家を新築したりアパートやマンションに引っ越しをしたりするときに考えるのが、家の中での生活スタイルではないでしょうか。床に座ったスタイルにするのか、椅子に座った生活にするのかによって揃える家具も変わってきます。今回は、床座(ゆかざ)と椅子座(いすざ)について、それぞれの特徴やメリットなどを詳しく解説します。

床座と椅子座の違いとは何か?

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昔は畳の部屋が多く、食卓も床に座って食べるスタイルが主流でした。近年はフローリングの部屋に変わりつつあり、リビングでは椅子に座って食事をする人の方が多い傾向です。しかし、「やはり床に座って過ごした方がくつろげる」という床座派もいれば「椅子の方が楽」と感じる椅子座派もいるなど、人それぞれ好みは異なります。

ここでは、床座と椅子座の基本的な違い、特徴やメリットを詳しく解説しますので、生活スタイルについて検討している人はぜひ参考にしてください。

床座と椅子座の基本的な違い

床座と椅子座、同じ「座る」を指す意味合いですが、基本的な違いは「座る位置」です。床に座るのと椅子に座るのとでは座り心地はもちろん、目線も変わるなど座る位置が異なるだけでさまざまな違いがあります。また、座る位置が異なると周りに置く家具の高さにも違いが生じてきます。例えば、床座にするならテレビを見やすくするためにローボードのテレビ台にして目線を合わせるなどです。

このように、座る位置が違うだけで居心地や家具にも配慮が必要になるなど、さまざまなとこに影響を与えます。

床座の特徴とそのメリット

床座は床の上に直接座るスタイルのため、椅子に座ったときよりも目線が低くなることが特徴です。目線が低くなると天井までの距離が遠くなるため、部屋が広く感じられるといったメリットが生まれます。その他、床座のメリットは以下の通りです。

床座のメリット
● 椅子が必要ないため部屋を広く使える
● 椅子に限りがないため、座る人数に制限がない
● 全体的に家具が低くなるため圧迫感がない
● 椅子やソファーがないぶん、部屋の模様替えがしやすい
● こたつが使える
● そのまま寝転がることもできるため、リラックスできる

床座の大きなメリットは、圧迫感を感じることがなく部屋を広く使えて少ない家具で生活できるため、模様替えも楽にできることです。床座のメリットを考慮すると、こたつを使いたい人や広々とした空間で過ごしたい人リラックスしたい人に向いている生活スタイルと言えるでしょう。

椅子座の特徴とそのメリット

椅子座は、床座に比べて目線が高くなり周りが見渡しやすくなるのが特徴です。では、椅子座にはどんなメリットがあるのでしょうか。

椅子座のメリット
● 座ったり立ったりの動作が楽にできる
● 長時間座っても疲れにくい
● 正しい姿勢で座れるため、飲食が楽にできる
● 楽に座れるため、床座に比べてデスクワークの作業に集中できる
● ダイニングテーブルなどを揃えておしゃれな空間を演出できる

椅子座のメリットを考慮すると、リビングダイニングをおしゃれにしたい人や座り心地の良さを優先したい人、デスクワークに集中したい人に向いている生活スタイルです。

座椅子の利用について:床座のメリットを最大化

床座は畳や絨毯の上に直接座るのもいいですが、座り心地を考えると座布団やクッションの上に座ればお尻が痛くならず楽に座れます。床座でもっと座り心地を良くしたいなら、座椅子を利用するのがおすすめ。座椅子は背もたれがあるため、床座で長時間座っても疲れません。

ここでは、床座のメリットを最大化する座椅子の利用について解説します。座椅子を使うときの注意点についても言及するので、座椅子の利用を考えている人はぜひチェックしてください。

座椅子の種類とその特性

座椅子と言ってもリクライニングできるものやひじ掛けがついたものなど、実にさまざまな種類があります。ゲームに適した「ゲーミング座椅子」まである時代です。

主な座椅子の種類と特性は、以下の表の通りです。

座椅子の種類 特性
リクライニング座椅子 背もたれが段階式に調節ができるため、自分に合った楽な姿勢で座れる
回転式座椅子 座面が回転するため、身近に置いてあるものが座りながらでも取りやすい
ひじ掛け付き座椅子 ひじ掛けがあるため、楽な姿勢で本や新聞が読める
高座椅子 高座椅子は短い脚が付いており、他の座椅子に比べて座面が高いため座ったり立ったりが楽にできる
ミニ座椅子 コンパクトサイズのため省スペースで置けて部屋を広く使えるほか、持ち運びにも便利

上記の他にも、マッサージ付きや座っているだけで腹筋が鍛えられるものなどもあります。座椅子を使った床座スタイルをするなら、使用するシーンや用途に合った座椅子選びをするのがおすすめです。

