オフィスの引越しや模様替えをするときに考えなくてはならないのが「デスクレイアウト」です。デスクの配置によって、仕事のスピード感や作業効率が上がるだけでなく、スタッフのストレス緩和にもつながります。この記事では、デスクレイアウトを考える大切さや考える際の基準、良いレイアウトの例などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
デスクレイアウトはなぜ大切か?
毎日多くの人が利用するオフィスでは、仕事の効率化をはかり、ストレスなく仕事ができる環境作りが重要です。デスクレイアウトをきちんと考えていないオフィスでは、他のスタッフとのやりとりがしにくかったり、スタッフの導線が考えられておらず人の行き来が難しかったりします。
いいレイアウトがもたらす仕事のスピード
きちんと考えられたデスクレイアウトで仕事をすることで、資料の受け渡しがスムーズだったり、スタッフ同士のコミュニケーションが取りやすかったりと、仕事の効率化にもつながります。効率的に仕事ができるようになると生産性もあがって会社の利益にも直結してくるでしょう。デスクレイアウトはそれくらい重要なのです。
デスクレイアウトの考え方
デスクレイアウトはオフィスで働く人数、オフィスの広さ、使用用途などによって考える必要があります。デスクを配置する際にはスタッフ1人あたりの面積を考えて、作業をするのに十分なスペースを確保しなければなりません。
また、スタッフが動き回れる動線も確保しながら、デスクの設置によって電話線やLANケーブルの配線の妨げになっていないかなども考慮する必要があります。
レイアウト図、どう見る?
デスクレイアウトを考える際にはオフィスのレイアウト図を作成しましょう。オフィス内のどのスペースにデスクを配置するのか、デスクはいくつ必要か、配線はどこを通るのか、スタッフの導線が確保できているかなど、さまざまな項目をチェックしてレイアウト図を完成させましょう。
スタッフの数で変わる、デスクの配置
オフィスのデスクレイアウトはスタッフの人数によって配置を考えなければなりません。具体的な考え方は以下の通りです。
15人、20人、50人オフィスのレイアウトの違い
一般的に、スタッフ一人当たりのスペースの目安は3坪ほどと言われています。15~20人ほどのスタッフ数であれば、デスク同士を向かい合わせに配置した対向型レイアウトや一人ひとりのデスクにパーテーションを設置して作業ブースを確保するブース型レイアウトなどがおすすめです。
50人以上のスタッフ数であればその分広いスペースが必要となるため、隣の列との間にパーテーションを設置し、一列ごとに逆向きにデスクを配置するクラスター型レイアウトや、学校の教室のようにデスクが全て同じ方向を向いている同向型レイアウトなどがおすすめのレイアウトです。
スペースと人数、どうバランス取る?
デスクレイアウトを決める際には、オフィスの広さとスタッフ数の両方を考慮する必要があります。狭いスペースに多くのスタッフを詰め込むことは、仕事の生産性低下にもつながるためおすすめできません。オフィスがあまり広くない場合、スタッフ一人当たり3坪の個人スペースを確保しつつ、テレワークを取り入れて人数を調整するなど、工夫しながらデスクレイアウトを組むと良いでしょう。
スペースと寸法の最適化、そのポイント
オフィスの広さや働く人数に合わせたデスクの大きさには基本の寸法があり、それを考慮してデスクレイアウトを組まなければスタッフ同士の距離が近過ぎたり、導線が確保できずに生産性を低下させたりすることにつながりかねません。
デスクとチェアのサイズと配置のコツ
一般的なデスクのサイズは横幅が100~160cm、奥行きが60~80cm程度です。スタッフ一人当たりのスペースは「オフィスの面積÷スタッフ数」で計算しますが、前述したようにフタッフ一人当たり3坪の作業スペースが必要なため、オフィスのスペースに合わせてデスクの大きさを考えなければなりません。
またデスクとチェアはセットで考えなければならないため、デスクの大きさによってどのサイズのチェアを置くべきかを決定します。実際にデスクとチェアを配置する際には、導線が確保できていて作業効率を低下させないレイアウトになっているかを確認しましょう。
通路幅の設定、法令遵守に注意
デスクとデスクの距離について、背中合わせでデスクを配置した際には150~180cmほど、通路を挟んだ隣のデスクとの距離は60~90cmほどを目安にしましょう。デスクの背面に壁がある場合、壁との距離は120cmを割らないようにしてください。
また、オフィスの通路幅の基準は消防法で120cm以上と定められています。これは人がすれ違うことができる最低の通路幅となっていますので、必ず守らなければなりません。
会議室のレイアウトはどうすべき?
商談やミーティングなど、さまざまな用途で使用する会議室。それぞれの使用用途に合わせたレイアウトを考える必要があります。
例えば、商談や契約などの使用であれば、参加者全員の顔を見ながら進められる、テーブルを挟んで向かい合う対面形式がおすすめです。また、プレゼンなどの発表を行う場合は「コの字型形式」でテーブルを並べると、プロジェクターやホワイトボードを見ながら意見交換しやすい環境となります。
セミナーや説明会で使用する場合は学校の教室のようにデスクを並べる「スクール形式」や、テーブルをなくして椅子だけ並べる「シアター形式」がおすすめです。
レイアウトの新しいアイデア
最近ではテレワークも進み、オフィスを縮小したり、働き方の自由度も変わってきました。狭い空間であっても作業スペースを確保し、作業効率を下げないレイアウトを考える必要があります。
個人事務所のおしゃれなレイアウト例
個人事務所ではデスクを置くスペースが限られているため、限られたスペースにどう配置するか考えなければなりません。狭いスペースであっても一人当たり3坪目安の作業スペースを確保するには、デスクのレイアウトに工夫が必要です。
たとえば、社員が自由に作業場所を選べて固定の席がないフリーアドレス式のレイアウトだと、見た目のスタイリッシュさもキープしながら、省スペースも叶えられます。
席配置でストレスを減らす方法
デスクレイアウトがしっかり考えられていないオフィスでは、仕事のやりにくさなどから生産性も下がってしまいます。そのため、座席を背中合わせに配置して集中力の保てるレイアウトにする、隣同士のデスクを左右逆行させて間にキャビネットをはさむなど、プライバシーを保ちつつ収納もできるレイアウトにし、できる限りスタッフのストレスを増やさない方法を考えなければなりません。
スモールオフィスのインテリアとレイアウトのコツ
部屋を広く見せるには目線を遮らない家具を使うと良いでしょう。目線を遮る背の高い家具は圧迫感を与えてしまいます。ただし、作業スペースには他人の動きが目に入って集中力を落とさないように、座席の前には目線の高さくらいのパーテーションなどを置くのがおすすめです。
また、デスクや照明、家具の色味を意識することで広く見せることも可能です。天井や壁紙、家具に明るい色、白やアイボリーなどを取り入れることで圧迫感がなくなり開放的で広い空間に見せることができます。
まとめ:オフィスのデスクレイアウトについて
仕事の作業効率、生産性をあげるにあたってデスクレイアウトは大切な要素です。デスクを配置する際には、スタッフの人数や業種部屋の広さなどを考慮し、動線を妨げない配置を検討しなければなりません。良いデスクレイアウトは仕事のスピード向上や、スタッフのやる気にもつながります。妥協せずに、全員が使いやすく仕事がしやすいデスクレイアウトに整えてみてください。