家具メーカーとして知られる「アダル」。家具メーカーの業界では珍しい「FSC®認証」と「PEFC認証」を同時取得しているメーカーです。業務用家具を中心に展開している家具メーカーであり、幅広い使用シーンを想定し、さまざまなインテリアのニーズに応えた製品を数多く設計・開発しています。また、国内には複数のショールームも設けており、実際に現物を見たり、インテリアの雰囲気を肌で感じたりしながら、製品を選べるのも魅力です。
この記事では、そんな家具メーカー「アダル」の歴史や、認証に関する詳細、アダルと家具業界の未来について詳しくご紹介します。
アダルの進化:70年の歴史とFSC®/PEFC認証の意義
アダルは創立から70年を迎える歴史の長い家具メーカーです。一般的な家具メーカーとは一線を画す独自の路線で進み続け、現代に至るまで業務用家具メーカーとして業界を牽引してきました。まずは、アダルの歴史や取り組み、認証の意義などについて詳しく触れていきます。
アダルの歴史と持続可能性への取り組み
アダルはもともと「イスヤ商会」といった名称で、個人創業された家具メーカーでした。創業者である武野六郎が1950年に福岡市にてイスヤ商会を誕生させたとされています。
しかし、創業からわずか10年後の1960年、武野六郎が急逝し、武野重美が創業者から事業を引き継ぐこととなったのです。1968年には、武野重美がイスヤ商会を法人化し「株式会社イスヤ商会」を設立し、代表取締役に就任しました。業務用家具をメインに、アームチェアやBOXチェアなどを展開していきます。
1969年頃には、デンマークの定番デザインである「キルティング」からインスピレーションを受け、「もくれん」と名付けられた業務用椅子を設計。業界初となる「量産」を実現し、多くの注目を集めることとなりました。
1970年以降のイスヤ商会は急成長を遂げており、本社ビルやショールームの解説、複数拠点の営業所の開設などに至りました。1970年代後半には、社宅や寮なども完成させるとともに、東南アジアとの直輸入ができる仕組みを整え、さらなる成長を遂げています。
当時の製品を見てみると、麻雀用の椅子として、発砲ウレタンの型を用いた製品を作り上げたり、喫茶ブームに乗ってカーテン生地を使い、彫刻を施したようなデザインの椅子を展開したりしていました。ユニークなデザインの椅子も設計するなど、創業者である武野重美は業界に衝撃を与える家具を数多く作り続けてきたのです。
ちなみに、社名がイスヤ商会からアダルへと変更されたのは、1990年のことです。2014年には武野重美が代表取締役会長に就任し、代表取締役社長には武野龍が就任しました。現在に至るまで、新素材を用いた家具や、異素材を融合させた印象的な家具など、一世を風靡する家具を数多く世に送り出しています。
FSC®認証とは
FSC®認証とは、1994年に設立された「FSC」と呼ばれる森林協議会による認証を指します。FSCは木材を使いながらも、地球環境を考慮し、森を守るために設立された協議会です。木材の需要がとどまることなく高まる今、森林伐採が深刻化しています。とくに欧米では、森林伐採による環境破壊がとくに深刻な状態であり、現地をはじめ、26か国の環境NGOや林業関係者、先住民の団体などによってFSCが設立されることとなりました。
FSC認証は、森林を守ると同時に、地域社会や民族、森林に関わる労働者たちの権利などを守ったうえで作られた製品のみ得られる認証です。認証された製品には「FSCマーク」が施され、環境意識を持って製品を購入する際のヒントになります。
PEFCのCoC認証とは
PEFCとは、森林認証基準を承認する団体です。世界の国々や地域などで構成されている団体であり、「CoC認証」の認証を行っています。CoC認証は、森林管理の認証を受けた森林の素材などを適切に管理及び加工を施していることの認証です。
FSC認証は、森林が責任持って管理されているかを審査し認証するのに対し、CoCは加工や流通のプロセスを認証するといった違いがあります。
業務用家具メーカーとしての特注品製作と環境への配慮
業務用家具メーカーとして展開するアダルでは、特注品製作を行うとともに、環境への配慮も行っています。特注品の場合、既製品とは異なり注文を受けたうえで製作開始となるのが特徴です。ソファやい草の商品、ベンチ、テーブルなどの特注品製作ができます。お問い合わせフォームから簡単に特注品に関する注文や質問などが送信できるのがメリットです。
また、アダルでは環境への配慮として、SDGsへの取り組みにも注力。工場では、環境負担低減に努めた取り組みとして、グリーン購入法の順守、サステナブル素材の採用、省資源化の考慮、残材の活用などを行っています。さらに、耐久性の高い「ロングライフな商品」の開発に力を入れ、長く安全に活用できる製品づくりを心掛けているのがアダルの魅力です。
アダルと未来の家具業界
環境に目を向けてさまざまな取り組みを行うアダルと、家具業界は将来的にどのような変化をもたらすのでしょうか。ここからは、未来の家具業界も視野に入れたアダルの将来設計について解説します。
環境とビジネスの関係性
SDGsに注力しているアダルでは、環境とビジネスにおいて深い関係性があると考えています。地球環境がより良くなり、森林の素材を安定的に確保できるようになれば、家具業界としても安定的な製品展開を期待できるでしょう。
また、環境保全に着目した製品づくりは、製造業界のコスト削減にもつながる点が多く、結果的に経費削減を実現しやすくなります。ともに働く社員への還元にもつながり、社員のモチベーションアップやさらなる生産性・効率性の向上も期待できるでしょう。
環境認証が家具業界にもたらす変化とチャンス
環境認証が家具業界にもたらす変化とチャンスとして挙げられるのが、「企業イメージの向上」「新たな事業機会の創出」「生存戦略の実現」などです。環境認証によって、企業が環境に関する取り組みを行っていることが消費者に周知されるため企業のイメージ向上が図れると考えています。また、環境保全の取り組みが家具製造事業の拡大もしくは、家具製造事業とは異なる分野での事業につながるチャンスもあるでしょう。
近年は、同業他社からの生存を図る取り組みも必須とされているため、中小企業が生き残りを図るためにも、環境認証は一つのステップとなり得るかもしれません。環境認証がさまざまな要因と複合的に絡み合い、家具業界のさらなる成長も期待できるでしょう。
アダルの製品とサービスの特徴
アダル製品は、デザイン性の高さや優れた耐久性、展開製品の幅広さなどが特徴です。品質にもこだわっているのがアダルの魅力であり、クオリティの高さが認められ、全国各地の飲食店やホテル、オフィスなどで製品が活用されています。
また、アダルでは、医療福祉の領域に特化したカタログの展開や、カタログ製品の先行販売なども行っています。さまざまな製品を比較・検討しながら選べるのは、アダルの大きな魅力のひとつです。
▶業務用カタログ vol.28 先行販売 はこちら
▶業務用カタログ vol.27 はこちら
▶A.T.I.C. vol.8はこちら
▶CARE CURE vol.3 はこちら
まとめ
家具業界で長年活躍してきたアダルは、創業から現代に至るまで多くの店舗・オフィスの環境づくりを支えてきました。デザイン性や実用性に優れているだけではなく、環境保全にも目を向けた製品展開しているのが特徴で、FSC®認証とPEFC認証を取得している信頼できる家具メーカーです。飲食店やホテル、オフィスなどの家具購入を検討している方は、アダルこだわりの製品をぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。