペースも必要です。パーティションと収納が同時にできる棚を設置するなど、機能性に優れた家具を活用してください。

2人オフィスレイアウトの考察

2人用のオフィスレイアウトを考える場合、家具類は基本的に壁際に配置します。ガチャガチャして見えないよう、置く家具は厳選しましょう。たとえば、応接と休憩を同じスペースでできるようにするなど、一つの家具を別の目的で共有する方法がおすすめです。

従業員が2人であれば互いの好みを反映したオフィス作りもできます。ただし、あまりにも個性が強い空間は来客があった際にかえって落ち着かなくなってしまうため、やりすぎには注意が必要です。

オフィスレイアウトの最新トレンドとは

リモートワークが普及している今、オフィスレイアウトのトレンドが変わりつつあります。最新の状況を調査すると、企業の個性を表現したインパクトのあるオフィス従業員同士のコミュニケーションがスムーズに取れるオフィスが人気を得ているようです。

防音ブースを設けるなど、仕事に集中できるよう工夫しているオフィスも注目を集めています。また、環境やジェンダーへの意識が高まっていることから、SDGsに配慮したオフィスも非常に話題です。

小さい事務所をおしゃれに見せるコツについてまとめ

小さい事務所はレイアウトやデザイン次第で広くおしゃれに見せられます。まずはオフィスのコンセプトを明確にし、その内容に合う家具や機器を取り揃えましょう。

視線を遮らない高さの家具を配置する、一つのスペースを複数の用途で使えるようにする、明るめカラーや寒色系を取り入れるといった工夫を凝らすことで開放感のあるおしゃれな空間に仕上がります。従業員の業務効率をアップさせるためにも、快適で居心地の良いオフィス作りを目指してみてはいかがでしょうか。

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