近年、特に中小企業では社長室を設置しないケースが増えていますが、効率の良い執務や訪問客への印象を良くするという観点から、社長室の設置には多くのメリットがあります。社長室は豪勢にすればいいというわけではなく、社内外へのアピールやコンセプトが重要です。この記事では、モダンでおしゃれな社長室作りに必要な基本要素を紹介します。イメージアップのための社長室におすすめの家具も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
モダンでおしゃれな社長室の基本要素
おしゃれなインテリア例には、現代風でスタイリッシュなデザイン、いわゆる「モダン」な雰囲気のものが多く取り上げられています。社長室へモダンなおしゃれさを取り入れる場合、重要となる基本要素について解説していきます。
社長室のレイアウトの重要性
社長室は、社長が会社内で執務を行う特別な個室です。会社の経営方針や重要な決定を下し、時には取引先との商談を行う場所でもあります。社長自身が社長職をスムーズに行ううえで重要な職場でもあり、訪問者に与えるイメージ的な観点でも非常に重要なポイントです。
社長室に統一感がなく、乱雑でまとまりがない空間だと社長の人物像がイメージできず、来訪者に良い印象を与えることは難しいでしょう。また、社長が業務を行う際に、歪なレイアウトだと仕事に集中できず作業効率低下に繋がる恐れがあります。
社長室のレイアウトは、執務を行う社長自身の業務効率や来訪者の印象を左右する重要なポイントなので、決して軽んじることはできないのです。
ガラス張りの社長室: 透明性と開放感の魅力
ガラス張りレイアウトのメリットは、外光を取り入れることで明るい空間づくりができることです。部分的に配置されている窓に比べて透明性が高く、より多くの光を室内に取り込むことができます。また、内側からも空間に奥行を感じられるようになって開放感を得られるでしょう。
閉鎖された壁と違い、透明性の高いガラス張りはスタイリッシュな雰囲気の演出にも役立ち、近代的なオフィスのイメージ構築にも繋がります。
必要な家具とその配置
社長室に必要な家具は、社長が執務を行うためのデスクとチェア、棚などの収納、訪問客をもてなすためのテーブルやソファなどが基本です。確保できるスペースによって配置できる家具は限られますが、社長が執務を行うための家具は欠かせません。
執務用のデスクとチェア、訪問客を迎えるための応接セットは社長室に設置したい家具です。また、雰囲気づくりのために観葉植物やアクアリウム、自社商品を展示する展示棚があればなお良いでしょう。執務用デスクと応接セットは隣接するケースが多く、スペースを区切らない場合は扉正面の最奥に社長の執務用デスクを配置します。その正面に応接セットを配置しますが、訪問客へ圧迫感を与えないように空間にゆとりを持たせるのがベストです。
社長用のデスクと応接セットを区切る場合、パーテーションを設置する方法があります。パーテーションの代わりに書類棚を間に置き、家具を節約して限られたスペースを有効活用する方法もおすすめです。
狭いスペースでも実現する社長室のレイアウト
スペースが限られ、社長室の確保が難しいという企業も少なくありません。ここでは、狭いスペースでも実現できる社長室のレイアウト例を紹介します。
6畳や5坪の社長室の効果的なレイアウト
一人あたりに必要なスペースが少ない場合、やや窮屈感を感じてしまうケースがあります。その場合、動線を確保することを最優先し、移動や着座の際に窮屈感を与えないことが重要です。
狭い空間での作業は精神的ストレスになりやすいため、執務や訪問者への対応が円滑になるスペースの確保が必要になります。目的において最優先すべきポイントをイメージし、設置する家具のサイズを調整、変更し、圧迫感を与えないレイアウトが必要です。
また、床や天井がしっかり見えることも社長室のレイアウトに必要な要素です。家具や収納をコンパクトにしても、床や天井が見えないと心理的に狭く感じてしまう人が少なくありません。家具周辺の配置や高さを考慮し、空間を広く感じられる配置を心がけてください。
風水を取り入れた社長室の配置