座椅子使用時の注意点:フローリングへの傷対策

フローリングの部屋で座椅子を直置きして使用すると、座椅子の金具部分で傷をつけてしまうことがあるので注意が必要です。特に、賃貸物件の場合は退去するときにフローリングに傷がついていると補修料が発生することもあります。

フローリングで座椅子を使うなら、使う前に傷への対策をしておけば安心です。おすすめの傷対策は、座椅子を置く部分に「チェアマット」を敷く方法です。チェアマットは床材に傷がつかないように保護するマットなので、フローリングで座椅子を使うときはチェアマットを敷いて傷対策を施してください。

座椅子を使ってリビング空間を最適化するなら、ローテーブルを使うのがおすすめです。ローテーブルは高さが低いため、座椅子との相性が抜群。座椅子と天板の高さがマッチしたローテーブルを選べば、飲食はもちろんデスクワークなどの作業も快適にできます。また、座椅子から立ち上がるときにローテーブルに手をつけられるため楽に立ち上がれるのもメリットです。

また、寒い冬はこたつを使うのもおすすめです。リビングにこたつを置いて座椅子に座りながらゆっくりテレビを見るなど、リラックスして過ごせます。

床座生活と椅子座生活:健康と生産性の観点から

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床座と椅子座の生活スタイルを決める際には、メリットだけでなく健康や生産性も考慮してください。ここでは、健康面と生産性に着目してそれぞれの利点と欠点について解説します。

床座生活の利点と欠点

床座生活の利点は、模様替えがしやすいところでしょう。椅子座生活よりも家具が少ない空間で生活できるため、模様替えも楽に行えます。一方で、直に床へ座るため床の汚さが目立つのが欠点です。また、床から近い場所で飲食をするので、食事にホコリが入りやすいといったデメリットもあるので注意してください。床座生活を快適にするためには、こまめな掃除が必要不可欠です。

椅子座生活の利点と欠点

椅子座生活は、ダイニングテーブルや椅子を配置できるため、おしゃれな空間で生活できるのが利点です。しかし、ダイニングテーブルや椅子は一度配置すると動かしにくい家具のため、簡単に模様替えができない欠点があります。また、大きな家具の部類になるので部屋が狭く感じるといったデメリットもあるでしょう。定期的に模様替えをしたいなら、動かしやすい家具の購入を検討してみてください。

健康と生産性の観点から見た床座と椅子座の比較

床座で座るときの姿勢は正座やあぐら、足を伸ばしたり曲げたりして座るのが一般的です。椅子に座るよりも自分の楽な姿勢で座れるのが床座のいいところ。一方で、楽に座れるぶん姿勢の悪さが懸念されます。姿勢が悪い状態で長時間座っていると、腰痛を引き起こすほか骨盤が歪むなど健康面では問題が生じることも考えられます。

一方で、椅子座は背もたれがある椅子に座れるため、長時間座っても疲れにくいのがいいところです。しかし正しい姿勢を意識して座らないと猫背など悪い姿勢になることもあるので、床座と同様で座る姿勢には注意しなければなりません。健康面の観点を比較すると、どちらも座る姿勢さえ注意すれば変わりはないと言えるでしょう。

次は、生産性の観点から比較してみましょう。結論からお伝えすると、長時間座っても疲れにくいといったメリットがある椅子座の方が生産性は高いです。集中力の持続も椅子座の方が勝るため、デスクワークをするなら椅子座をおすすめします。

オフィス環境整備における座り方の選択

オフィスと聞くと、ディスクと椅子を使って作業をするイメージを持つ方も多いかもしれませんが、床座スタイルをオフィス環境に導入する方法も検討してみてはいかがでしょうか。ここでは、オフィス環境での床座の可能性と活用法、座椅子を使ってオフィス環境を改善する方法について解説します。

オフィス環境での床座の可能性と活用法

床座はリラックスして座れるスタイルですが、オフィス環境としても導入できる可能性は高いです。床座は椅子を置くスペースがいらないため、省スペースでオフィス環境を整えたい場合に有効なスタイルと言えるでしょう。例えば、テーブルを一つしか置けない空間でも椅子座よりも多く座れるので一つの部署も作りやすいです。

また、人と人との距離が近いため、コミュニケーションが取りやすいといったメリットもあります。床座は短時間座るのに向いている座り方なので、ミーティングルームなどに活用する方法がおすすめです。

座椅子を使ってオフィス環境を改善する方法

床座スタイルでオフィス環境を整えるなら、座椅子を使って改善してみましょう。背もたれがある座椅子なら長時間座っても疲れないため、仕事効率も上がりあぐらや正座で座るよりも生産性を高めることができます。

まとめ

床座と椅子座について解説してきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらを選ぶべきかは生活する人によって好みが分かれます。それぞれの特徴やメリットをしっかり把握して、同居する家族がいる人は家族のことも考慮しながら生活スタイルに合った方法を選んでいくと良いでしょう。

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