ダイニングチェアは、食事や勉強、家族団欒などに使う重要な家具です。家族が集まる場所で使われるため、デザイン性や機能性などさまざまな面に注目して選ぶことができます。
この記事では、ダイニングチェアの選び方について解説します。失敗例から学ぶ対策方法や、押さえておきたいダイニングテーブルとの組み合わせ方もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
ダイニングチェアの基本的な選び方
ダイニングチェアを選ぶときは、種類をチェックしたうえで疲れにくさやサイズに注目してみましょう。
さまざまな種類のダイニングチェア
一口にダイニングチェアといっても、さまざまな種類があります。一般的には一人掛けのものをダイニングチェアと呼びますが、ベンチやソファのような形をしている複数人で座るタイプも少なくありません。肘掛けの有無も商品によって異なるので、好みで選んでください。
ダイニングチェアの多くは回転しないタイプですが、なかには回転するタイプもあります。使い勝手を重視して、座面が回転するダイニングチェアを選ぶのもおすすめです。
長時間座っても疲れないチェアの特徴
食事のときだけでなく、勉強や仕事をするときにもダイニングチェアに座る場合、長時間座っても疲れないチェアを選ぶことで快適性が高まります。ただし、どのような椅子であれば疲れにくいと感じるかは人によって異なるため、特徴を確認したうえで自分好みのものを選ぶことが大切です。
例えば背もたれがあると背筋が伸びるため勉強や仕事を長時間続けやすいといわれていますが、背もたれが曲線か直線か、どの程度後ろに傾いているのがいいかは好みによります。ダイニングチェアを購入する前に、自分の好みを整理してみるといいでしょう。
ダイニングチェアのサイズ選びのコツ
ダイニングチェアを購入するときは、サイズに注目することで適切なものを選べます。
ダイニングチェアとテーブルは、基本的に食事をする際に使用します。そのため、ダイニングチェアを並べてもテーブル上に食事をするための十分なスペースを確保しなければなりません。1人分の食事スペースは、幅60〜70cmかつ奥行き30〜50cmといわれています。テーブルを複数個並べてもこの広さが確保できるかどうか、確認してください。
テーブルとチェアのサイズだけでなく、テーブルの脚デザインも考慮する必要があります。テーブルの脚部分に椅子が重なってしまうと、快適に食事ができません。テーブルによっては天板の内側に脚がある場合もあるため、ダイニングチェアを並べて置けるかどうかきちんとチェックしてください。
ダイニングチェアのデザインと素材
ダイニングチェアはデザインや使われる素材も多種多様なので、どのようなものがあるか確認していきましょう。
Yチェアやカリモクチェアなどの人気デザイン
人気デザインのダイニングチェアを購入したいのであれば、Yチェアやカリモクチェアなどの有名品をチェックしてみることをおすすめします。
Yチェアは北欧の有名デザイナーであるハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子であり、シンプルながら美しく耐久性があり、さらに使いやすいと評判の名品。世界中で高い人気を誇りさまざまデザインが発表されているため、お気に入りが見つかるでしょう。
カリモクチェアは、1940年に愛知県で創業した国内家具メーカーが提供しているチェアです。木の魅力を生かした家具が特徴で、温かみのあるデザインの椅子も豊富に揃っています。気になるデザインを見つけたら、自宅に馴染むかどうかイメージしてみてください。
オフィスチェアとダイニングチェアの素材の違い
オフィスチェアとダイニングチェアは用途が違うため、使われている素材も異なる場合があります。
オフィスチェアは主に仕事をするときに使われるもので、機能性を重視して座面が回転したりキャスターがついていたりすることが少なくありません。そのため、脚部分にはナイロンなどの素材が使われるのが一般的。座面は快適性を重視するため布やメッシュ素材が使われることもありますが、高級感を味わうためにレザーが使われることもあります。
一方のダイニングチェアの主な目的は団欒なので、どちらかといえばデザインが重視されます。脚部にはスチールなどの金属が使われることもありますが、温かみのある木でできたものが少なくありません。座り心地を重視したダイニングチェアの場合は、座面が布製のこともあります。
カウンターチェアとダイニングチェアのデザイン比較
カウンターチェアとダイニングチェアはデザインが大きく異なるため、適切なほうを選んでください。
カウンターチェアはキッチンやバーカウンターなどの高さに合わせて作られているため、ダイニングチェアよりも座面が高く、浅く腰掛けるようになっています。カウンターチェアはシンプルなデザインのものが多く部屋をすっきりと見せられますが、ダイニングチェアと違って長時間の使用には向かないため注意が必要です。
ダイニングチェア選びでよくある失敗例とその対策
ダイニングチェアは、なんとなく選ぶと失敗しがちです。よくある失敗例とその対策を確認しておきましょう。
