政府の働き方改革推進により、国内でもリモートワークが定着するようになりました。リモートワークは移動や通勤の時間を気にせず、働く場所を自由に選べるなどのメリットがあります。なにより時間を有効活用できるので、オフィスで働くよりもリラックスできるという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、リモートワーク時代におけるレイアウト改革術を解説します。事務所のリモートワーク環境を整えたい方は、ぜひ参考にしてください。

リモートワーク時代の事務所レイアウトとは?新たな可能性を探る

リモートワークが一般的となった現在では、オフィスの在り方や新たなワークスタイルを模索する段階と言えるでしょう。ここでは、事務所レイアウトの可能性について解説します。

新常態の影響:事務所の役割の再定義

オフィスと事務所は英語と日本語の違いというだけで、同じ意味の名称です。言葉のイメージでオフィスと事務所は別物と思われがちですが、基本的には仕事を行うための拠点となる場所と考えて問題ありません。

テレワークが一般的となり、働き方改革による事務所(オフィス)の役割を再定義する必要性が出てきました。場所に依存せず、これからの事務所の役割や常識にとらわれない働き方が大切です。これまでの業務をリモートワークに落とし込み、柔軟に対応していく最適化が主流となっていくでしょう。

フィジカルスペースの変革:新たな働き方を支える

従来の職場というものは、ひとつの場所でコミュニケーションを取り合って行う場所という概念でした。毎日繰り返される仕事の拠点、プラットフォームであるという前提があります。リモートワークの導入により、会社のオフィスや事務所がフィジカルスペースである必要性はなくなりました。

クリエイターやアーティストなどは、リモートワーク普及以前より職場の概念が固定されていない職種と言えるでしょう。リモートワークが一般的になったことで、働き方の自由度が増してライフスタイルに多様性が生まれました。働き方の選択肢が広がったことにより、リモートワーク環境の仕組みを構築することが重要です。

レイアウト改革のメリット:生産性と満足度の向上

リモートワークは働く場所を選ばないため、プライベート空間を作業場所にすることも自由です。職場への移動の負担がかからず、誰にも気を使わず仕事に集中することができます。
その結果、仕事の生産性が上がり、モチベーションの維持と仕事への満足度の向上を実現させることが可能です。

リモートワーク導入による生産性と満足度の向上は最大のメリットとされ、事務所レイアウトの最適化によって効果をさらに高めることができます。レイアウト改革がもたらす影響は、仕事に集中しやすいリモートワーク環境の構築につながっていくでしょう。

基本から学ぶ:効果的なレイアウト設計

オフィス 女性 PC

レイアウトは、やみくもに変えるだけでは高い効果が望めません。ここではリモートワークにおける、効果的なレイアウト設計の基本を解説します。

オフィスレイアウト:配置パターンの基本

オフィスレイアウトは、働きやすさを大前提にした配置パターンが基本です。基本となる配置パターンは、次の6種類になります。

⚫️対向型
⚫️背面型
⚫️左右対称型(クラスター型)
⚫️フリーアドレス型

配置パターンの呼び名は、その名の通りに向いている方向です。日本企業は古くから、ひとつのデスクを対面に向かわせる島型レイアウトが主流でした。近年は作業ブースを確保したり、欧米で主流の左右対称型などさまざまな型が採用されています。また、座席を固定せずに好きな場所に座るフリーアドレス型も主流になりつつあるようです。

バランスの取り方:スペースとコミュニケーション

リモートワークは働く場所を自由に選べるメリットがありますが、コミュニケーションの機会減につながりやすいのが問題です。複数の人間と同じ業務を行っていた従来のオフィスワークと比較して、閉塞的になりやすく連携を取りづらいという報告もされています。

事務所におけるリモートワークのコミュニケーション不足は、交流の機会が増えるレイアウトによって解消を図ることが可能です。大人数が収容できるスペースを確保したり、フリーアドレス型のレイアウトで気分に合わせて作業場所を変えるなど交流を促します。

在宅勤務の場合はチャットルームを設置したりビデオ会議の機会を設けたりするなど、クラウド上でもコミュニケーションスペースを作ることは可能です。リモートワークは仕事とコミュニケーションのバランスを取り、活性化を図れるレイアウト設計やデザインが重要になります。

多様性を反映:ユニークなレイアウト設計

新たな働き方の代表であるリモートワークは、既存の先入観にとらわれないことがポイントです。状況に合わせられる柔軟性があり、多様性を反映する自由な働き方が選択できるレイアウト設計を求められます。

また、機能性のなかには、見る人の興味を引くようなレイアウトを実践するオフィスも増えてきました。観葉植物を多く取り入れ、空間を意識した雰囲気のデザイン。玩具や卓球、ビリヤードなどの台を設置する遊び心を取り入れたレイアウトもあります。実用性がありながら、楽しめるオフィスというコンセプトは、昨今の働き方の多様性を反映していると言えるでしょう。