風水には良い運気を運ぶ方位があり、古来日本の陰陽五行では北東の方向が鬼門とされています。反対の南西は裏鬼門とも呼ばれ、同様に不吉な方角とも言われているからです。このように風水で良くないとされる方角には縁起の良いものを置き、風通しを良くして清潔な状態を保つのが重要とされています。逆に日当たりの良い南の方角は運気が良いとされ、社長用デスクや動線を結ぶラインを配置するのが良いでしょう。
風水は東西南北の方位に意味があり、良い気を呼び寄せるための環境や自然法則を取り入れた哲学です。例えば、太陽が昇る方角からは生命エネルギーが流れてきて、運気を呼び込むと考えられています。ゴミや汚れが溜まっている方角であれば、その状況を良いと感じる人はまずいないでしょう。
風水は、れっきとした自然哲学に基づいた教えです。日常的に取り入れることで、良い運気を運んで良好な会社経営や社長の健康を保つことに役立つでしょう。
イメージ画像を参考にしたレイアウトの提案
イメージを人に伝えるには限界があるため、どうしても誤解や語弊が生じるリスクがあります。自分が思い描く理想のレイアウトを画像に起こすことで、より正確かつ具体的なイメージの伝達が可能です。
大勢の人に見てもらうことにより、様々なアイディアが生むことにも繋がるでしょう。
おすすめの社長室用家具
モダンでおしゃれな社長室レイアウトをするにあたって、おすすめする社長室用家具を紹介します。レイアウトの一例として、ぜひ参考にしてください。
エグゼクティブデスク: 高級感と機能性を兼ね備えた選び方
エグゼクティブデスクとは、役員用の机を意味する最高級の上質なデスクです。素材やデザインは最上級とされるものが取り入れられていることが多いです。格調高く重厚感があるデザインが多く、高級感と落ち着いた雰囲気を兼ね備えたデスクであることが一般的です。エグゼクティブデスクは、また、収納力やセキュリティ性など機能面でも優れた仕様設計されている場合が多いです。
大型なデスクが多いので設置するスペースを選びますが、高級感と業務の効率化を両立させる社長室用家具にはおすすめです。スペースに合わせたサイズ選びには注意してください。厳格なイメージのデザインが多いため、社長室のレイアウトデザインやコンセプトと合わせる必要があります。
おしゃれな社長デスクのブランドとデザイン
社長室の家具やデスクは高級感が重要に思われがちですが、デザインが企業イメージとマッチしているか、実際に使用して快適かどうかがポイントです。例えば、パステルカラーの企業イメージや社長室に、格調の高い黒で統一された黒檀の机が置かれたら違和感があるかもしれません。高級ブランドは使用している素材が上質なため、インテリアとしての役割を十分に果たします。しかし、周りから持たれている企業イメージとそぐわないものであれば、来訪者が違和感を感じる要因になるリスクがあります。
実際の使用感は重要なポイントですが、デスクを配置したことで社長室の雰囲気にどのような影響を与えるかを考慮してください。また、社長デスクを製作・販売しているブランドは、社長室にふさわしいデザインのノウハウを持ち合わせています。専門としているブランドを選び、社長室に相応しい社長デスクを選びましょう。
応接セットの配置と選び方
応接セットは来訪者へのもてなしや、役員や社員との会議に用いる家具です。着座する人に対し、快適な環境を提供できるものを最優先に選びましょう。座席には上座と下座という概念があり、扉より一番奥の場所にある席が上座となります。上座は目上の人物や大切なお客様が優先的に座る場所です。
上座の位置を決め、テーブルやほかの椅子の場所を順に配置していきます。ただし、応接室の面積が狭い場合、配置するスペースを工夫しなければなりません。上座を中央にする場合でも、扉側は下座固定で配置していきましょう。
応接セットはソファのサイズにゆとりを持ち、座った際に圧迫感を与えないことがポイントです。配置する場所は動きやすいスペースを確保し、スムーズに移動できる動線を作ってください。
上座と下座の区別はビジネスマナーの基本なので、しっかりと整えていれば訪問客に好印象を与えるでしょう。
社長室の役割と必要性
近年はオフィスに社長室がない中小企業が増えており、社長室の必要性を問われるケースも少なくありません。ここでは、社長室の役割と必要性について解説します。
社長室は本当に必要か?
