▶「オリジナル家具ができるまで」の記事はこちら
▶「世界に一つだけの家具」の記事一覧はこちら
▶別注制作の詳細はこちら

造作家具は、オーダーメイドできる家具として人気で、用途に合わせて設計することが可能です。この記事では、造作家具がどのようなものか、造作家具を導入するメリットやデメリットについて、実際の事例を交えながらご紹介します。

造作家具の基本知識

造作家具とはどのような家具を指すのでしょうか。まずは概要を解説します。

造作家具とは?

造作家具は、その空間や部屋の特性に合わせてカスタマイズされた家具です。これらはオーダーメイド家具の一種であり、特に天井や壁、床に直接取り付けられる家具のことを意味し、造り付け家具とも称されます。

造作家具は、空間の機能性と利便性を高めるために不可欠な要素であり、空間の限られたエリアを最大限に活用するのに役立ちます。例えば、壁に組み込まれた本棚や、天井から吊り下げられた収納などです。また、一般家庭だけでなく、オフィスやカフェなどの飲食店でも、雰囲気に合わせて造作家具が使われていることがあります。

造作と置き家具の違いとは?

置き家具とは、インテリアショップなどで販売されている既製品の家具のことです。既製品のため、デザインや色、サイズが制限されて使いにくいものの、コストが抑えられるというメリットもあります。造作家具は、設置する空間に合わせられるため、全体の調和や使い勝手という面で優れているといえるでしょう。

造作家具の種類と特徴

空間に合わせたオーダーメイドができる造作家具には、どのような種類があるのかご紹介します。

様々な造作家具の種類

大きくて空間を占有し、形状が単純な家具が造作家具にも挙げられます。代表的な例として、本棚などの壁面収納があります。部屋の角度や壁の形状に合わせて製作できるため、空間を最大限に活用できるでしょう。また、テレビボードやキッチン、ダイニングテーブル、特注のベッドなども造作家具です。さらに、置き家具では、大きくて空間を占有してしまうものや形状が単純なものが造作家具として扱われます。

それぞれの造作家具の役割と機能

それぞれの造作家具は、設置場所と使用目的に応じて、異なる役割と機能を持ちます。同じ収納棚でも、不規則な壁面を有効に活用する場合と、空間を彩るインテリアを重視する場合では、最適な収納棚が変わってくるので注意してください。

造作家具のデザインと素材選び

造作家具の魅力の一つは、デザインと素材の自由度が高いことです。家具に使う素材は、木材、金属、ガラスなど、様々な素材から選ぶことができ、色や仕上げも、設置する空間とインテリアに合わせてカスタマイズができます。

造作家具の活用法

造作家具の活用法は多岐にわたります。例えば、テレビボードのサイズを壁ぴったりに調整したり、オリジナルの機能を持った家具を作ったり、壁面収納を増やしたりすることなどです。企業イメージに合わせた雰囲気を作るためにも利用されます。

造作家具のメリットとデメリット

機能的かつスタイリッシュな空間づくりに欠かせない造作家具ですが、メリットばかりではありません。メリットとデメリットの両方を理解したうえで、導入を検討したほうがよいでしょう。ここからは、造作家具のメリットとデメリットについてご紹介します。

造作家具のメリット:カスタマイズと空間効率

造作家具の最大のメリットは、カスタマイズの自由度の高さにあります。機能的な面でもそうですが、形やサイズについても1mm単位で調整が可能です。使用者のニーズや空間に完全に合わせることは、置き家具にはできません。例えば、不規則な形状の部屋や限られたスペースでも、造作家具を使用すれば最適な収納や作業スペースを作り出すことが可能です。

造作家具のメリット:造作家具によるデザインの一体感と美学

造作家具は、空間全体のバランスを考えて設計・製作されるため、全体のデザインの一体感をもたらしてくれます。例えば、床・壁と調和するように素材の材質を変えたり、空間を引き立てるために、あえて造作家具の一部の色味を変更したりするのもおすすめです。置き家具とは異なり、全体としての調和が取れた空間を実現できます。

造作家具のデメリット:コストと時間の考慮

造作家具の製作にかかるコストと時間がデメリットの一つです。オーダーメイドのため、デザイン確定までに綿密な打ち合わせとサイズの調整が必要になるでしょう。デザインの確定から製作、設置までの時間も長くなるため、短期間での家具の調達が必要な場合には不向きかもしれません。

また、既製品の家具を購入するよりも高価な傾向があります。予算に限りがある場合、すべてを造作家具にせず、バランスよく既製品と合わせるのがよいでしょう。

造作家具のデメリット:造作家具と柔軟性のバランス

造作家具は特定の空間に合わせて製作されるため、逆をいえば、その空間以外での再利用が難しいです。また、壁などに取り付けられている関係上、安易に移動させることができないため、柔軟性には限界があります。

人目につきやすく、変更の可能性が低い部分は造作家具を利用し、将来的に用途が変わる可能性がある場所は、既製品を利用してもよいかもしれません。

造作家具を用いた空間デザインの事例紹介

▶「TUNE STAY KYOTO壁面ブックシェルフ」の記事はこちら 

空間デザインにおいて、造作家具は空間の雰囲気を形作るための重要な要素です。ここでは、レストランとカフェ、オフィス、小売店、イベントスペースといった様々な環境での造作家具の活用事例をご紹介します。

レストランとカフェでの造作家具

レストランやカフェでは、造作家具で空間の雰囲気を壊さないような工夫を行う必要があります。細かなサイズと色味の調整が可能である点を活かし、古民家などの伝統的な建物を改装してカフェにしている場合、古い構造を活かしながらモダンなデザインを取り入れられるでしょう。レストランでは、店舗に合わせてキッチンの形状・サイズ・機能を変えるなどが考えられます。

オフィス空間における造作家具

オフィス空間では、会議室のテーブル、カウンターテーブル、棚、仕事用のテーブルなどで造作家具が使われています。例えば、ヴィンテージ風なオフィスを目指す場合、古材風に加工した天板とブラックに塗装したスチールを脚としたテーブルを作成し、雰囲気に合う棚を利用することなどです。こうしてこだわった内装は、社員のモチベーションアップに効果が期待できるでしょう。

小売店での造作家具

小売店では、造作家具が商品の陳列に使う什器などに利用されています。空間に合わせた什器であれば、各店舗やブランドがもつイメージを維持しながら販売が可能です。また、壁面設置の棚と違い、店舗のレイアウトも柔軟に変更できるため、季節に応じて雰囲気を変えられます。

イベントスペースと展示会場での造作家具

▶「アビソファ」の記事はこちら

イベントスペースや展示会場にいて、造作家具は展示のテーマやブランドのイメージを強調するのに役立ちます。例えば、ブランドの特性を活かしたユニークなデザインの造作家具があると、見た人に深い印象を与えることが可能です。他にも、開催されたイベントの特色に合わせた造作家具があると、来場者の満足度が高くなることが見込めるでしょう。

まとめ

造作家具は、空間や目的に応じて細かな調整が可能なオーダーメイド家具です。使い勝手の向上にも役立ちますが、一貫した雰囲気づくりができるのも魅力のひとつといえるでしょう。こだわり抜いた空間は、利用者する人の満足度向上にもつながるため、積極的に活用したいところです。移動が難しいというデメリットもあるため、既製品の家具もバランスよく利用することをおすすめします。