管理職向け:生産性を最大化するレイアウト考察

オフィス 女性

レイアウトは業務を効率化するのに重要なアイデアです。ここでは、オフィスを管理し、業務の生産性を上げる管理職目線のレイアウトについて解説します。

チームパフォーマンスの向上:レイアウトの役割

仕事の効率性を上げるには、集中しやすい環境と動線の確保など作業をスムーズに行える環境整備が必須です。レイアウトは作業環境の整備以外にも、コミュニケーションの活性化やモチベーション維持にも役立ちます。

仕事スペースとは異なる空間を確保することで、ワーカー同士が交流できる場を提供したり、自由にくつろげる雰囲気でリラクゼーション効果を得ることが可能です。レイアウトによって人が集まりやすい空間を演出し、チームパフォーマンスの向上を促すことで、全体の生産性の底上げを実現します。

視野を広げる:管理職が考慮すべき要素

管理職に求められる主な要素は、業務の管理・改善と部下の育成というものがあります。業務全体の効率化を図るうえで、レイアウトの改革は管理職に求められる要素にマッチしていると言えるでしょう。

レイアウト設計は管理者の観点的に、事務所全体の把握と目的の実現を考慮する必要があります。

見た目の豪華さやユニークさより、実用性を求めなくてはなりません。そのためには、明確なコンセプトの決定とスペースや予算の確保が必要です。働き方の変化に合わせ、さまざまな観点で物事を見られるような視野の広さが管理職が重要視するべき要素となります。

具体的なステップ:オフィス環境改善への道

業務の生産性はオフィス環境に大きく関係します。世界全体で日本の生産性は、先進7か国中最下位経済協力開発機構加盟38か国中27位と1970年以降低迷しているのが現状です。 低迷している日本の生産性ですが、新型感染症の影響下でリモートワークが一般的となり、労働時間が増えたことによって経済成長率は徐々に成長の兆しが見えています。

生産性の低迷は、仕事に要する人的コストがかかりすぎていることが理由の一つです。これからの新しい働き方により、従来のオフィスワークやオフィス環境の改善が求められています。今後は多様性のある働き方に柔軟に対応していき、付加価値を生み出していく力を育てていくことが必要です。

事例から学ぶ:効果的なレイアウトの実践

リモートワークに適した効果的な事務所のレイアウト事例をご紹介します。働きやすい事務所のリモートワーク環境を事例ごとに、具体的なポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

リモートワーク対応:改革された事務所のレイアウト

リモートワークは、これまでのオフィスとは異なる「個人で完結する」業務形態です。今まで以上に個人が働きやすい環境を意識し、機能性と柔軟性を両立したレイアウトが求められます。事務所やオフィスのレイアウト改革は、仕事の効率性と生産性向上が目的です。

総務省は働き方改革とともに事務所(オフィス)改革を実施しています。リモートワークを導入することで自由な時間の確保を可能にし、ライフワークバランスを実現しました。また、時間の確保とともに大幅なコスト削減モチベーションの維持にもつながります。既存の先入観にとらわれず、レイアウトを変えることによって働きやすさを劇的に向上させることが可能です。

多様性をサポート:革新的なレイアウト事例

レイアウトはそこで暮らす、仕事をする方の目的に合わせて自由に変えることができます。働き方の多様化に比例して、各社は一斉に実際に働く方の業務内容や働きやすさに応じた多種多様なレイアウトを実践しました。

たとえばおもちゃメーカー大手のバンダイでは、リンクスペースやオープンスペースなどを設置しています。業務の垣根を超えた垣根を超えてコミュニケーション空間を作ることで、空間の有効活用と業務のニーズ把握を実現しています。

また、コクヨでは働きやすさを重視して、高さを統一した圧迫感のないオフィス家具の配置を徹底しました。このように業務内容に合わせ、フレキシブルにワークスペースを確保することで働きやすさを促進させています。

管理視点の実践:事務所レイアウトの具体例

管理する側の視点でレイアウトを考えた場合、事務所全体が見渡せて把握できる配置が基本となります。業務内容に合わせ、機器や資料などをロケーションごとに割り当てる効率性が重要です。

管理側の視点では、仕事は進捗管理・作業工程の把握を第一に考えます。快適な作業環境の構築には、適切なレイアウトが欠かせません。動線の整備やレイアウトの改善により、無駄を省いて効率化を図ることがポイントです。

事務所レイアウトにおいて、業務の可視化・定量化は実践すべき取り組みと言えるでしょう。家具の高さや位置を統一させ、見通しが良く整然とした配置は基本です。余計なものを置かず、集中と開放感を両立できるスペース作りを心がけてみてください。

▶オフィス・会議室・応接室のテーブル一覧はこちら
▶オフィス・会議室・応接室のチェア一覧はこちら
▶業務用 ブース/パーテーションの一覧はこちら
▶業務用 グリーン/プランターの一覧はこちら