高さの不一致
ダイニングチェアを選ぶときは、高さに注目してください。使う人の体格に合っていない座面高のチェアを購入してしまうと、快適に使えなくなってしまいます。座ったときに足裏がきちんと床につく座面高のダイニングチェアなら、長時間座ることになっても疲れにくいです。
異なるダイニングチェアをいくつか購入する場合も、それぞれの高さを確認してみてください。チェアそのものの高さが同じなら、統一感が出ます。
サイズ感
ダイニングチェアは、サイズ感も重要です。チェアのサイズは基本的に、W(全福)、D(奥行き)、H(全高)、SH(座面高)で表されます。Wが大きければ座面の横幅が広いため、ゆったりと座れるでしょう。Dが大きければその分奥行きがあるので、背もたれに体重をかけてのんびりすることも可能です。適切なサイズ感は体格や好みによって異なるので、いいと思うものを選んでください。
耐久性
ダイニングチェアを選ぶなら、耐久性も注目したいポイントです。ダイニングチェアは長時間座ることも多いため、短期間で壊れてしまうと困ります。できるだけ耐久性の高いチェアを購入し、長く使い続けるのがいいでしょう。耐久性が高いチェアを選びたいなら、強度のある天然木を使ったものがおすすめです。
ダイニングチェアとダイニングテーブルの組み合わせ
ダイニングチェアは基本的にダイニングテーブルと組み合わせて使うため、セットにしたときの使いやすさや美しさを考慮して選ぶといいでしょう。
ダイニングチェアとテーブルの高さの組み合わせのコツ
ダイニングチェアとテーブルを組み合わせるときは、それぞれの高さに注目してみてください。チェアの座面高が高い場合、テーブルの下が狭く感じることがあります。テーブルの天板からチェアの座面までの距離を差尺と呼びますが、差尺が十分取れていることを確認したうえで商品を選ぶのがおすすめです。
ダイニングチェアに肘置きがついている場合は、肘置きが引っかからずテーブル下に収納できるかもチェックしたいポイントです。
ダイニングチェアとテーブルの色やデザインの組み合わせ
ダイニングチェアとテーブルを組み合わせる際は、色やデザインにも注目してみてください。同じような色とデザインで統一するのもいいですが、ダイニングチェアは特徴的なカラーや独特なデザインを取り入れやすい家具なので、アクセントにするのもおすすめです。温かみのある部屋にしたいなら暖色、クールな部屋にしたいなら寒色という選び方もあります。あえて異なるカラーやデザインのチェアを組み合わせてもいいでしょう。
ダイニングチェアの数と配置の工夫
ダイニングチェアは複数個取り入れることも多いので、置く数と配置を工夫するのがおすすめです。複数個置く場合はすべて同じチェアにすれば統一感が出ますし、あえて全部異なるチェアにすればワンランク上のおしゃれさを演出できるでしょう。複数個配置する場合は、テーブルとチェアを置いたあとに生活動線がきちんと取れるか確認する必要があります。
ダイニングチェアのメンテナンスと修理
ダイニングチェアを長く使いたいなら、適宜メンテナンスや修理が必要です。日常的にできるケアのほか、本格的な修理についても確認しておきましょう。
ダイニングチェアの日常的なケア方法
ダイニングチェアの座面部分は、素材によっては日常的なお手入れで十分綺麗になります。座面が布のダイニングチェアは、中性洗剤で汚れを拭き取れます。洗剤をつけた布で拭いたあと水拭きして、十分に乾燥させてください。合成皮革も同様の方法で汚れを落とせますが、専用のクリーナーを使うことも可能です。座面カバーを使えば汚れたときにすぐ洗えるため、手軽にケアしたい場合は取り入れてみてはいかがでしょうか。
脚や肘掛けなど木の部分は、乾いた柔らかい布で乾拭きすることで日常的なケアができます。汚れは座面と同じ方法で落としてください。
ダイニングチェアの修理・張り替え時の注意点
ダイニングチェアは、傷や汚れが生じた場合や破損した場合に修理できます。傷や汚れは自分で直せることもありますが、破損した場合の修理はDIYが難しいため業者に依頼するのがいいでしょう。
座面が汚れてしまった場合は、張り替えが可能です。自分で材料を揃えて好みの布を貼ることもできますが、手間をかけずに綺麗にしたいのであれば業者に依頼することをおすすめします。
ダイニングチェアの長持ちする使い方
ダイニングチェアを長持ちさせたいなら、正しい座り方を意識してください。深く座って背もたれに背をつけて座ることで、背もたれに余計な力が加わらず長持ちします。浅く腰掛けて背を背もたれに預けた状態はチェアに負担をかけてしまうため、注意が必要です。
また、傾けた状態で座るのもチェアが壊れる原因となります。前にある物を取るときでも、椅子ごと前傾姿勢にならないようにしましょう。
まとめ
ダイニングチェアは、家族団欒やちょっとした作業に欠かせない家具です。チェアそのもののデザインや座り心地などとともに、テーブルとの組み合わせもチェックしたうえで好みのものを選びましょう。高さやサイズ、耐久性などにこだわって選べば、納得できるものが見つかるはずです。導入したチェアは長持ちする使い方を意識しながら、大切に使ってみてください。