ダイニングテーブルの天板にはさまざまな材質が使われています。飲食店やカフェなどの店舗で使うダイニングテーブルは、使用用途により天板の材質の向き・不向きもあるため、選ぶ際には材質の違いを知っておくことが大切です。
この記事では、店舗用ダイニングテーブルの天板におすすめの木材について、材質の特徴などについてご紹介しますので、ぜひお役立てください。
ダイニングテーブルの天板を選ぶ
ダイニングテーブルの天板に使われる天板の種類には、「一枚板」「突板(つきいた)」「集成材」があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
一枚板と突板材
一枚板とは、木をそのまま切り出して板にしたもののことで、無垢材と呼ばれることもあります。サイズの小さなものから、樹齢100~数千年の巨大な木を縦方向に切り出してそのままテーブルに使うようなものまで、一枚板のバリエーションは豊富です。
継ぎ目がなく、同じ木目のものはないなどデザイン性にも優れているので、工芸品や茶道道具として利用されることもあります。巨木を切り出した一枚板は高級品の部類に含まれ、旅館や料亭などで使われることも少なくありません。
人の手が加わっている雰囲気がほとんどないため、自然を感じられる趣のある空間を演出できます。
耐久性も高く、メンテナンスをすることで長く使用できる木材です。
突板材は、本物の木を0.2~2.0mm程度にスライスしてシート状にしたものをベニヤ板に貼り付けたもので、木の風合いを楽しみながら価格を安価に抑えられます。そのままで使うことはなく、ほかの木材に貼り付けて仕上げ材として使用するのがほとんどです。木目の美しい部分を使用していますが、同じ木目が続くため、加工した印象が強くなります。
集成材と突板材の違い
集成材は、原料である丸太から約2~4cmの厚みで切り出した角材を乾燥させて接着した木材。木の節や割れ、欠けがある部分を取り除いて作られるため、天然の木に比べて強度や耐久性を強くすることができるのも特徴です。
また、長さや幅といった規格も決まっているので、同じものを大量につくるのに向いています。そのため、店舗内でテーブルのデザインを統一したいときにおすすめです。天然の木を重ねているため、木の風合いも楽しむことができます。
突板材は木材を薄くしたシートを貼り付けているので、使い続けるうちに下の板が露出してしまう可能性がありますが、集成材の場合は表面が傷んだら削って整えることもできます。
天板におすすめの木材11選
ダイニングテーブルの天板におすすめの木材を紹介します。
タモ(アッシュ)
タモ材やアッシュ材はモクセイ科トネリコ属の広葉樹で、原産地や木の違いで材質が異なります。
タモ材は主に日本原産で、赤みがかった色合いが特徴です。
アッシュ材にはヨーロピアンアッシュやホワイトアッシュなどがあり、なかでも北米原産のホワイトアッシュは弾力性が優れているため、強い衝撃が加わる野球のバットやテニスのラケットなどに使われます。
タモ材やアッシュは、堅さがあり変形しにくく、経年劣化もほとんどありません。
ウォールナット
クルミ材からできたウォールナットは、紫色がかった暗めの褐色と、真っすぐに伸びた木目と艶のある木肌の美しさが特徴です。適度な堅さと粘性があり、優れた加工性があります。
傷が付きにくく、木が暗めの色なので傷ができても目立ちにくいです。
ブラックチェリー
ブラックチェリーは「チェリー材」と呼ばれることもあります。
木肌がすべすべとしており、淡い柔らかな木目が特徴です。
経年変化しやすく、製材したばかりのものは薄い桃色を帯びていますが、使い込むうちに赤みの強い飴色へと変化していきます。
ゴム
木材のなかでもトップクラスのコストパフォーマンスの良さを誇るのがゴムです。集成材として使われます。
強度も非常に高く、傷も付きにくいので耐久性を求められる場所での使用に向いています。明るい色味とすっきりした木目は主張し過ぎないので、どんな空間にもなじみやすいでしょう。
ナラ・ホワイトオーク
ナラとホワイトオークは同じ樹種ですが、産地の違いから名称が異なります。耐水性に優れており、ウィスキーの樽などにも使われているほどです。
ナラやホワイトオークは高い耐久性を持ち、傷も付きにくいので、家具のほかフローリングなどにも使われています。
杉無垢材
特徴的な節目がある杉無垢材は、ナチュラルな木肌の風合いが人気の木材で、香りが良いのも特徴の一つです。
加工しやすいので、家具のほか、建築材や樽、下駄など幅広く利用されています。
若干傷が付きやすいですが、肌あたりが良く柔らかい質感で、保温性もあるのでフローリング材としても多く使われています。
アカシア
個性的な木目があるアカシアは、深みのある色合いで高級感があります。心材は濃い赤茶色、白太は白みが強いので、濃淡がはっきりと出るのが特徴です。木目が非常に個性的な印象を与えるため、ダイニングテーブル自体がインテリアになるでしょう。
堅さがあり粘性も強いため、耐久性も高く、使用頻度が高い場所にも向いています。シロアリへの抵抗性も高く、腐りにくい木材です。
チーク
家具に使われる木材のなかでは最高級に分類されます。家具や高級建具のほか、船舶甲板材に使われるほど耐久性、耐水性に優れています。木材自体に油分が含まれているので、使うほどに表面になじんできて、赤みのある美しい色合いに変化するのが特徴的です。
家具の色を表す「チーク色」という名前もあるほど、色味の美しさが魅力的な木材だといえるでしょう。また、経年によって油がなじむことで、木肌自体もしっとりとなめらかに変化していきます。
ハードメープル
木肌は詰まっていて堅さがあり、衝撃にも強いため野球のバット、まな板などにも使われています。白っぽい色で、質感は光沢があり、柔らかい木目は主張し過ぎず、どんな空間にもなじみやすいです。
艶出し加工を施すことで、さらに美しく仕上がります。
パイン材
北米原産の松を加工したもので、木肌が柔らかく、加工しやすいのが特徴です。また、価格も安いので、家具だけでなくフローリングにもよく使われます。
製材直後は白っぽい色ですが、経年変化で飴色へと変わっていきます。材質が柔らかいため傷が付きやすいですが、節が少なく、素朴で温かみを感じさせる木材です。
節目がやや豪快なので、特に新しいうちは節目の主張が気になることがあるかもしれません。節目の大きさ・大胆さを活かして、北欧テイストやカントリーテイストの空間におすすめです。
アルダー
製材直後は白っぽい色をしていますが、経年変化で淡赤褐色や淡黄褐色へと変化していきます。木目や節は主張し過ぎず、適度に入っているので、どんな空間にもなじみやすいです。
経年による色の変化はあるものの、明るい色合いなので、ナチュラルな雰囲気を演出できます。機械加工しやすいため、ダイニングテーブルのフチを丸く加工しやすく、柔らかいデザインに仕上げたものも少なくありません。
ダイニングテーブルの天板におすすめの木材11選まとめ
ダイニングテーブルの天板には、一枚板、突板材、集成材などがあります。耐久性が求められる店舗のダイニングテーブルには、一枚板や集成材がおすすめです。一枚板や集成材は表面を削って整えることもできるので、メンテナンスをすれば長く使うことができます。
ただし、突板材は価格が安く、統一感が出せるといったメリットもありますので、使用頻度や予算、店舗のコンセプトなどを考慮して考えることが大切です。
ダイニングテーブルの天板におすすめの木材は多種多様。木目や質感、耐久性や耐水性など、木材が持つ特徴・長所は異なりますので、使用用途や予算など、店舗に合ったものをご検討ください。