社長室は会社の最高責任者である社長が執務を行う場所であり、一般社員とは区別されている個室です。一般的な社長業務の重要性を考えれば、社員とはオフィスを分けて社長室を作るべきでしょう。
社長は、会社経営に関する営業方針や決定権を決める重要な役職です。ビジネスパートナーとの商取引を行う際も、自室があれば相手に与える信頼感や話し合いへの集中力を高めることができます。会社の今後を大きく左右する重要な社長の業務に影響が出ないよう、社員とは作業する場所を分けるのが賢明かもしれません。
また、社長室には一般社員との距離感を保つ役割があります。お互いの業務に支障が出ないよう、それぞれが集中して業務の効率化を図る意味でも必要だと考えられます。
社長室の位置: 何階が最適?
社長室がある階は最上階のイメージを持つ人が多いですが、位置は好みによるでしょう。例えば、見晴らしのいい庭園やテラスがある企業では、1階に社長室を置いているケースも少なくありません。また、お気に入りの景色が良く見える中層階に社長室を配置するケースがあります。
あえて最適な階を決めるなら、社長のモチベーションが上がる階と言えるでしょう。社長室の位置を決めるルールなどは特に決まっておらず、必ずしも「この階じゃないとダメ!」ということはありません。社長が業務を行うにあたって、都合の良い階が最適です。
社長室のイメージと組織図の関連性
社長室は経営トップが執務を行う場所であり、会社の方針や営業戦略を展開していく場所というイメージを持つ人が少なくありません。そのため、一般の社員には近寄りがたい特別な場所というイメージを持たれがちです。組織図とは、企業における組織の構造を示すための図面で、それぞれの職務や部門を役割別に一覧で確認できます。組織の上には必ず構成員を束ねて指揮する責任者や管理者がいて、その頂点に立つのが社長です。
組織図にはピラミッド型やフラット型、マトリックス型など様々な形式がありますが、そのいずれの最上にも社長が位置しています。組織図はその組織の構造や従業員、部門・部署を理解するのに効果的な図です。社長室は組織の代表が使用する個室であり、組織構造を把握できる組織図と同じく特別な場所です。
その他のポイント: 役員室との違いは?
会社には役員という組織の中枢を担う重要なポジションがあり、役員が使用する役員室は社長室と区別されています。ここでは、社長室と役員室との違い、その他のポイントについて見ていきましょう。
役員室と社長室の違いとは?
役員室は役員が執務に使う場所です。それぞれ会社組織の役員、トップ勢に割り当てられ、訪問者との応対や役員同士での会議に使用されるケースがあります。基本的には社長室と同じ用途で使われ、一般の社員や従業員とは差別化されているオフィススペースです。
社長室におすすめの置物やアクセサリー
社長室の雰囲気づくりには、観葉植物の設置が無難かつ手軽な置物です。パーテーションに草花や植物をまとわせ、グリーンパーテーションとして活用すれば、開放された癒し空間の演出にも役立つでしょう。風水の観点からも、植物を取り入れるのは良いとされています。
観賞用の水槽やアクアリウムなども、心を落ち着けるリラクゼーション効果があります。また、自社商品の展示、歴代社長の肖像画や写真、花瓶なども社長室としてイメージされやすいインテリアです。置物は社長室の雰囲気を壊さないものが良いでしょう。動物の置物などを置くのも、モダンスタイルの演出に効果的です。
社長室のオープン化のメリットとデメリット
社長室をオープン化することで、社員との距離を縮めてコミュニケーションを円滑に取ることが可能です。文字通り壁を取り払うことで距離感がなくなり、オフィスの意見を社長自らが聞きやすくなるメリットがあります。お互いが見えることによって業務を明確化でき、業務効率化の向上を図れるでしょう。
その一方、個室ではなくなることによって、社長と社員や従業員の執務や業務が集中できないリスクがあります。社長室のオープン化はコミュニケーションの向上という側面がありますが、風通しを良くすることでセキュリティ面での機密性が失われる可能性が高いです。そのため、徹底した管理体制と信頼関係の構築が必要になるため、メリットとデメリットを同時に抱えてしまいかねません。
まとめ
今回は、モダンでおしゃれな社長室を作るための基本要素とおすすめの家具について紹介しました。社長室は企業のトップが使用する個室であるため、業務の効率化と企業イメージを損なわないためのレイアウトが重要です。社長室の役割と重要性を理解し、企業に相応しい最適な環境作りを目指してください。